おジャ魔女どれみ+α
第34話「見えた!マジョダークの足跡」
1/2
ももこ「それじゃぁ、4級の試験は受かったんだ。」
どれみ「うん。今度の3級試験も、しずくちゃんたちならきっと受かってくれると思うし。大丈夫だよね。」
ももこ「しずくちゃんたちなら絶対大丈夫だよ。」
どれみ「そうだよね。」
ももこ「うん。あ、もう休み時間終わるから、また後でね。See you later!」
どれみ「バイバイ。」
 マジョラッタからもらった通信機でももこと会話していたどれみは、通信を切ると、すぐに眠りに入った。ももこのいるニューヨークとは時差が14時間もあり、ニューヨークではまだ昼の12時でも、どれみたちの住む美空市ではもう翌日の朝2時なのである。

***

 どれみが眠りに入ってから約7時間後の学校・・・。
白岩「どりゃ〜!」
 その日の一時間目は体育でサッカーだった。そこへ元美空三小の森田正義がやってきた。
森田「させるかぁ〜!」
白岩「な、何?」
 ゴール目前までドルブルでボールを運んできた白岩は、突然キーパーの森田にあっさりとボールを奪われてしまう。
森田「よし、植村、パスだ!」
 植村峰雄、彼は元美空ニ小の生徒で、自称『熱血野球少年』でもちろん野球部だった。
植村「よっしゃ、任せろ!って、あれ?」
 彼は野球は上手いがサッカーは下手だった。ボールは彼の足の隙間を見事にすり抜けた。
森田「う、植村〜!」
 その植村の背後から元美空二小の相模啓太が現れた。
相模「ボールはもらったぜ。」
白岩「よし、ナイスだ相模!」
 相模はそのままゴール前までドリブルして、そこで待っていた白岩にパスした。
相模「行け!白岩!」
白岩「よっしゃぁ!」
 白岩は全力でボールを蹴った。森田は慌てて戻ってきた。
森田「くそ!」
 ゴールポストギリギリに飛んだボールを森田はジャンプして取ろうとするが、数センチ手が届かなかった。しかし、幸いボールはゴールポストにあたった。
白岩「あぁぁ!惜しい!やっぱ小竹がいたらな・・・。」
 白岩はやや寂しいセリフを放ってからゴール前から離れた。

***

マジョラッタ「今日はいつもにまして客の多かったことじゃ。」
あいこ「ほんまやな。でも、ここの家具買いに来る理由はようわかるわ。」
さつき「そうね。こんな立派な家具から日常でよく使う小物まであるし、そのうえ他の店と比べたらだんぜんここのほうが安いもの。」
リリム「まぁ、全部手作りだから、材料費だけですむもの。当然といえば当然だけどね。」
こがね「そっか、だから原価が安いから定価も安く出来るんだ。」
マジョラッタ「そういうことじゃな。」
しずく「さてと、もう6時だし、帰ろうっか?」
 その時だった。魔法堂の二階の窓が突然開いた。
あいこ「あれ、窓って開けっ放しにしたままやったけ?」
こがね「え、でも、そもそも窓自体開けてなかったような・・・。」
しずく「って、誰か入ってきたよ?」
さつき「え?」
 マジョラッタとその妖精リリムは急いで机の物陰に隠れた。
どれみ「女王様!」
 どれみのその声を聞いて、マジョラッタとリリムは物陰から出てきた。窓から入ってきた女王様は、階段を下りてどれみたちのところまでやってきた。
マジョラッタ「これはこれは、女王様。」
 あいさつもなく、女王様の第一声はこの言葉だった。
女王様「マジョダークの居た場所がわかりました。」
 どれみたちは一瞬その言葉の意味が理解できないほど驚いたため、しばらく沈黙が続いた。そして、何か言い難いことを聞くかのようににさつきが尋ねた。
さつき「居た・・・ということは、今は居ないんですか?」
女王様「・・・はい。今現在何処にいるかまではまだ分かっていません。ただ・・・。」
 どれみたちはただ一点、女王様の方を向いて話しに聞き入っていた。
女王様「その場所に1週間ほど前まで居たということは分かりました。」
しずく「1週間ほど前・・・ですか?」
女王様「はい。」
こがね「その居場所が分かったことで、何かほかに分かったことはあるんですか?」
女王様「えぇ。2つあります。1つ目は、そこにマジョダークだけではなく、もう一人別の人物が居たと思われます。」
あいこ「もう一人ですか?」
女王様「それが誰かまでは分かりませんが、二人いたことは確かです。しかし、考えられる人物として、月の魔法を使える魔女の残りの二人のどちらか、もしくは地獄界出身の魔女なのかもしれません。」
女王様は少し間をおいてからまた話を続けた。

次のページへ
リストに戻る