おジャ魔女どれみ+α
第30話「夏の魔法(前編)」
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 どれみたちが出店を回ってる間に、昼近くになった。
はづき「しずくちゃん、金魚すくい上手だったね。」
こがね「ほんと、ほんと。みんな1匹ぐらいしかすくえないのに、しずくちゃん一人で15匹もすくっちゃうんだもん。」
しずく「へへ。でも、もらえるのは2匹までだけどね。」
どれみ「あのさ、ごめん、私ちょっとトイレ行ってくるね。」
さつき「うん。じゃぁ、私たちこの辺りにいるから。」
どれみ「うん。すぐに戻ってくるよ。」
 どれみがトイレに行って、トイレを出たところに小竹がいた。小竹以外は誰もいなかった。
どれみ「あ・・・。」
 どれみはすぐにその場から逃げ出そうとしたが、小竹がそれを言葉で止めた。
小竹「ど、どれみ・・・。」
 どれみは立ち止まってから、振り返った。
どれみ「・・・何?」
小竹「その、今日の放課後・・・話があるんだ。学園祭が終わったら・・・、この校舎の屋上に来てくれないか?」
どれみ「え?」
小竹「じゃ、じゃぁ。待ってるからな。」
 小竹はそう言ってその場を去ろうとした。
どれみ「ちょ、ちょっと待ってよ。」
小竹「な、なんだよ。」
どれみ「その・・・。」
 しかし、その時どれみの背後からちょうどももこが現れた。
ももこ「あ、どれみちゃん、やっとみつけた。」
どれみ「も、ももちゃん?」
 どれみは振り返っていった。
小竹「あ、飛鳥!」
 小竹は驚いて言って、すぐに逃げ出した。
ももこ「あ、小竹・・・。何か話してたの?」
どれみ「う、ううん。別に。それよりあいちゃんたち、あっちで待ってるから急ごう。」
ももこ「うん。」

***

 どれみたちは体育館で昼食を食べていた。
はづき「体育館が食堂がわりになってるんだ。」
あいこ「でも、焼きそばは私が作ったほうがおいしいで。」
 あいこは焼きそばを食べながらそう言った。
どれみ「ははは。でも、ここのも十分おいしいと思うよ。」
しずく「今度あいちゃんのやきそば食べてみたいな。」
あいこ「私の場合、焼きそばよりたこ焼きつくるほうが得意やけどな。」
こがね「たこやき?」
さつき「こがねちゃん、たこ焼きしらないの?」
ももこ「Takoyaki is very good japanese food !丸いお好み焼きにたこがはいってるみたいなやつだよ。」
おんぷ「それにソースを塗って食べるの。」
こがね「へぇ〜。おいしそうだね。」
あいこ「じゃぁ今度作って持ってきてあげるわ。」
こがね「ありがとう。楽しみにしてるよ。」

***

 校舎の裏にはめったに人は来ないのだが、この時男子生徒が2人、校舎の裏に居た。
???「なんだよ、話って。」
 その生徒は小竹に言った。
小竹「や、矢田、おそいじゃねえかよ。」
矢田「そんなことより話って何だよ。・・・・あのことか?」
小竹「・・・・あぁ。今日話そうと思ってる。」
矢田「そうか・・・。」
小竹「それより、今何時だよ?」
矢田「俺がさっき時計見たとき2時半すぎぐらいだったぜ。」
小竹「も、もうそんな時間かよ。そろそろ行かねぇと・・・。」
 小竹は走りだしたが、矢田から十メートルほど離れた位置で呼び止められた。
矢田「ちょっと待てよ。」
小竹「何だよ。」
矢田「・・・頑張れよ。」
小竹「お、おう!」
 そう言うと小竹は再び走り出した。そして矢田は走り去る小竹の影をじっと見ていた。

***続く

次回予告
約束通りにどれみは小竹の待つ屋上へ・・・。その時、小竹の口から出てきた言葉は・・・。
次回『夏の魔法(後編)』、お楽しみにね!
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