おジャ魔女どれみ+α
第44話「希望と絶望」
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???「マジョマーズ、マジョジュピター、何故黙るの?教えなさい。月の魔法の制約を解く薬を発明したんじゃ無かったの?」
 どれみたちは一体なにが起こっているのか全く把握できないでいた。
どれみ「ちょっと、なんでマジョダークの間近にいる人たちの間でこんなに話が違うのよ〜。」
しずく「そうだ・・・思い出した。」
どれみ「え、どうかしたの、しずくちゃん?」
しずく「もしかして・・・あなたは・・・。」
 しずくは今登場した魔女を見ながら言う。
???「あなた・・・もしかして、しずく・・・?なんで、なんでここにいるの?」
 その魔女もしずくを見て驚くような表情を見せている。
しずく「なんでここに居るのって聞きたいのは私のほうだよ。」
 しずくは瞳に涙を浮かべている。
おんぷ「どういうこと?二人は知り合いなの?」
 しずくは黙って頷く。
しずく「藤崎先輩・・・。どうしてここに居るの?教えて!」
どれみ「藤崎先輩って・・・もしかして藤崎いろはさんのこと・・・?」
はづき「一体どうなってるの?」
 どれみたちはすっかり混乱している。
いろは「しずくこそ、どうしてここに?」
しずく「私たちはこの一年間、ずっとマジョダークっていう人を探していて・・・そして今日ついにここに辿りついたの。」
いろは「じゃぁ、マジョダーク様の言ってた追っ手って、あなたたちのことだったの?マジョダーク様が何をしたのよ・・・。」
しずく「何をって、いっぱいしてるじゃない!魔女ガエルの呪いを再びかけたのも、私の・・・。私が昔正体を見破ったマジョライドを殺したのも・・・。」
いろは「魔女ガエルの呪い?マジョライド?MAHO堂★カフェの?まさか、マジョダーク様がそんなこと・・・。」
しずく「MAHO堂★カフェを知ってるの?」
いろは「・・・私がまだフランスに居た頃、よく行ったわ。それより、今いった話は本当なの?」
しずくは黙って頷く。
いろは「どういうこと・・・マジョマーズ!マジョジュピター!どういうことなの!?」
マジョマーズ「・・・悪いけど言えないわ。言えば私たちがマジョダーク様に殺される。」
いろは「・・・もう良いわ。マジョダーク様に直接聞きに行ってくる。しずくとみんなはここで待ってて。」
???「呼んだか?」
 奥から黒い服を纏った魔女が姿をあらわす。
いろは「マ、マジョダーク様!これは一体どういうことなんですか?」
しずく「あ・・・。」
 しずくは彼女から目をそらす。
ももこ「あれが・・・マジョダーク。」
 どれみたちは睨むようにマジョダークを見る。ただ一人、しずくを覗いて・・・。
さつき「し、しずくちゃん、どうかしたの?」
 さつきがしずくの異変に気付き声をかける。
しずく「間違いない・・・。あの人が・・・。マジョライドを・・・。」
 しずくの声は震えていた。
しずく「私・・・怖い。」
 どれみは震えるしずくの手を強く握りしめた。
どれみ「大丈夫・・・私たちがついてるから・・・。」
いろは「答えてください、どういうことなんですか?」
マジョダーク「簡単に話せば・・・お前はずっと騙されていたということだな。」
いろは「えっ・・・。」
マジョダーク「月の魔法を使うには生贄が必要なんだ・・・。」
いろは「じゃぁ、魔女ガエルの呪いは・・・?」
マジョダーク「生贄は・・・魔女見習いまたは、人間から魔女になったものに限られている。生贄を手に入れるためには、魔女ガエルの呪いが必要だったわけさ。」
いろは「そ、それに・・・マジョライドを殺したって言うのは、どういうことなの?」
マジョダーク「お前が魔女見習い試験1級に合格し、魔女になることが決まり、人間界を去ることになって突如お前が人間界から姿を消してみろ。人間界ではどのような騒ぎが起こると思う?」
いろは「で、でも・・・何も殺すことなんか・・・。」
マジョダーク「・・・殺すつもりはなかったんだ。そこの緑色の見習服をきた少女の記憶を消すために人間界に行った時、マジョライドとやらが反抗しおってな・・・気絶させるつもりが勢いあまって殺してしまった・・・。」
どれみ「え?」
いろは「記憶を消すにしても、魔女ガエルの呪いをかけるにしても、月の魔法がなければどうにもならないじゃない!生贄は何処に居たのよ!何処から連れてきたの?」
 マジョダークは一瞬黙り込む。
いろは「マジョダーク・・・様?」
マジョダーク「生贄なら居るではないか・・・。」
いろは「え?」
マジョダーク「・・・今迄騙して悪かった。」
いろは「まさか・・・。嘘よ・・・。」
 マジョダークはまた黙り込む。
いろは「嘘って言って・・・お願い。私、今迄なんのためにあなたに仕えてきたのか・・・。」
マジョダーク「生贄は殺さなくても良いんだ。生きたままで生贄にできる。もちろん本人には気付くことなく・・・。黙っていてすまなかったな。お前の寿命はもう・・・あと3年しかないんだ。」
 あたりを沈黙が包み込んだ。
いろは「私・・・そんな・・・。」
マジョダーク「だから急ぐ必要があった・・・新たな生贄の用意を・・・。」
あいこ「あ、あんた、自分のことしか考えられへんのかいな!」
 あいこはポロンを構えたが、それをいろはが押さえる。
あいこ「え?」
いろは「いいのよ。それでも、私はマジョダーク様を信じている。もしあなたたちがマジョダーク様を連れて行こうとするのなら・・・あなたたちを殺してでも私が全力で阻止するわ。」
どれみ「えぇ?ど、どうして?」
 突然のことにどれみたちは驚いた。
 
***続く


次回予告
自分の命を犠牲にされていたのに何故かマジョダークを守ろうとする藤崎いろはさん。
二人の間にはいったいどういう関係があるのぉ?
次回、『最後の希望』、お楽しみにね!
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