おジャ魔女どれみ+α
第44話「希望と絶望」
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 ここは魔女界の果て─
 そこに今にも崩れ落ちそうなその城はあった。
どれみ「ここ・・・ですか?」
女王様「はい。そうです。」
しずく「今にも崩れ落ちそうだね・・・。」
どれみ「それじゃぁ行って来ます、女王様。」
女王様「本当に気を付けてくださいね。」
 どれみたちは城の入り口に近づく。すると、重い扉が音を立てて開く。
あいこ「開いたで・・・。まるで招かれてるように。」
どれみ「行こう。とりあえず、中に入らないことには先に進めない。」
 どれみたちが城の中に入ると、入り口の扉はバタンッと音を立てて閉まる。
さつき「入ると扉が閉まって外に出られない・・・よくあるパターンね。」
 さつきは冷静に言う。
しずく「なんか今にもでそうって感じだよぉ〜。」
はづき「マジョリカ!マジョリカ!マジョリカ!マジョリカ!」
ももこ「マジョリカ!マジョリカ!マジョリカ!マジョリカ!」
 おばけ嫌いの3人は騒ぎまくっている。
???1「酷く騒がしい客人ね。」
???2「こんな客、招き入れる必要なんてあったのかしら。」
???1「マジョダーク様も本当に物好きね。でも、逆らうわけには行かないしね。」
???2「それもそうね。そもそも、あの子達は私たちにとって必要だからね。」
こがね「マジョダーク、今確かにマジョダークって・・・。」
あいこ「あんたら、誰や!」
 あいこが叫ぶと、魔女らしき人物がふたり、どれみたちの前に姿をあらわした。
???1「冥土の土産に自己紹介してあげるわ。私はマジョマーズ。」
???2「私の名前はマジョジュピターよ。」
さつき「冥土の土産に自己紹介・・・か。これもよくあるパターンね。」
 さつきがあきれながら言う。
マジョマーズ「うるさいわね。そこ。とにかく、私たちの命令はあんたたちを殺さずにマジョダーク様の元へお連れすることよ。」
マジョジュピター「殺されないだけありがたいと思いなさい。」
 突然、どれみたちの首にかかっていたMAGIC BLUEが光り始めた。
どれみ「MAGIC BLUEが光ってる?もしかしてこの人たちって・・・。」
さつき「行方不明の月の魔法の使い手の残りの二人ってこと?」
おんぷ「そうと分かれば、光で攻撃よ。」
 どれみたちはネックレスを首からはずし、手のひらにのせた。
マジョマーズ「うっ・・・。これは・・・MAGIC BLUE・・・。」
マジョジュピター「しまった・・・あれを付けて来なかったのは失敗だったわ。」
ももこ「あれをつけて来なかった?」
マジョマーズ「ふん、あなたたちに教える必要は無いわ。」
マジョジュピター「とにかく今日のところはこれで勘弁してあげる。」
あいこ「勘弁してあげるって、優勢なのはどっちやねん!」
 あいこがすかさずツッコミを入れる。
どれみ「とにかく、今のうちに・・・。」
 どれみたちはポロンを構える。
どれみ「ピ〜リカピリララ のびやかに〜」
はづき「パイパイポ〜ンポイ しなやかに〜」
あいこ「パメルク〜ラルク〜 たからかに〜」
おんぷ「プ〜ルルンプルン すずやかに〜」
ももこ「ペルタンペットン さわやかに〜」
しずく「ピルル〜カポルル〜カ すこやかに〜」
さつき「ポルパータルナータ したたかに〜」
こがね「プラットフォルン おごそかに〜」
「マジカルステージ!二人を動けないようにして!」
 例の如く(?)、上から檻のようなものが降ってきて二人を囲んだ。
どれみ「よし。」
あいこ「えらいあっけなかったなぁ。MAGIC BLUEがあったら、マジョダークも簡単に捕まりそうやな。」
マジョマーズ「あなたたち、彼女をなめないほうがいいわよ。」
さつき「ところで、あなたたちにいろいろと答えて欲しいことがあるんだけど。」
マジョジュピター「な、何よ?」
さつき「私たちを殺さずにマジョダークのところへ連れて行くのが目的とか行ってたけど、あれはどういう意味なの?」
マジョマーズ「あら、あれだけ月の魔法とかいろいろ調べていたのに知らないの?」
マジョジュピター「教えてあげても良いんだけどなぁ〜どうしようかしら。」
あいこ「教えんかい!MAGIC BLUEの光もっと当てんで!」
 あいこは脅迫気味に言う。
マジョジュピター「わ、分かったわよ。教えてあげる。」
マジョマーズ「月の魔法の制約ぐらいは・・・知ってるわよね?」
はづき「確か・・・自分の寿命が短くなること、だったかしら?」
マジョジュピター「そぅ。だから、マジョダーク様は自らの寿命を削ることなく月の魔法をつかえないか研究したのよ。」
マジョマーズ「そしてマジョダーク様はそれを発見し、当時いたあと3人の月の魔法をつかえる魔女・・・つまり私たちを集めてその研究の成果を試そうとしたの。」
さつき「それと私たちを連れて行くことと何の関係があるの?」
マジョマーズ「まだ分からない?生贄よ。」
どれみ「い、生贄?」
マジョジュピター「そうよ。月の魔法を使った時に自分ではなく他人の寿命を犠牲にするという方法をマジョダーク様は発見したのよ。どう?凄いでしょ?」
あいこ「凄いでって、そんなこと・・・。」
 突如、あいこのセリフを遮るように、城の奥から誰かの声が聞こえてきた。
???「お喋りが過ぎるわ、マジョジュピター、マジョマーズ。それに生贄ってどういうこと?初耳よ。」
しずく(あれ?なんだろう・・・。何時か何処かでこの人の声を聞いたことがあるような気がする・・・。)
 マジョマーズとマジョジュピターは黙り込む。奥から出てきた魔女はどれみたちより少し年上ぐらいに見えた。
ももこ「やけに若々しい魔女が出てきたね。私たちよりちょっと年上ぐらいじゃない?」
あいこ「そ、それに、生贄が初耳ってどういうことや?」

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