おジャ魔女どれみ+α
第10話「MAGIC BLUEのSOS!」
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 ある日の学校の休み時間。教室の前のドアが開いた。入ってきたのは工藤むつみだった。
むつみ「あ、どれみちゃん。久しぶり。どれみちゃん、4組だったんだ。」
どれみ「あ、むっちゃん。なんか凄く久しぶりな気がするよ。中学入ってからはじめて会うんじゃない?」
むつみ「多分そうじゃない?」
しずく「えっと、確かプロレスずきの・・・。」
むつみ「そうそう。プロレスずきの工藤むつみ。・・・あれ?このクラス机の数少なくない?」
どれみ「そう?」
 どれみは教室を見渡しながら言った。
むつみ「1組の私のクラス女子18人男子23人の41人いるよ。」
しずく「へぇ。うちのクラス女子も男子も18人で36人だよ。」
さつき「多分このクラスだけ少ないんじゃない?」
むつみ「多分ね。2組が確か40人で、3組が41人だもん。」
どれみ「何でこのクラスだけ少ないんだろう。均等に割ればいいのに・・・。」
しずく「でも、転校生が来たらこのクラスに入ってくるよね。多分。」
さつき「多分というか絶対転校生はうちのクラスに来るよ。」
むつみ「そうそう、それよりこのクラスに手向山(たむけやま)さんいない?」
さつき「手向山咲ちゃんのこと?」
しずく「知り合いなの?」
むつみ「うん。さきちゃんもジュニアレスリング教室に行ってるんだ。」
さつき「そうなんだ。見た目はそういう風には見えないね。」
どれみ「さきちゃん、むつみちゃんが呼んでるよ。」
さき「あ、うん、ありがとう。」
 手向山咲は、工藤むつみとともに教室から出て行った。
どれみ「咲ちゃんって普段はおとなしいけど、怒らせると怖いかもね。」
しずく「そうね。ジュニアレスラーだもんね。」

  ***

 この日の魔法堂も大忙しだった。
あいこ「ありがとうございました。」
 あいこは客に軽く挨拶をすませたとき、時計はちょうど6時をさしていた。すると、マジョラッタが店の奥から出てきていった。
マジョラッタ「もう6時か。そろそろ帰っていいぞ。」
どれみ「そういえばマジョラッタ、この店っていつも何時まで開けてるの?」
マジョラッタ「6時半じゃ。それがどうかしたのか?」
どれみ「え、いや。別に。なんとなく聞いてみただけ。」
マジョラッタ「なんじゃ、変な奴じゃのう。あ、そうそう。明日なんじゃが、ちょっと用事があるから臨時休業することになったんじゃ。」
しずく「用事って、何か合ったの?」
マジョラッタ「あぁ。まぁたいしたことじゃない。それより明日はお前等にとっても久々の休みじゃからな。ゆっくり休むが良い。」
どれみ「わかった。」
リリム「いちよう魔法堂には入れるようにしておくから、何かあったらそこにある丸いやつで連絡してね。」
さつき「まるいやつ?」
 どれみたちはマジョラッタの妖精、リリムが指差した物体に目を運んだ。
どれみ「なんなの?これ。」
マジョラッタ「それは魔女界で流用している最新型の通信機じゃ。まぁいわゆる電話のようなものじゃな。」
しずく「へぇ。で、どうやってつかうの?」
リリム「真中にある赤いボタンを押してから、1939番を回せばマジョラッタの持っている携帯型通信機にかかるわ。」
あいこ「ほんまに電話みたいな奴やな。形変やけど。」
さつき「これ、電話線がないけど、電波でかかるの?」
マジョラッタ「いや、魔力の一種じゃな。電波とは少し違う。まぁ、説明すると長くなる。ほれ、早く帰らんと親が心配するぞ。」
どれみ「あ、もう6時30分だ。早く帰らないと。」
 どれみたちは慌てた帰り支度をはじめ、魔法の扉を開いた。

 翌日、どれみが学校に着くと、いつもはいるはずの手向山咲の姿が無かった。
どれみ「おはよう。あれ?さきちゃんは?」
さつき「おはよう。さきちゃんならさっきむつみちゃんと一緒にどっか走っていったわよ。」
しずく「凄く慌ててたみたいだけど。」
どれみ「何かあったのかな。」
かよこ「どれみちゃん、おはよう。さきちゃんとむっちゃんなら男子のケンカを止めに行ったみたいよ。」
しずく「ケンカ?」
かよこ「なんか良くわからないけど。」
さつき「怖っ・・・。」
どれみ「さすがむつみちゃんたちね。」
 そのとき教室の前のドアから誰かが入ってきた。
どれみ「むっちゃん!さきちゃん!」
さき「あら、どれみちゃん。おはよう。」
しずく「大丈夫なの?さきちゃんもむっちゃんも。」
むつみ「あぁ、ケンカしてる男子ならやめろっていってもやめないからめったうちにしてやったわ。」
さき「そしたらすぐ逃げていったわ。」
どれみ(むつみちゃんとさきちゃん怖い・・・。)
さつき「何でケンカしてたの?」
むつみ「何かクラスボールの取りあいしてただけ見たい。」
どれみ「そんなことでケンカしてたの・・・。」
しずく「何でそんなことでケンカになるのよ・・・。」
さき「そのケンカしてる二人、小学校の時から犬猿の仲なのよ。私もその二人も美空第三小学校に行ってたんだけど、何かあるごとにケンカしてたわ。で、いつも私が止めてた。でも今回はむっちゃんがいたから楽だったな。2対2だからね。まぁ2対1でもいつも勝ってたけどね。」
かよこ(怖っ・・・。つ、ついていけない・・・)
どれみ(やっぱさきちゃんは怒らせないほうがいいみたいね・・・。)

 ***

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