おジャ魔女どれみ+α
第36話「いじめの無い世界」
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マジョラッタ「1とその数自身でしか割れない数のことさ。その数のほとんどは嫌われ者じゃ。」
こがね「嫌われ者・・・?」
 こがねは嫌われ者というその言葉に敏感に反応した。
マジョラッタ「中には2や5といったキレイな数もある。じゃが、3、7、11、13、37なんて数は、人はあまり好まない数じゃ。」
 こがねはマジョラッタが何を言いたいのかよく分からないでいた。
マジョラッタ「しかしじゃ・・・・。」
 マジョラッタは何処からか電卓を取り出してこがねに渡した。
マジョラッタ「今言った数を全部かけてみろ。」
こがねは言われたとおりにする。
こがね「3×7×11×・・・えっと、なんだっけ?」
マジョラッタ「13と37じゃ。」
こがね「13×37は・・・っと。あ・・・。」
 こがねは電卓に表示された数字を見て驚いた。
マジョラッタ「キレイな数字になったじゃろ?だから、この世に必要の無い数字など無い。人間や魔女だって同じだ。それぞれに個性があるのだから、必要の無い人間や魔女などいないんじゃよ・・・。」
 こがねは『111111』と表示されている電卓を見つめながら頷く。
マジョラッタ「分かりにくい例えですまなかったな。まぁしかし分かってくれたようじゃからよしとするかのぅ・・・。」
こがね「ねぇ、マジョラッタ・・・。」
 マジョラッタはこがねに改まった風に話し掛けられ振り返る。こがねは背後から風を受けて耳の上でくくった髪をなびかせていた。
こがね「ありがとう・・・。私、行ってくるよ。」
マジョラッタ「あぁ、行って来い。」
 マジョラッタは黙ってこがねの背中を見つめている。
マジョラッタ「しかし心配じゃな・・・。少しだけ・・・背中を押してやるかな。」
 マジョラッタは水晶球を取り出しながら言った。

***

 こがねが教室の扉に手をかけたときだった。
???「あ〜ら、マジョビートじゃない。」
 こがねは思わず手を引っ込めた。
こがね「マ、マジョラーン・・・。それに、マジョミライ・・・。」
 青いマントを羽織っているマジョラーンが言う。
マジョラーン「何しに来たの?」
こがね「え・・・いや、私はただ授業を受けに行けと・・・。」
マジョミライ「魔女でもないあんたがなんで授業を受けるのよ?」
 赤いマントを羽織っているマジョミライが言う。
マジョラーン「そうそう。」
 その時だった。とつぜんあたりが揺れだしたのだ。
マジョラーン「な、何が起こったの?」
マジョミライ「地震?」
 やっと揺れがおさまったかとおもうと、すぐにまた揺れ出した。それの繰り返しだった。
マジョラーン「何?地震じゃないの?」
???「た、大変よ!」
マジョラーン「どうしたの?マジョカルス!この揺れは何?」
 マジョカルスと呼ばれたその魔女は黄色のマントを羽織っていた。
マジョカルス「ドラゴンが!」
マジョラーン「ド、ドラゴン?」
 黙ってそれを聞いていたこがねは走って校舎を出た。
マジョミライ「あ、あんた・・・。」
マジョカルス「あれ?ねぇ、今のもしかしてマジョビート?」
マジョミライ「うん・・・。そうなんだけど・・・?」
 マジョミライは首をかしげている。それもそのはず、ドラゴンと聞いて外に飛び出る勇気がこがねにあるとは夢にも思っていなかったのだ。

***

マジョリン「大変です、女王様!」
女王様「どうしました、マジョリン。」
マジョリン「魔女学校を謎のドラゴンが襲撃しています。」
女王様「魔女学校を・・・?」
マジョリン「はい・・・。女王様?」
女王様「・・・少し様子を見ましょう。」
マジョリン「じょ、女王様!死人がでてからでは・・・。」
女王様「いえ、きっと大丈夫です。あそこには彼女が居ますから・・・。」
マジョリン「彼女・・・?」
女王様(頼みますよ・・・こがねちゃん。今のあなたならきっと・・・。)

***

 校舎の外に出てきたこがねは上を見上げて言う。
こがね「何この大きさ・・・。」
 後から足音が聞こえてきた。
マジョミライ「あんたまさかドラゴンと戦うつもり?」
マジョラーン「魔女でもないあんたが勝てるわけ無いじゃない。」
こがね「そういう問題じゃないでしょ?戦わなきゃ・・・あの大きさじゃ、逃げても無駄だよ。」
 二人は戸惑った。なぜなら、こがねは二人の知っているこがねと違っていたからだった。こがねはポロンを構えた。
こがね「プラットフォルン ペイントランロット!ドラゴンよ、自分の住む世界に帰って!!」

***続く


次回予告
ドラゴンと戦うこがねこと、マジョビート。それをみたマジョラーンとマジョミライは・・・。 次回、『笑顔がくれたもの』、お楽しみにね!
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