おジャ魔女どれみ+α
第46話「新たなる日常」
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 ももこは昼休みに学校の校舎の屋上でひとりでいた。そこに二人の女の子がやってきた。
スージー「ももこ、最近元気ないけど何かあったの?」
 彼女はスージー、中学からのももこの友達である。
ももこ「え、元気なく見える?」
 ももこはマジョダークのことなどで複雑な思いでいたが、それを隠していたつもりだった。
ベス「なにかあるんだったら話してよ。相談のるからさ。」
ももこ「うん、ありがとう。でも、何でもないからさ。」
 その時ももこの持っていた通信機が鳴った。
ももこ「あ、ちょっとごめんね。」
 ももこはベスたちから離れ、人目の少ないところへ行った。
ももこ「どれみちゃんからだ・・・。」
 ももこは通信機に応答した。
ももこ「もしもし、どれみちゃん?」
どれみ「もしもし、今大丈夫かな?」
ももこ「うん。大丈夫だよ。」
 ももこはベスたちの方をちらっと見てから言った。
どれみ「今度こがねちゃんが1級試験に受かったらみんなでお別れ会をやろうと思ってるんだけど・・・大丈夫かな?」
ももこ「お別れ会か、良いね。行くよ。わざわざありがとう。そっちていま夜中の2時ぐらいでしょ?」
どれみ「うん、今2時半ぐらい。」
ももこ「あ、そろそろ昼休みが終わるから・・・またね。」
どれみ「え、そっちってまだ学校あるんだ。」
ももこ「うん、こっちは日本と違って1学期が9月から始まるからね。」
どれみ「そっか。じゃぁ、また今度連絡するね。」
ももこ「うん、ありがとう。」
 ももこは通信を切ってベスたちのもとへもどった。
ももこ「ごめん、ごめん。」

***

男の人「さぁ、どっちか選ぶんだな。」
おんぷ「そ、そんなの選べません。」
 おんぷは今ドラマの収録中だった。
男の人「良いから選ぶんだ。このまま黙って殺されるか、宝のありかを教えるか。」
???「そこまでだ、誘拐犯!」
男の人「ちっ、警察か。近づくな!近づけばこいつの命がないぞ!」
おんぷ「きゃぁぁ!」
警察官「くそ、卑怯なやつめ。」
刑事「おい、その少女から手を離せ。おふくろが泣いてるぞ。」
男の人「う、うるせぇ!」
監督「はい、カット。誘拐犯人役、もっとせっぱ詰まった感じでお願いね。」
男の人「あ、はい、すいません。」
監督「とりあえず2分ほど休憩はさんで、そのあとまた撮影再開ね。」
 おんぷは一度カメラなどの機材のあるところに戻ってきて水を飲もうとしたが、その時おんぷの持ってきていた鞄の中から通信機の着信音が聞こえてきた。
おんぷ「あら、誰からかしら。」
 おんぷは鞄を開けて通信機を取り出した。
おんぷ「あいちゃんからだわ。もしもし?」
あいこ「あ、おんぷちゃん、今仕事中?」
おんぷ「一応休憩中よ。でも、すぐに撮影が始まるわ。」
あいこ「あ、じゃぁ用件だけ言っとくわ。今度こがねちゃんが試験に受かった後お別れ会するんやけど、時間あるかなぁ?」
おんぷ「ううん、分からないけど頑張って休みを作っておくわ。」
あいこ「ごめんな。忙しいのに。」
おんぷ「ううん、良いのよ。こがねちゃんと会えるのもこれで最後だから。最後ぐらい会っておかないとね。」
あいこ「ありがとう。それじゃぁ、また何かあったら連絡するし。」
おんぷ「うん、わざわざありがとう。」
おんぷは通信機の電源を切ると、机の上に置いてあった水を一口飲んでから撮影に戻った。

***

はづき「分かったわ。わざわざありがとう、さつきちゃん。」
さつき「うん。それじゃぁね、バイバ〜イ。」
 さつきがそう言うと、通信は切れた。
はづき「・・・こがねちゃんとももうすぐお別れかぁ。」
はづきは寂しく呟いた。
はづき「魔女見習いじゃなくなるとこの通信機も使えなくなるとかさつきちゃん言ってたけど・・・。そうなったらまたみんなと会いにくくなるなぁ。」
 はづきは左手に持った通信機を見ながら言う。
はづき「でも・・まったく会えないわけでもないし。」
 すると部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。はづきはドアの方を見た。
ばあや「お嬢様、晩御飯の準備が出来ております。」
はづき「あ、ばあや。ありがとう。」
 はづきは立ち上がってから窓の外を見て呟いた。
はづき「またみんなと会えたら良いなぁ・・・。」
 はづきは通信機を机の上に置いてその部屋を出た。その時、窓の外を流れ星が一つ─

***続く


次回予告
今日はついにこがねちゃんの1級試験追試の日。
こがねちゃん、ファイトぉ!
次回、おジャ魔女どれみ+α『旅立ちの印』お楽しみにね!
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