おジャ魔女どれみ+α
第07話「さつき、初めての試験」
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 この日、どれみは日直で日直日誌の記入をしていた。
どれみ「一時間目国語・・・で、・・・。」
しずく「あ、どれみちゃん今日、日誌係?大変よね。それ。楽しいけど。」
どれみ「うん。えっと今日は何日だっけ・・・。5月の・・・」
しずく「21日じゃない?」
どれみ「あ、そっかそっか。ありがとう、しずくちゃん。」
さつき「5月21日・・・?」
どれみ「どうかしたの?さつきちゃん。」
さつき「今日・・・私の誕生日だ。すっかり忘れてた。」
しずく「へぇ。そうなんだ。ということは、今日で13歳?おめでとう、さつきちゃん。」
どれみ「おめでとう。さつきちゃん。」
さつき「ありがとう。」
どれみ「そうだ、今日さつきちゃんの家行こうよ、お祝いのついでに。私たちさつきちゃんの家の場所しかまだ知らないもんね。1回家に上がってみたいし。」
しずく「そうだね。私は大丈夫だけど。だったらあいちゃんも誘わないと。あ、それよりさつきちゃんのほうは大丈夫なの?」
さつき「うん。全然大丈夫だと思うよ。」
どれみ「そっか、じゃぁ学校終わったら私大阪の魔法堂に行ってあいちゃん連れてくるね。」
しずく「よろしくね。」

***放課後

どれみ「じゃぁ、私は魔法堂よっていくから、2人はさきにいっといて。」
しずく「うん。じゃぁね。すぐ来てよ。」
どれみ「うん。」
 どれみは大阪の魔法堂につくと、ちょうどあいこが来たところだった。
あいこ「あれ?どれみちゃんだけ?」
どれみ「あ、みんなはさつきちゃんの家に行ってる。今日さつきちゃん、誕生日なんだって。」
あいこ「そうなんや。」
どれみ「うん。だからあいちゃんを呼びに来たんだ」
あいこ「じゃぁ、早く行こか。さつきちゃんの家。」
どれみ「うん。早く行こう。」
 どれみたちは急いでさつきの家へと向かった。
しずく「あ、どれみちゃんたちが来た。思ったよりはやかったね。」
どれみ「でも・・・つかれたぁぁぁ。」
 MAHO堂から全力疾走してきたどれみはもうへとへとだった。
あいこ「ははは。大丈夫かいな、どれみちゃん。」
 陸上部に入ったあいこは息は切らしていたものの、まだ元気だった。
あいこ「さつきちゃん、誕生日おめでとう。」
さつき「ありがとう。」
どれみ「5月21日ってことは、さつきちゃんふたご座か。」
さつき「うん。そうだね。」
しずく「そうだ、そういえば私もふたご座だ。」
どれみ「え?そうなの?誕生日いつ?」
しずく「6月10日よ。」
どれみ「へぇぇ。私は7月30日だから獅子座だよ。えっとあいちゃんはたしか・・・。」
あいこ「私は11月14日やからさそり座や。」
さつき「そっか。じゃぁ血液型は?私A型。」
あいこ「O型や。」
どれみ「私はB型だよ。」
しずく「私もB型よ。」
 星座と血液型の話で盛り上がっている時、誰かがドアをノックした。
さつきの母「さつきちゃん、入るわよ。」
さつき「いいよ。」
 さつきの母は、ドアを開けて部屋の中に入ってきた。
どれみ「おじゃましてます。」
 どれみが言うと、しずくとあいこも軽く頭を下げた。
さつきの母「あら、しっかりした子たちね。さすが中学生ね。はい、ジュース。」
あいこ「ありがとうございます。」
 さつきの母親は手にもっていた4杯のジュースを机の上に置いた。
さつきの母「ゆっくりしていってね。」
 さつきの母親はそういうと、部屋から出て行った。
さつき「遠慮なく飲んでね。」
どれみ「ありがとう。」
 どれみがジュースを取ろうとした時、さつきの机の上に一枚の写真が写真たてに入れられ飾られているのが目にとまった。
どれみ「この写真に映ってる女の子、さつきちゃん?」
さつき「あ、うん。」
あいこ「うわぁ。さつきちゃん、まだ赤ちゃんの時の写真やん。」
どれみ「あれ?この横に映ってる男の子は誰?お兄さんいるの?」
さつき「・・・・。」
どれみ「ごめん、聞いちゃいけなかった?」
さつき「ううん。お兄ちゃん、昔はいたんだ。」
しずく「離婚・・・?」
さつき「ううん。違うんだ。私が2歳の時、私と3歳年上のかずきお兄ちゃんと5歳年上のはじめお兄ちゃんの3人で香川県のおばぁちゃんの家に行ったんだ。そのときに、船でいったんだけどね・・・・。沈んだんだ。船。そのとき、お兄ちゃんたちは私を助けるのに必死で・・・。今でも覚えてるし、今でも夢に見る。そのときは何がなんだかわからなかった。それから怖くなって船も泳ぐのも嫌いになっちゃった。」
どれみ「ごめん。」
さつき「え、いいの、いいの。気にしない。私こそこんなくらい話してごめん。それより、せっかく私の誕生日祝ってくれるんでしょ?もっと楽しもうよ!」
どれみ「うん・・・。」
あいこ(さつきちゃん・・・。)
その後、みんな楽しくふるまったもののさつきの暗い過去への同情と悲しみをおさえることが出来なかった。

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