おジャ魔女どれみ+α
第38話「美空中の七不思議!?」
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 朝、どれみは学校に着いて、校舎の中を1年4組の教室を目指して歩いていた。そして、1年2組の教室の前を通りかかったときだった。
???1「だから見たんだって!」
???2「そんなやつ居るわけないだろうが!」
 見ると、男子生徒が二人、1年2組の教室でケンカをはじめていた。
どれみ(何だろう・・・?)
 不思議に思ってみていると、工藤むつみと手向山咲の二人が現れた。
どれみ「あ、むっちゃんにさきちゃん。」
むつみ「あ、おはようどれみちゃん。」
どれみ「何かあったの?」
さき「さぁ、私たちは男子がまたケンカしてるって聞いたから飛んできたんだけど・・・」
どれみ「また?」
むつみ「ほら、この間クラスボールの取り合いでケンカしてた二人よ。」
 この二人、10話でクラスボールの取り合いをしてケンカをしていた二人であった。
どれみ「あぁ、そういえばそんなことも・・・。」
???1「だから、見たって言ってるだろうが!」
???2「しつこいやつだなぁ!」
 手向山咲は深くため息をついてから言う。
さき「ちょっと〜、あんたたち、周りの迷惑ってことを考えたらどうなの?」
???1「げっ、た、手向山・・・。」
 彼の名は三宅亮太、元美空三小の生徒である。
???2「いや、あの、こいつが・・・」
 彼は橋本新平、亮太と同じく、美空三小の生徒であった。
さき「もう、今日は何をケンカしてたの?」
りょうた「そうなんだよ、聞いてくれよ。」
しんぺい「こいつが昨日の夜、ここの校庭で魔法使いを見たって言うんだよ。」
どれみ「ま、魔法使い!?」
 どれみは驚いたような口調で言う。
むつみ「え?」
 あたりの視線はどれみに集まっていた。
どれみ「え・・・いや、ははは。」
 どれみはなんとかしてその場をごまかそうとしている。
りょうた「と、とにかく、見たんだよ。」
さき「三宅君はなんでその人が魔法使いって分かったの?」
りょうた「俺、見たんだよ。黒いマントを羽織ったおばさんが・・・箒に乗ってここからどこかへ飛んでいくのを・・・。」
どれみ(ひょっとして・・・魔女!?)
しんぺい「そんな嘘、誰が信じるんだよ!」
―ポカッ
 亮太の頭を新平が叩く。
りょうた「いって〜、何すんだよ!」
さき「はいはい、分かったから二人ともケンカしないの。あいかわらずどうでもいいことでケンカするんだから。もう。」
しずく「あ、どれみちゃん、おはよう。何してるの?」
 たまたま1年2組の教室の前を通り過ぎたしずくがどれみに尋ねる。
どれみ「え、いや、何か男子がケンカしてたから・・・。」
しずく「ケンカ?どうでもいいけど、早くしないと1時間目始まっちゃうよ?」
どれみ「あ、うん、そうだね。」
 どれみはそう言うと、廊下を4組の教室の方へ走っていった。しずくは、どれみの様子が何か変であることに気が付き、首をかしげていた。

***

 その日の夕方の大阪の家具屋魔法堂。5時を回った頃客足が少なくなったため、しずくはどれみに近づいていって話し掛けた。
しずく「どれみちゃん、今朝、何かあったの?」
どれみ「え?何で?」
しずく「朝1年2組で男子がケンカしてたって言ってたでしょ?」
どれみ「あぁ、そのことなんだけどさ、2組の三宅亮太って人が昨日美空中の校庭で魔女を見たって・・・。」
あいこ「魔女を?」
 となりでなにやら作業をしていたあいこは作業を止めて話に加わってきた。同時に、こがねとさつきも話しに加わった。
こがね「その魔女の人、正体ばれちゃったの?」
どれみ「ううん、違うみたいなんだ。ただ箒で飛んでいくのを見ただけだって言ってたけど・・・。」
さつき「箒で飛んでいったってことは・・・多分魔女で間違いなさそうね。」
あいこ「そやけど、その人は一体なにしに来はったんやろ?」
どれみ「う〜ん。」
どれみたちはただ首を傾げて考えるだけで、結局そのことについては何も分からなかった。

***

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