おジャ魔女どれみ+α
第39話「噂の魔女の正体」
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???「申し遅れたが・・・私の名はマジョセスロイン。十年程前に、藤崎いろはという少女に正体を見破られた魔女さ。」
どれみ「藤崎さんの・・・?」
マジョセスロイン「あぁ。話せば長くなる。ここでは寒いだろう?お前達のMAHO堂へ案内してくれないか?」
どれみ「は、はい。」
 どれみたちはMAHO堂へ戻り、そしてマジョセスロインは再び話しはじめた。
マジョセスロイン「まず私がここに来た理由から全てを話そう。あれは・・・5年ほど前だったか・・・。私の正体を見破ったいろはは魔女見習い試験の1級試験に受かり、私を魔女ガエルからもとの姿に戻してくれた。しかしだ。彼女は私を元の姿に戻したあと姿をくらませた。」
 マジョセスロインはそう言った後、しずくの方を見た。
マジョセスロイン「君は確か・・・相川しずくと言ったな?」
しずく「はい。」
 しずくは頷きながら答える。
マジョセスロイン「私も彼女と同じで記憶を失っていた。いや、マジョダークという魔女に記憶を消されていた。しかし、私がこの間久々に魔女界に帰った時、たまたま女王様にあったのだが、彼女は私を見て驚いていた。どうやら私は病気で死んだ事になっていたらしいが、私には何の ことだか分からなかった。そのとき、私の消されていた記憶が蘇ってしまった・・・。」
 どれみたちは無言でマジョセスロインの話しを聞き入っていた。
マジョセスロイン「人間界に住む者達がいろはのことを知らないのは・・・。マジョダークがいろはの存在を知るものから記憶を消したため・・・。」
どれみ「じゃぁ、藤崎さんのお母さんがいろはさんを知らなかったのも、マジョダークって人に記憶を消されていたからなんですか?」
マジョセスロイン「恐らくな。」
さつき「でも、じゃぁなんのために?」
マジョセスロイン「彼女にはいろはが必要だったのだろう。どう必要だったのかまでは分からないが、彼女を連れ出し、それに気付かれないようにするため皆の記憶を消した。そうすれば、いろはが居なくなったと騒がれる事もない。」
こがね「藤崎さんが・・・必要だった?」
しずく「もしかしてそれって・・・月の魔法の制約と何か関係があるんじゃ・・・?」
あいこ「それしか考えられへん・・・。」
 どれみたちを一瞬沈黙が包み込んだ。
マジョセスロイン「女王様から全て話は聞いている。私も記憶を取り戻してしまった以上、お前達に手を貸すつもりでいる。」
どれみ「ありがとうございます。」
マジョセスロイン「私もいろはに会いたいのはお互い様だ。それに、マジョライドのかたきもある。」
しずく「マジョライドを・・・知っているんですか?」
マジョセスロイン「あぁ。その昔いろはから聞いていた。MAHO堂☆カフェのオーナーで・・・その店にいろははよく行っていたそうだ。そして・・・彼女がしずくという少女に正体を見破られて魔女ガエルになったということもな。」
 それを聞いてしずくはマジョライドの姿を思い出してしまい、するとしずくの瞳から涙があふれてきた。
どれみ「しずくちゃん・・・。」
しずく「ご、ごめん・・・泣いちゃ駄目だよね?」
 しずくは涙を拭ってから笑って見せた。マジョセスロインはその様子を見てから口を開いた。
マジョセスロイン「というわけで私もしばらくここで厄介させてもらいたいのだが・・・。」
マジョシス「別に構いませんよ。」
マジョセスロイン「そうですか。ありがとうございます。」

***

ももこ「そうなんだ・・・。私、しずくちゃんの気持ち、分かる気がするよ。マジョモンローのことを思い出すと、今でもやっぱり悲しくなるから・・・。」
どれみ「ももちゃん・・・。」
 どれみは通信機越しにももこと会話を交わしていた。
ももこ「それより今度2級試験があるんだよね?頑張ってってみんなに言っといてよ。」
どれみ「うん、分かった。」
ももこ「それじゃぁね。See you later!」
どれみ「うん、またね。」
どれみは通信機の電源を切ってから立ち上がった。
どれみ「さてと、そろそろ学校に行きますか。」
どれみは元気良く部屋から飛び出していった。

***続く


次回予告
ここ最近こがねちゃんの元気が無いけど、どうかしたのかなぁ?
でも、今夜は2級試験。こがねちゃんには頑張ってもらわないと・・・。
次回、『2級試験は無理難題?』、お楽しみにね!
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