おジャ魔女どれみ+α
第27話「魔女界との契約」
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こがね「私、魔女界に13年間いましたけど、そんな話今まで・・・。」
マジョヘルス「魔女界の子供には口外しないという掟もあるんだ。正式な魔女になった時、やっとこのことを知らされるんだ。子供に差別の心を植え付けさせないためにな。しかしそれは無理だ。」
さつき「どうしてですか?」
マジョヘルス「地獄界の人間かどうかは見たら一目でわかる特徴があるんだ。だからどんなに安全だといわれてももとは地獄界の者。まわりの魔女たちはそんな者と付き合うのが怖いために関わらないものが多い。」
しずく「その特徴って・・・?」
マジョヘルス「肌の色さ。闇のように黒い色をしている。つまりお前たちの見た魔女もまた、地獄界出身の魔女というわけさ。中にはマジョブルアのようにちゃんと仕事につくことができるものもいる。しかし、ほとんどのものはまわりからの差別や偏見に苦しんで罪を侵してしまい、地獄界に連れ戻されてしまう。」
どれみ「でも、その人はどうして月の魔法なんて特殊な魔法が使えるんですか?」
マジョヘルス「それは私も思った。そして調べたんだ。その黒い魔女の祖先はもともと魔女だったらしい。しかし、当時の女王と魔法使い界の王を殺したがために地獄界においやられたと聞いた。つまり、その黒い魔女が月の魔法を使えたとしても何の不思議もない。そもそも月の魔法は古代魔法で、滅んだものと思われていたんだ。彼女の祖先が数千年前の人物だから、使えたとしてもおかしくはないだろう。」
さつき「調べたってことは・・・その魔女が誰だか分かったんですか?」
マジョヘルス「ふん、なかなか鋭いじゃないか。そうだよ。地獄界出身の魔女で月の魔法を使えるのはただの一人しかいない。その魔女の名は・・・マジョダーク。」
しずく「マジョダーク・・・。」
マジョヘルス「彼女は三十年前にこのしきたりに選ばれている。その時彼女は六歳だった・・・。つまり彼女は今、まだ三十六歳と若い。体力も魔力もまだまだ成長するだろう。だから油断はできん。」
マジョラッタ「三十六歳・・・。魔女としてはかなり若いほうじゃのぅ。」
マジョヘルス「あぁ。それに地獄界の人間は人一倍力が強い。だから私の妹が殺されたということも・・・信じたくないが事実だろう。」
 マジョヘルスは悲しげな顔をして言ったが、すぐにもとの気迫ある顔に戻ると、魔法堂の出口のほうを向いて言った。
マジョヘルス「私が今わかっていることはこれだけだ・・・。」
どれみ「わざわざありがとうございます。」
マジョヘルス「私はこの後女王様にこのことを伝えに行かなければならない。だから私はこれで帰るとしよう。」
 マジョヘルスはそう言うと出口に向かって歩きだしたが、二、三歩歩くとまた止まって振り返らずに言った。
マジョヘルス「お前たち、元気でいてくれよ。」
 そしてまた出口の方に歩き出し、魔法堂から出て行ったのだった。
あいこ「これで黒い魔女のことはだいぶ分かったな。」
しずく「そうね・・・。あとはいろはさんのことが分かればいいんだけど・・・。」
どれみ「それとあと、月の魔法についてもちょっと調べといたほうがいいんじゃない?」
さつき「うん。私もそう思う。」
こがね「じゃぁ今度魔女界に行って調べてこようか。」
マジョラッタ「中央図書館にたしか月の魔法の書物がいくつかあったはずじゃが・・・。」
どれみ「じゃぁ、今度魔女界に行って、月の魔法について調べにいこう!!」
全員「オー!」
マジョラッタ「それよりお前達、かえらんで大丈夫なのか?」
どれみ「うわ、もうこんな時間?」
しずく「外も真っ暗だよ。」
さつき「早く帰らないと。それじゃぁ、あいちゃんバイバイ!」
あいこ「うん。また明日な。」
 あいこはそう言って魔法堂から出て行くと、どれみたちも魔法のトビラをくぐって美空市へと帰っていった。
マジョラッタ「元気なやつらじゃな。」
マジョラッタは窓の外を見上げて言った。窓の外には一番星が輝いていた。

***続く


次回予告
魔女界にきて月の魔法について調べている私たちだけど、
いろはさんが消息を絶ったこととは関係無いのかなぁ・・・?
次回、『月の魔法と制約』お楽しみにね!
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