おジャ魔女どれみ+α
第25話「マジョラッタのプレゼント」
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あいこ「これやな。」
 あいこは横からどれみの持っている腕時計型通信機のボタンを押した。
マジョラッタ「そうすれば電話番号らしきものが表示されるじゃろ。そうじゃな・・・。試しに009番にかけてみろ。横の数字ボタンを使うんじゃ。」
どれみ「0・・・0・・・9っと。押したよ。」
マジョラッタ「もう一度一番上のボタンを押せ。」
 どれみは言われたとおりにボタンを押した。すると、マジョラッタの持っていた腕時計型通信機から 軽快な音楽が聞えてきた。
マジョラッタ「そしてかけられた方は一番上のボタンを押すと・・・。」
 マジョラッタは一番上のボタンを押した後、その画面をどれみたちに見せた。どれみたちはそれを覗き込むように見入った。
どれみ「あ、私の顔が映ってる。あいちゃんも映ってるよ。」
あいこ「ほんまや・・・。映ってる。」
マジョラッタ「その通信機に電話がつながってるんじゃ。切る時も一番上を押せば終了する。」
さつき「すご〜い。テレビ電話みたい。これ、私たちにくれるの?」
マジョラッタ「あぁ。店の新商品で売り出そうと思ったんじゃが、デザインが上手くいかんでのぉ。試作品10個作ったんじゃが、これじゃ売れんじゃろうからお前等にやる。」
どれみ「デザインかわいくていいと思うけど、って・・・。」
 マジョラッタはさっさと奥の部屋へ入っていってしまった。
こがね「売れない事ないと思うけどなぁ・・・。」
さつき「うん。」
 どれみたちはマジョラッタの行動がいまいち理解できなかった。
リリム「・・・バカね。マジョラッタも。」
さつき「どうかしたの?」
リリム「マジョラッタね、昨日言ってったのよ。どれみたちが頑張ってるのに自分には何も出来ないって。何か協力できないかって。」
どれみ「え、それじゃぁ・・・。」
リリム「それは売るためじゃなくてもともとあなたたちに上げるために作ったのよ。」
あいこ「マジョラッタ・・・。」
しずく「普段はケチなのにね・・・。」
どれみ「マジョラッタに御礼言わなきゃ。」
リリム「マジョラッタならそっとしときなさい。」
どれみ「え、何で?」
リリム「だって素直じゃないから。御礼言ったって怒られるだけよ。きっと。」
しずく「ははは。私もそんな気がするよ。」
どれみ「そうだね。」
リリム「はい、じゃぁ仕事続けて。」
どれみ(ありがとう、マジョラッタ・・・。)
あいこ「どれみちゃん、ぼうっとしてんと手伝って。」
どれみ「あ、うん。」
しずく「いけない、この荷物配達に行かなきゃ。さつきちゃん、手伝って。」
さつき「うん、分かった。」

***

 そのころ、ここは地獄界と魔女界を繋ぐ門。
マジョヘルス「なんじゃ、その子供は。」
マジョブルア「何をいっておる、今日は地獄界の救いの日じゃろ。」
マジョヘルスの同僚、マジョブルアが言う。
マジョヘルス「そうか。今日は・・・。まさか・・・。」
マジョブルア「どうした?マジョヘルス。」
マジョヘルス「なんでもない・・・。」
マジョブルア「そうか。では今から私は女王様のもとに行く。」
マジョヘルス「あ、あぁ。」
マジョブルア「じゃぁな。」
 マジョブルアがその子供を連れて空を飛んでいくのを見た後、マジョヘルスはこう呟いた。
マジョヘルス「そうか、しずくという少女の言うこと・・・これでわかったぞ。ならば・・・あの子供たちが危ない・・・。」
 マジョヘルスは、生臭い匂いのする地獄界のほうを向いた。そしてマジョヘルスは今仕事中のためにその場を動けないことを悔やんでいた。
マジョヘルス「くそぉ・・・。手遅れになる前に早く・・・。」

***続く


次回予告
今日は美空中学校の体育祭があるんだって!中学校生活初めての体育祭だから頑張らなきゃ!
次回、『美空中の体育祭!』お楽しみにね。
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