おジャ魔女どれみ+α
第33話「久々の試験!」
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 この日の授業の間の休み時間。どれみはめずらしく勉強をしていた。
さつき「うわ、どれみちゃんが勉強してる。」
こがね「あ、よくみたらこれ、今日までの宿題じゃない。」
しずく「そういえばそんな宿題あったわね。」
 その宿題は、理科の宿題だった。
どれみ「・・・よし、あと一問・・・だけど、この問題すごく難しい・・・。」
さつき「あ・・・これはね、これがこうなってこうなるから・・・」
どれみ「これとこれをかけて・・・。こういうこと?」
さつき「うん、そういうこと。」
どれみ「あ、そうか。じゃぁこの問題は、これがこうなって・・・。こう?」
さつき「うん、正解よ。」
どれみ「やった。ありがとうさつきちゃん、おかげで何とか宿題が終わったよ。」
しずく「さつきちゃん、すごい。本当に教えるのも上手だね。」
さつき「そんなことないよ。」
こがね「わたしもさつきちゃんぐらい頭良かったらなぁ〜。」
どれみ「ほんとうだよ。」
 そこへ矢田と白岩が通りかかった。通りかかった白岩がどれみのもっている理科の宿題を見て言った。
白岩「あ、そういえばそんな宿題あった!忘れてた、やっべ〜。」
矢田「ってお前、まだ宿題やってなかったのか?今日の5時間目までだぞ?」
白岩「昼休み遊びにいけねぇじゃん。なぁ、矢田、宿題ちょっと貸してくれ。な?」
矢田「ば〜か。自分でやれよ。」
白岩「あぁ!こいつ!くそ!じゃぁ、水模!貸してくれ!」
 水模光(みずもこう)、元美空二小のかれは頭が良く、まじめだった。
水模「だめ。宿題は自分でやるもんだぞ。」
白岩「羽場は・・・やってなさそうだな。」
 羽場幸則(はばゆきのり)、彼も元美空二小で陸上部で足が速いことがとりえだった。
羽場「白岩、人を見かけで判断するのはよくないぜ。」
 羽場は出来上がった宿題をじまんげに白岩に見せた。
どれみ「でも、この辺の問題ほとんど間違ってたりして・・・。」
羽場「そ、それは・・・。」
白岩「あぁ、もう誰でもいいから貸してくれ!」
 なぜ白岩がこうも慌てているかというと、理科の先生はとても厳しく、宿題を忘れたら間違いなくただではすまないと分かっていたからだ。
さつき「仕方ないわね。はい。今回だけだからね。」
白岩「え?」
さつき「貸してあげる。でも、5時間目始まる前にちゃんと返してよ。」
白岩「あ、あぁ。サンキュー。」

***

 そう、この日は4級の魔女見習い試験の日だったので、どれみたちは魔女界に来ていた。
モタ「あら〜。久〜し〜ぶ〜り〜ねぇ〜。」
モタモタ「確か次は4級の試験ねぇ〜。」
 あいかわらずスローな2人である。
モタ「4級の試験はぁ〜・・・。」
 モタがそういうと、モタモタが魔法でなにやらへんてこな物体を出した。
あいこ「なんやそれ?」
モタ「4級の試験は〜この箱を〜壊さずにあの山の向こうまで運んだら合格〜。」
 モタはそういいながらどれみたちの後のほうの山を指差した。
しずく「運ぶだけでいいの?」
モタモタ「でも〜途中で罠があったりするから注意してねえぇ〜。」
モタ「この箱は落としただけで割れちゃうからぁ〜。」
モタモタ「それじゃぁ〜。」
モタ「4級試験始めぇ〜。」
 しずくたちは一人ひとつずつその箱を持って出発した。
どれみ「やっぱり試験の内容、変わってたね。」
こがね「そういえばお母さんから昔聞いたんだけど、魔女見習い試験って何年かに一度改正するって言ってたわ。」
あいこ「それやったら、今年はたまたま試験内容が変わったってことか。」
さつき「そうみたいね。とにかくあの山の向こうまでいきましょう。」
 5人はお互いの顔を見てから箒にまたがり空を飛び始めた。
どれみ「遠いねあの山。」
しずく「うん。それにこの箱をもったままじゃ飛びにくいし・・・。」
どれみの目からもあいこの目からも、しずくたちが飛びにくそうなのは確かだった。
こがね「おっとっと。バランスがとりにくいよ・・・。」
あいこ「空を飛ぶのは危ないな。やっぱり、下におりて歩いたほうがよさそうやな。」
しずく「確かにそうしたほうがいいかも。」
どれみ「じゃぁ、あの草原のあたりに下りよう。」
 どれみがそういうと、どれみたちはゆっくりと下降して着陸しようととした。
さつき「よっと。」
 さつきが草原のところで着陸すると、どれみたちも後に続いて着陸し始めた。しかし、こがねが箒から降りようとしたその時・・・。
こがね「あ!」
 こがねは壊してはいけないその箱を手から放してしまった。
さつき「大変!」
 さつきはポロンを構えた。
さつき「ポルパータルナータ クロロリント!箱よ、浮いて!」
 さつきがそう魔法をとなえると、こがねの落とした箱は地面すれすれでういた。
こがね「おぉぉ。ありがとうさつきちゃん。」
 こがねはそう言ってその箱を拾った。

***

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