おジャ魔女どれみ+α
第24話「操られていた心」
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先生「今日は合唱コンクールの曲を決めたいと思います。というわけでクラス委員。」
さつき「は〜い。」
 さつきは女子のクラス委員だった。男子のクラス委員は前話でも登場した伊原山しんじだ。二人が前に出てきたあと、さつきが言った。
さつき「なにか歌いたい曲はありませんか。」
どれみ「は〜い。夏の魔法がいいと思います。」
 それを聞いたさつきは黒板に"夏の魔法"と書いた。
伊原山「他にありませんか?」

***

さつき「他に歌いたい曲はないですか?」
伊原山「じゃぁ、この中から選ぶから1人1回手を上げてください。」
 候補に挙がっていた曲は"夏の魔法"、"私の翼"、"宝物"の3つだった。
さつき「夏の魔法がいい人。・・・・後ろの方もうちょっとしっかり手、上げて。」

***

さつき「夏の魔法16人、私の翼8人、宝物9人で、夏の魔法に決定しました。」
先生「はい、合唱コンクールは10月だから、みんな気合いれて練習しろよ。あとこれの楽譜もっている人あったら先生のところ持ってきてくれ。コピーしてみんなに配るから。」
どれみ「私、持ってます。」
先生「そうか、じゃぁ春風、頼んだぞ。」
どれみ「はい。」
こがね「ねぇ、どれみちゃん。夏の魔法ってどんな歌?」
しずく「どんな歌?」
 教壇から降りてどれみたちのもとにやって来たさつきが言った。
さつき「そっか、二人ともあの歌が出たときには日本にいなかったもんね。」
どれみ「二年ぐらい前の歌だよ。」
しずく「へぇ。」
さつき「でもしずくちゃんもこがねちゃんも手、挙げてたじゃない。」
こがね「まぁどれみちゃんが手を上げてたから。全部知らないし。」
しずく「私も全部知らないし。」
どれみ「どれもいい歌だよ。」
先生「おい、席につけよ。」
さつき「あ、はい。」
 どれみたちは自分の席に戻って、座った。
先生「二学期は体育祭、合唱コンクール、文化祭と行事がたくさんあって、これからずっとその行事の準備におわれると思うが、どれも1位を目指して頑張るように。よし、それじゃぁ今日決める事はこれだけだから今日はこれで終了。掃除当番ちゃんと掃除するように。」

***

あいこ「へぇ。合唱コンクールか。」
どれみ「うん、うちのクラスは夏の魔法を歌うことになったんだ。」
さつき「あいちゃんの学校にはそういうのないの?」
あいこ「あるけど、まだだいぶ先の話やし。」
 その時マジョラッタが店の奥から這って来た。
マジョラッタ「おい、お前たち、もう6時回ったから帰っていいが、今夜、絶対に忘れるなよ。」
どれみ「大丈夫だよ。もうはづきちゃんたちとも連絡は取ってあるし。でも、ももちゃんはちょっと遅れてくるかもしれないって。」
しずく「夜の12時ってアメリカで何時なの?」
さつき「えっと・・・朝の10時ぐらいだと思うけど・・・。」
あいこ「おもいっきし学校の授業中やん。」
どれみ「そういえばももちゃんサボって抜けてくるって。」
あいこ「サボってってあかんやん・・・。」
 その日の夜、どれみたちは大阪の魔法堂に集まっていた。そしてまだきていないのはももこだけだった。
どれみ「遅いね、ももちゃん。」
マジョラッタ「アメリカから来るんじゃ。仕方がないじゃろう。」
おんぷ「あ、あれ、ももちゃんじゃない?」
 おんぷは上空の方を指差して言った。見ると、ももこは箒にまたがって飛んでいた。
どれみ「本当だ。」
ももこ「I'm sorry I have kept you waiting.遅くなってごめん。」
どれみ「I'm sorry を言うのはこっちの方だよ。学校までサボらせちゃって。」
ももこ「ううん、大丈夫だよ。1回ぐらい。それにみんなのことの方が心配だから。」
どれみ「ありがとう。」
マジョラッタ「ほれ、夜が明ける前にさっさと行って来い。」
どれみ「じゃぁ行ってくるよ。」
 どれみたちは箒にまたがり、裏口の木の合間から魔女界へと飛び立っていった。そして・・・。
女王様「良く来てくれました、みなさん。ではさっそく本題に入りましょう・・・。じつは先日皆さんが捕まえてくれた魔女のことなんですが・・・。」
どれみ「なにか分かったんですか?」
女王様「・・・。心を操られていました。」
あいこ「え?」
こがね「操られていたって、もしかして・・・。」
女王様「誰に操られていたのか、本人すら覚えていないようです。しかし考えられる人物はただ1人・・・。」
しずく「私たちの探している・・・黒い魔女・・・・。」
女王様「えぇ。そうとしか考えられません。しかし、もうひとつだけ分かったことがあります。それは、月の魔法を使える魔女がこの魔女界にはマジョムーンを除いてあと3人しかいないのです。」
おんぷ「じゃぁ、ひとりずつしずくちゃんが会えば黒い魔女が誰か分かるんですか?」
女王様「えぇ。しかし、一つ問題があります。」
はづき「問題・・・ですか?」
女王様「その3人全員の行方がわからないのです。」
ぽっぷ「え?」
さつき「ということは黒い魔女がその中に1人いるとすれば後の2人も操られているということも・・・。」
女王様「その可能性もありますね。」
しずく「そうですか・・・。」
 しずくは顔をやや曇らせて言った。
女王様「私から話すことは以上です。」
どれみ「ありがとうございました。」
 どれみがそういうと全員おじぎをして、その場を去った。どれみたちは箒にまたがりながら魔女界の空を飛んでいた。

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