おジャ魔女どれみ+α
第29話「さつきの夢」
1/2
 寒さも増してきた今日このごろ、どれみたちは元気が良かった。その日は中間テストの最終日で、ちょうど全てのテストが終わったところだった。
どれみ「やっと中間テスト終わったね。」
しずく「うん。これでまた遊べるね。」
さつき「でも、魔法堂の手伝いしないといけないからね。」
こがね「遊ぶ時間無しか・・・。」
どれみ「でもまぁ、テスト終わっただけましだよ。」

***

 一度家に帰ったどれみたちは、昼食を取ってからMAHO堂へ行った。もちろん、マジョラッタの店の手伝いをするためだ。
どれみ「じゃぁ、行こっか。」
 4人そろった時点で4人は魔女見習い服に着替えた。そして、魔法の扉を開けようとしたとき、
マジョシス「頑張ってね。いってらっしゃい。」
 その時、MAHO堂の入口の扉がぎしりと動いた。
さつき「ちょっと待って、今入り口で音しなかった?」
 さつきは入り口を指差して言う。
こがね「誰か着たのかな?」
しずく「でも、もしこの格好で見つかったらまずいんじゃ・・・。」
 4人はお互いの顔を見合わせ、今この状況の危険さに気が付き、慌てて机の影に隠れた。もちろん、一番見つかってはまずいマジョシスはどれみの手の中に隠されていた。隠れ終わると同時にMAHO堂の入口が開いた。
???「この扉、こんなに開きにくかったかしら。こんにちは・・・。」
 その女の子はMAHO堂内を少し歩いてこう言った。
???「誰もいないのかな。ちょっと来るのが遅かったのかしら。いや、早かったのかな?」
 その時、どれみがその声に聞き覚えがあるのに気付き、立ち上がった。
さつき「ど、どれみちゃん!!」
 さつきは慌てて言うが、どれみには聞こえていない。
どれみ「はづきちゃん、やっぱりはづきちゃんだ。」
さつき「どれみちゃん〜って、はづきちゃん?」
 さつきが机の下から這い出ると、そこには茶色い髪の女の子が立っていた。
しずく「はづきちゃんだったんだ。ビックリさせないでよ。」
はづき「ごめんね。」
どれみ「それよりはづきちゃん、どうしてここに?」
はづき「今日は中間テストの最終日で学校が早く終わったからちょっと来てみたの。」
どれみ「私たちの学校も今日中間テストの最終日だったんだ。」
はづき「そうだったんだ。あ、それと、ついでだから私もお店のお手伝いをしたいんだけど・・・。」
しずく「はづきちゃんが良いんだったら別に構わないよ。」
さつき「うん。はっきり言うと人手不足だもんね。」
はづき「そういえばマジョリカの時よりもお店が繁盛してるって・・・。」
どれみ「うん。全然違うよ。」
マジョシス「とにかく、はづきちゃんも見習い服に着替えて、早くお母さんのところに行かないと、怒られるわよ。」
 そういう訳で、その日は一日はづきが手伝ってくれる事になった。その日もいつものように客は来た。はづきは仕事を手伝いながら言った。
はづき「いつもこんなにいっぱいお客さんって来るの?」
どれみ「うん。いつもこんな感じだよ。」
はづき「うわぁ。大変だなぁ・・・。」
あいこ「あ、はづきちゃん。ちょっとこっち手伝ってぇ〜。」
はづき「あ、うん。」
 店の奥からあいこの声が聞こえてきたのではづきはそっちのほうへ走っていった。
はづき「どうかしたの?あいちゃん。」
あいこ「いやな、店の机が並んでるところあるやろ?あそこに並んでる机の青い奴があって、それの赤い奴無いかって聞かれたんやけど・・・。このあいだどっかで見たと思ったんやけど、何処にしまってあったかなぁっと・・・。だからちょっと探すの手伝ってくれへん?」
 あいこはなにやら小さな模型のようなものを一生懸命調べていた。
はづき「あいちゃん、その模型みたいなのって何?」
あいこ「あぁ、これ?魔法で小さくした家具やねんけど。なんかたくさんあって店に置ききれへんからこうやって魔法で小さくして机の引出しに整理して入れてあるんや。」
はづき「へぇ。あ、もしかしてここにある4つ机のどれかにあるの?」
あいこ「うん。細かい作業で疲れるし、客もあんまり待たせるわけにいかへんから、ちょっと手伝って。ごめんな。」
はづき「うん。いいよ。」
 あいことはづきは机の引出しから模型のように小さくなっている家具の中から目的の机を探し始めた。
はづき「あいちゃん、これかなぁ?」
あいこ「え・・・?」
 あいこはじっと机を見てから、
あいこ「あ、これやこれや。じゃぁ魔法で元の大きさに戻してっと・・・。」
 っと言ってポロンを構えた。
あいこ「パメルク〜ラルク〜ラリロ〜リポップン!机を元の大きさに戻して!」
机はポンッっと音を出して元の大きさの戻った。
はづき「うわ、大きい・・・。」
あいこ「じゃぁ、今度は運ぶの手伝って。」
はづき「う、うん。」
 二人は机を持ち上げて客の待つ店内へと急いだ。

***

次のページへ
リストに戻る