おジャ魔女どれみ+α
第33話「久々の試験!」
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 どれみたちはようやく山の前まで来ていた。
どれみ「うぇぇ。この山を登るの?」
あいこ「登らんとあかんみたいやな・・・。」
しずく「魔法でなんとか乗り切れないかしら・・・?」
こがね「そうだ!」
 こがねはポロンを握った。
こがね「プラットフォルン ペイントランロット!大きいシャボン玉で私たちを包んで!」
 すると、どれみたちは大きなシャボン玉の内部に取り込まれた。そして、シャボン玉はゆっくりと浮上を始めた。
あいこ「なかなか考えたな、こがねちゃん。」
こがね「へへへ。」
どれみ「しかも結構速いよ、これ。」
 シャボン玉は山の頂上近くの平坦な場所に着地して、静かにはじけた。
さつき「これでだいぶ速いこと山頂までこれたわね。」
しずく「あとは下るだけよね?簡単、簡単。」
どれみ「油断したら駄目だよ。」
さつき「そうよ。モタたちの言ってた罠もまだ一つも出てきてないし・・・。」
あいこ「そういえばそうや。注意していかんとな。」
こがね「ねぇ、みんな。」
どれみ「どうしたの?こがねちゃん。」
こがね「あれって・・・罠だと思う?」
 こがねは何やら立て札のようなものを指差して言った。
あいこ「何々?『4級試験ゴールはこちら』・・・?」
 その立て札は矢印のカタチをしていて、山のふもとのほうへ続くと思われる道のほうを差していた。
どれみ「う〜ん。いかにも妖しい・・・。」
さつき「とりあえず、行ってみましょう。」
しずく「そうだね。」
 どれみたちはその立て札の差すとおりの道をゆっくりと歩いていった。どれみたちがその立て札の場所から見えなくなるくらい離れた時、立て札は音と煙を上げて姿を変えた。
モタ「何とかうまくいったわね〜。」
 モタは嬉しそうに微笑んでから指を鳴らして箒を出し、それにまたがって空高く飛んでいった。

***

どれみ「それより、罠ってどんなのかな?」
あいこ「そやな・・・例えば落とし穴とか?」
 あいこがそう言った瞬間、先頭を歩いていたどれみが何かに引っ張られるように地面の下に消えていった。
こがね「って、どれみちゃん?」
さつき「・・・落とし穴だ。」
しずく「どれみちゃん大丈夫?」
 どれみは落とし穴のなかで目を回していた。

***

どれみ「あれ?前からだれか来るよ?」
あいこ「ほんまや。こんな山奥に、誰やろう?」
 その誰かはどれみたちとすれ違うや否やこう言った。
???「お前達は、魔女見習いかい?」
しずく「え、あ、はい。」
???「そうか。今何級試験じゃ?」
こがね「4級です。」
???「ふむ。頑張るのじゃぞ。」
さつき「ありがとうございます。」
 さつきがそういうと、全員前を向いて再び歩き出した。
しかし、その誰かはどれみたちの方をむいたままじっとしている。
どれみ「ねぇ、あの人まだこっち見てるよ。」
あいこ「気味悪いな。急ごう。」
 あいこがそう言うと、左にカーブしている道を5人は足早に歩き出した。しかし・・・。
どれみ「あれ・・・?行き止まり?」
さつき「岩が道をふさいでいるみたいね。」
さつきはそう言って、その岩をさわるや否や・・・。
さつき「きゃぁ!」
どれみ「どうしたの?」
さつき「これ岩じゃない・・・。」
あいこ「岩ちゃうって、どういうことや?」
さつき「これ・・・。」
 さつきが説明する前に、どれみたちはそれが何なのかが分かった。その岩は突然起き上がり、こちらのほうをにらめつけた。
しずく「か、カエル?」
 それは岩ではなく、大きなカエルの背中だった。そして、その背中はヌメヌメしていたため、さつきはそれが岩ではないとすぐに分かったのであった。
あいこ「と、とりあえず、今来た道戻らへん?」
さつき「も、戻りましょう。」
 どれみたちはゆっくりと後ずさりして、そして全速力で走って逃げた。しかし、何故かカエルはついてくるのであった。
どれみ「つ、ついてくる〜!!!」
あいこ「って、さっきの人まだいるで!」
 さっきの気味の悪いおばさんは、まだ立ってこっちを見ていた。そのおばさんは逃げてくるどれみたちを見て笑みを浮かべ、そして煙を上げてなんと巨大なクモに変身した。
どれみ「こ、今度はクモ?」
 さて、どれみたちはすっかり挟まれてしまいました。
さつき「とにかく、箱はしっかりもって・・・。こっち!」
 さつきはやや傾斜のきつい道を・・・いや、林の中を無理やり進んでいった。どれみたちもその後に続いた。もちろんカエルとクモはどれみたちの後を追ってくるのであったが・・・。
 無我夢中で走っているうちに、どれみたちは森の外に出ていた。
どれみ「こ、ここは・・・?」
あいこ「森からでたみたいやな。じゃぁ、山をこえたってことやし、ゴールか?」
???「そういうこと〜。」
 どれみたちはスローな声が聞こえてきたので、そっちの方を向いた。
どれみ「え?」
 その声は明らかにさっき追ってきたカエルから発せられていた。カエルは煙を上げてモタに、クモはモタモタに戻った。
モタ「というわけで〜、誰も箱を壊してないみたいだから全員合格ぅ〜。」
さつき「なんだか知らない間に合格しちゃったね。」
しずく「本当。ま、合格できたし、どうでもいいや。」
こがね「そうだね。」
3人はお互いの顔を見合って、そして笑い出した。どれみとあいこもそれにつられて笑うのであった。

***続く


次回予告
ついにマジョダークの居場所をつきとめたとの連絡が魔女界からあった!
でも、感付かれたのかそこに行くともうすでにマジョダークはいなくて・・・。
次回、『見えた!マジョダークの足跡』お楽しみにね!
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