おジャ魔女どれみ+α
第41話「激戦の結末」
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れい「あれ?井沢先輩の代わりに白岩君が出てきたわ。」
さつき「本当だ・・・。」
れい「井沢先輩、怪我でもしたのかな・・・?ここからじゃよく分からないや。」

***

白岩(フリースローか・・・。入るかな・・・。いや、絶対に決めてやる!!)
白岩はシュートを放つ。一本目はリングの中に収まった。応援席から歓声が聞こえてくる。
山崎「白岩、もう一本決めてやれ!」
白岩(もう一度・・・。入れ!)
 二本目のシュートはボードに当たり、跳ね返るとリングの上を転がった。
白岩(入れ!)
白岩のその願いが通じたのか、ボールはリングを通過した。
白岩「よっしゃぁ!」
 白岩のフリースローで波に乗った美空中バスケ部たちは、着実に点を重ね、一時は1点差まで詰め寄った。しかし、第3クォーター終了直前に敵にシュートを決められ、点差は再び3点差となった。

***

さつき「ねぇ、もしかして、勝てそうじゃない?」
れい「勝てそうというか、勝つよ。きっと。」
さつき「そうよね。勝つよね。きっと。」

 しかし、今迄攻撃に専念していた南城中学は最後の第4クォーターから徹底的に守りに入った。そのせいか、なかなかシュートが決まらない。美空中の皆は焦り始めていた。
山崎(くそ、あと3点・・・あと3点なのに・・・。)
山崎は26−29と表示されたスコアボードを見ながら思う。
白岩「山崎先輩、焦っちゃ駄目ですよ!」
山崎「白岩!」
 白岩からパスをもらった山崎はふとゴールの方を向いた。
山崎(そうだ・・・焦ったら駄目だ。さっきもそうだったじゃないか。落ち着け・・・。)
そう思うと、彼はゴールに向かってドリブルをして突っ込んで行った。そしてディフェンスを潜り抜けて彼はシュートを放った。ボールはリングをすり抜けて、試合終了1分前にしてついに一点差に詰め寄った。
白岩「山崎先輩、あと一本で逆転っす!」
山崎「おう!みんな、集中して行け!」
 しかし、南城中のレギュラーたちは、エンドからパスをし続けて時間を稼ごうとしていた。そう、あと40秒、39秒、38秒、・・・・試合終了までもう僅かだった。30秒をきったそのときだった。白岩は敵のパスカットに成功した。
白岩「もらったぁ!」
 白岩はすぐに山崎にボールをパスした。山崎は迷わずドリブルをしてゴールしたヘ・・・。そしてシュートを放つがボードに弾かれてしまった。しかし、ゴール下へ走ってきた白岩ははじかれたボールを上手く拾った。一瞬時計をみると、残り時間は10秒を切っていた。
白岩(くそ・・・時間がない!)
さつき「白岩君!」
 応援席からのその声は白岩の耳にも届いた。その声に白岩はハッとする。
白岩(そうだ、落ち着け!落ち着けばいける!)
 白岩はディフェンスから離れるためゴールからわざと遠ざかり、そしてそこからシュートを狙っていった。
白岩(入れ、入ってくれ!!)
 シュートを放った瞬間試合終了のブザーが鳴る。しかし、シュートを放ったのは試合終了前。これが入れば逆転で美空中の勝ちだ。会場中全ての人の視線はボールに集まっていた。

***

 着替えを済ませた白岩は、体育館の入り口でじっと夕陽を眺めていた。
さつき「おつかれさま。」
白岩「し、新庄・・・。そっか、お前管弦楽部だっけ。応援来てたんだな。お前の声ちゃんと聞こえてたぞ。」
さつき「はい。引率の人が持ってきてたからもらってきてあげたよ。」
白岩「あぁ、サンキュ。」
 白岩は引率者の差し入れのスポーツドリンクを一口飲んでから俯く。
さつき「最後のシュート・・・惜しかったね。」
白岩「俺って・・駄目だよな。肝心な時にシュートが入らねぇなんて。」
 最後のシュート・・・そう、美空中は負けたのだ。昨年度全国大会準優勝校に1点差で負けたのだ。
さつき「そんな事ないよ。白岩君が最初出てきたときのフリースロー、2本とも決めてたじゃない。」
白岩「あぁ。でも・・・。」
さつき「かっこよかったけどなぁ。」
白岩「え・・・?」
 さつきは少し笑ってから、
さつき「じゃぁね。」
 と言ってその場を去っていった。白岩はただ呆然と立ち尽くしていたが、ふと我に返ると言った。
白岩「また明日な!」

***続く


次回予告
とうとう今日は最後の関門、1級試験。
しかし、その試験の最中、とんでもない事態が・・・!?
次回、『ついに来た、最後の1級試験!』お楽しみにね!
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