おジャ魔女どれみ+α
第12話「謎に包まれた過去」
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しずく「そ、そうだ、私のことも調べてみようよ。」
どれみ「そうだね。何か分かるかも知れない。」
さつき「分かった。あい・・・か・・・わ・・し・・・ず・・・く、よね?」
 さつきはそういいながら"あいかわさつき"と入力した。そして、検索ボタンを押すと、やはりコンピューターは黙り込んだ。そして、今度はさっきよりも早く、10秒ほどで画面が表示された。
しずく「あ、でた・・・。」
どれみ「ほんとだ・・・あれ?」
あいこ「これまたどないなってんねん。」
 コンピューターの画面に表示されたのは、なんとしずくがマジョラッタを見破った時からのことしかのっていなかった、つまり、しずくが小学校1年の時に正体を見破ったはずのマジョライド、それに小学校の時しずくが魔女見習いであった事などがまったく記されていなかったのである。
しずく「うそ・・・。なんで・・・・。」
さつき「一度魔女見習いをやめるとデータが削除されるのかなぁ・・・。」
あいこ「そうか、それやったらいろはさんのデータが無かったんも分かるわ。」
どれみ「試しに・・・調べてみる?」
さつき「そうね。じゃぁ、春風どれみで調べてみましょう。」
 さつきは、試しに"はるかぜどれみ"で検索してみた。しかし、表示された内容は期待はずれのものだった。
あいこ「あかん・・・マジョリカのことからのってるわ。」
さつき「じゃぁなんで・・・なんでしずくちゃんの昔のことやいろはさんが魔女見習いだった時の情報が無いわけ?」
どれみ「なんでだろう・・・。」
しずく「魔女見習いをやめて一年経つとデータが削除されるとか・・・。」
あいこ「そうかもなぁ。そうや、それやったら館長に聞いた方がはやいんとちゃう?」
さつき「それもそうね、じゃぁ私、館長に聞いてくる。」
館長「呼んだか?」
どれみ「か、館長さん!」
あいこ「ずっといたんですか?」
館長「いいや、たまたま部屋の前を通りかかったら館長がどうのこうの聞えてきたのでね。」
しずく「そうですか。あ、ちょっと聞きたいことがあるんですけど・・・。」
館長「なんじゃ。」
どれみ「このコンピューターに保存されている内容って時間がたったら消えるものなんですか?」
館長「時間がたったら?」
あいこ「はい。」
館長「いや、このコンピューターが壊れるかするまではデータは消えん筈じゃが・・・。」
どれみ「え?」
館長「それがどうかしたのか?」
あいこ「実は・・・。」
 どれみたちは、藤崎いろはの情報や、しずくの過去の情報がなくなっていることを館長に説明した。
館長「なるほど・・・。確かにそれは不可解だな。しかしだな。・・・そのさっき押したボタンの二つ左のボタンを押してみろ。」
しずく「これ・・・ですか?」
しずくは指示されたボタンを押した。
館長「そう、それじゃ。」
 画面には、『ただいま展開中の"はるかぜどれみ"を削除しますか?』と表示された。
館長「そうやってデータを削除する事ができる。もしかすると、誰かがデータを削除したというおそれもあるのだが・・・。ここ最近・・・そうだな。4・5年前からそのコンピューターをいじったものはおらんのだよ。」
どれみ「え?っということは・・・。」
館長「あぁ。もし誰かが消したのだとしたら魔法か何かを使ってこの部屋へ進入し、任意にデータを削除していったとしか考えられん。」
あいこ「じゃぁ、私らの探している"黒い魔女"が・・・。」
館長「そう考えるのが利口だな。それと魔女界のものはそのコンピューターを見るものなどおらん。5年前にそのコンピューターを見たのも魔女見習い・・・つまり、人間じゃった。おそらくお前たちの探しているその魔女はそのことを知っていて情報を消したのじゃろう。」
さつき「だから、魔女ガエルの呪いをかけた・・・。人間がこのコンピューターの存在を知ることが無いように・・・。」
あいこ「用心深いこっちゃな。でも、それが裏目に出たみたいやな。」
どれみ「そうだね。魔女ガエルの呪いがなきゃしずくちゃんは記憶を取り戻さなかった。」
館長「・・・さて、もう調べる事はないのだろ?」
さつき「そうね・・・。魔女ガエルの呪いをかけた理由が少し見えてきたわけだし、そろそろ帰ろっか。」
どれみ「うん。そろそろ帰らないと夜が明けちゃうよ。」
あいこ「ありがとうございました、館長さん。」
館長「あぁ。また来いよ。」
 どれみたちは図書館を離れ、人間界へと帰っていった。人間界での時刻は、もう4時を回っていて、家に帰ったあと、どれみたちは倒れるように眠った。

**続く


次回予告 今日は日曜日。いつものように魔法堂の手伝いをするどれみたち。 いつもと変わらないはずなのに、ちょっとしたトラブルが・・・。 次回、『どれみたちの一日!』お楽しみにね!
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