おジャ魔女どれみ+α
第35話「再来!試練の塔」
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あいこ「今度は勇気らしいで。よっと。」
 あいこはそう言いながら扉をあけた。すると、その部屋からは眩しいほどの光が差し込んできた。
どれみ「この部屋・・・見た感じ何もないよ?」
 2階のその部屋は見た限りではただの大広間で、奥に上る階段があるだけだった。
あいこ「でも、まさか何も無いわけないやろ。慎重にいかなん・・・。」
どれみ「あれ?」
あいこ「どうしたん?どれみちゃん。」
どれみ「ここに見えない壁があるよ。」
あいこ「ほんまや・・・壁や。」
さつき「見えない壁にぶつかることを恐れずに前に進む"勇気"があるかどうかってことかしら?」
しずく「じゃぁ、壁にそって歩けば・・・。」
 どれみたちは壁に沿って歩き始めた。そして、難なく階段までたどり着いた。
こがね「なんだ、簡単じゃない。」
さつき「よし、次が屋上ね。行こう。」
どれみたちは階段を上って3階へ。3階の入り口にあたる扉にはこう書かれていた。
 『 3階 幻惑 』
しずく「幻惑・・・?」
あいこ「なんか昔の3級試験の3つ目の世界みたいな・・・。」
どれみ「原型は同じみたいだね。」
さつき「とりあえず入ってみましょう。」
 さつきはトビラを開けた。そこには・・・。
しずく「え?え?え?」
どれみ「学校の・・・教室?」
 そこはまさしく学校の教室そのものだった。クラスメイト全員がその教室に居た。
あいこ「学校の教室?どれみちゃんのクラスの?」
どれみ「うん。1年4組の教室だよ・・・。」
 教室には先生も居て、先生は扉の前で戸惑っているどれみたちにこう言った。
先生「お〜い、そこ。もう授業始まるぞ。さっさと教室に入れ。」
どれみたちはそういわれて無言で教室に入った。どれみたちは辺りを見渡してから言った。
さつき「それより・・・宝石はどこ?」
先生「宝石?何を言ってるんだ。寝ぼけているのか?」
 先生は笑いながらさつきに言う。
さつき「え?」
どれみ「さつきちゃん、惑わされちゃ駄目だよ。」
さつき「う、うん。」
あいこ「さつきちゃん、これは制限時間が切れるまでの時間稼ぎや。惑わされたら時間切れになってまう。惑わされたらあかん。」
こがね「でも、どうやって宝石をさがすの?」
しずく「こういう時のために魔法があるんでしょ?」
こがね「え、でもみんなが・・・って、そうか、これ幻なんだ。」
あいこ「そういうことやな。魔法を使いづらくするための幻惑でもあるんやな。」
さつき「よし・・・じゃぁ。」
 さつきはポロンを構えた。
さつき「ポルパータルナータ クロロリント!宝石の場所を教えて!」
 さつきがそう呪文を唱えると、教室中が明るく光りだした。そして、全ての幻惑はその光に飲み込まれ、その光は部屋の中央に集まり始めた。その集まった光の元にはひとの宝石が落ちていた。さつきはそれを拾った。
さつき「これで合格ね?」

***

塔から出てきたどれみたちは、持っていた宝石をモタに渡した。
モタ「時間内に帰ってきたから合格〜。」
しずく「あぁ、疲れたよ。この試験。」
どれみ「本当。もうくたくただよ。」
さつき「早く帰ってねようっと。」
どれみたちは箒にまたがり、魔女界の空を飛び立っていった。

***続く


次回予告
マジョラッタに連れられて魔女界へ行くことになったこがね。
何でも今日一日だけ魔女界の学校に行くように女王様に言われたからなんだって。
次回、『いじめの無い世界』お楽しみにね!
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