おジャ魔女どれみ+α
第20話「赤い折り紙!」
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しずく「がんばれ、こがねちゃん。」
さつき「あ、危ない!」
どれみ「がんばって、こがねちゃん。」
あいこ「いいで、その調子や。」
 この時、しずくたちは5級試験の真っ最中だった。5級試験の内容は、魔法を使ったテニスだった。先に11点先取した方が勝ちだ。しずくとさつきはすでに合格を決めていた。今はこがねがこの試験に挑んでいた。対戦相手はモタたちが用意したらしい、謎の生物・・・。こがねは10−8でわずかながらリードしていた。
こがね「やぁ!」
 こがねが打つと、見事にライン際のきわどいところに入った。
どれみ「やったぁ!」
モタ「合格うぅ〜。」
あいこ「やるやん。こがねちゃん。」
こがね「ははは。良かった。合格して。一時3点差ついたときは負けるかと思ったよ。」
しずく「この間は運動苦手とかいってたけどそんなことないよ。」
こがね「ありがとう。多分、応援してくれる人がいたからだと思う・・・。」
さつき「こがねちゃん・・・。」
どれみ「こがねちゃん。せっかく受かったんだから、もっと明るくさぁ。」
こがね「うん。」
マジョラッタ「それじゃぁ帰ろうかのぉ。」

***

 翌日、ここは大阪の魔法堂。
こがね「ありがとうございました!」
 こがねが元気良く客に挨拶していたとき、どれみが尋ねた。
どれみ「そういえばこがねちゃんのお母さんって魔女でしょ?お母さんはどうしてるの?人間界に来てるの?」
こがね「うん。一応ね。でもほとんど家に居ないんだ。」
さつき「どうして?」
こがね「お母さん魔法堂の経営権を得ていないから、仕事は魔女界でしてるんだ。だからいつも仕事をしに魔女界に行ってて人間界の家にはめったに帰ってこないんだ。だからほとんど1人で居るのと同じだよ。」
あいこ「ってことは夜寝る時もご飯食べる時も1人なん?」
こがね「・・・うん。ご飯もいつも自分で作ってる。」
どれみ「そうなんだ・・・・。」
こがね「そうだ、明日みんな私の家にとまりに来ない?」
あいこ「え?」
しずく「いいの?」
こがね「いいの、いいの。お母さんもあと3日は帰ってこないし・・・。寂しいんだよ・・・。1人じゃ。」
どれみ「こがねちゃん・・・。」
さつき「わたしたちは平気だと思うわ。」
こがね「じゃぁ決まりね。約束・・・だよ。」
 こがねはとても悲しそうな顔で言った。だからどれみたちは返す言葉に困っていた。そして翌日の夜・・・・。
こがね「ここ・・・私の住んでる部屋。」
どれみ「へぇ。」
 その家はとあるアパートの1つの部屋だった。
こがね「ここでちょっと待っててね。」
 こがねは家の鍵を開け、中へ入っていった。中は真っ暗だった。しばらくすると中が明るくなった。
こがね「入っていいよ。」
どれみ「おじゃましますっと。」
 そこは極普通の日本人家庭、といったかんじの家だった。
さつき「おじゃまします。」
 部屋の中はしんと静まり返っていた。
こがね「ごめんね。来たくないのに泊めさせちゃって。」
あいこ「何言うてんねんな。」
しずく「だれも来たくないなんて思って無かったよ。」
どれみ「こがねちゃん。そんな暗い顔しないでさぁ。」
こがね「ご、ごめん。」
さつき「気にしなくてもいいのよ。それよりなんかしてたのしみましょ。」
どれみ「そうだね、せっかく夏の夜に集まったんだから・・・。怖い話でもする?」
しずく「え・・・?」
あいこ「それいいなぁ。」
しずく「えぇ・・・?」
さつき「そうね。それいいかも。ねぇこがねちゃん。」
こがね「うん。私、けっこうそういうの好きなんだ。」
 こがねの顔からはさっきまでの表情が消え、楽しそうになっていた。

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