おジャ魔女どれみ+α
第25話「マジョラッタのプレゼント」
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 1年4組の生徒全員は、教室で合唱コンクールで歌う歌の練習をしていた。
*「まばた〜き〜しぃても〜きっと消えない〜ずっと消えない〜」
先生「うまいなぁ、お前達。これなら優勝も夢じゃないぞ。」
 どれみはひそひそ声でしずくに話し掛けた。
どれみ「ねぇ、他のクラスって何歌うか知ってる?」
さき「1組は宝物歌うってむつみちゃんが言ってたわ。」
 横から手向山咲が割り込んできて言った。
しずく「そうなんだ。たしか2組はcaramel歌うって山本さんが言ってたよ。」
どれみ「けいこちゃんが?そっか、けいこちゃん2組だっけ。」
信子「みほみほもそう言ってたよ。」
 横川信子も話に割り込んできた。丸山みほも2組だった。
しずく「3組は?」
どれみ「ななこちゃんが私の翼を歌うって。」
さつき「へぇ〜。そうなんだ。」
先生「こら、そこ!静かに。」
どれみ「は、はい。」
先生「じゃぁもう1回最初から歌ってみようか。」

***

 ここは大阪の魔法堂。
どれみ「あれ、マジョラッタは?」
 どれみは魔法堂に着くや否やそう言った。
リリム「それが朝から店の奥にこもって出てこないの。何か作ってるみたいだけど。」
あいこ「でも店は空けろって言ってたんやろ?」
リリム「えぇ・・・。」
しずく「何か作ってるって、この店の品物もマジョラッタが作ってるの?」
リリム「そうよ。いつもみんなが帰った後、1人でいまマジョラッタがいる部屋で夜遅くまでず〜っとね。」
さつき「そうだったんだ・・・。」
どれみ「マジョラッタも大変なんだね。」
リリム「まぁマジョラッタも魔法堂の経営権を得る前は発明家でいろんなもの作ってたから。」
どれみ「発明家だったの?」
リリム「えぇ。二十年前まではポロン製作の第一人者だったから。」
こがね「そうだったんだ。」
しずく「意外だね。」
こがね「かなり不器用そうに見えるけどね。まぁ私はマジョラッタの本当の姿知らないからなんとも言えないか・・・。」
どれみ「いや、実際不器用そうだよ・・・。」
 どれみはマジョラッタの昔の姿を思い出しながら言った。
リリム「だからマジョラッタとしては家具類よりも魔法具類を作るほうが得意みたいね。家具作り始めたのは十年ぐらい前で、魔法具の製作はかれこれ四十年ほど前からやってるものね。」
どれみ「四十年前か。その時からポロンとか作ってたんだ。」
リリム「そう。最初の二十年間はほとんどポロンの開発ばかりしてたわね。」
 リリムがそう言った直後、客がきたために話は一時中断したが、客が小物入れを買って帰ると、リリムはまた続きを話し始めた。
リリム「そういえば魔法堂の経営権を得てからの六年間は魔法具の製作は全くしてないわね。だからマジョラッタも今では魔法具なんて作れないかもね。」
どれみ「ははは。でも、この間この店に泥棒が入った時に使ったあの通信機は・・・?」
リリム「あれは30年近く前にマジョラッタが作ったものよ。」
あいこ「へぇ〜。そうやったんや。」
しずく「マジョラッタの意外な取り得だね。」
マジョラッタ「意外で悪かったな。」
さつき「マ、マジョラッタ・・・。」
こがね「いたんだ・・・。」
マジョラッタ「なんじゃ、いたら悪いか?」
こがね「え、いや、そういうわけじゃ・・・。」
マジョラッタ「せっかくお前たちのためにこれを作ってやったというのに・・・。」
どれみ「え?」
さつき「私たちのため・・・?」
マジョラッタ「ほれ。」
 マジョラッタは持っていた腕時計のようなもののうちの1つをどれみに投げ渡した。
どれみ「おっとっと。何これ・・・?時計?」
あいこ「腕時計にしては、ボタンがいっぱいないか?」
しずく「本当。マジョラッタ、これって何なの?」
マジョラッタ「腕時計型の小型通信機じゃ。」
こがね「小型通信機?」
マジョラッタ「もちろん腕時計の機能もそなえとるがな。」
どれみ「どうやって使うの?」
マジョラッタ「そこの一番上のボタンを押してみろ。」
どれみ「一番上のボタン?」

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