おジャ魔女どれみ+α
第05話『蘇る恐怖』
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 翌日、学校にきたどれみとさつきは、しずくに話を聞こうとしたが、そのしずくが学校にきていなかった。
どれみ「しずくちゃん、風邪でもひいたのかな・・・。」
さつき「帰り、よってみよ。しずくちゃんの家。」
どれみ「うん。なんだか凄く心配になってきた・・・。」
 この日は朝から雨が降っていた。放課後の頃には、雨脚はいっそう増していた。どれみとさつきは、学校の帰り、家に帰る前にしずくの家に寄った。どれみはインターホンを押した。
しずくの母「はい?」
どれみ「あ、同じクラスの春風ですけど、しずくちゃんちょっと今日学校休んでたみたいなので・・・」
しずくの母「あ、はい、どうぞ。」
 どれみたちが家に入ると、しずくの母が待っていた。
しずくの母「ありがとうね、しずくのためにきてくれて。」
どれみ「しずくちゃん、風邪でもひいたんですか?」
しずくの母「それがね、何か変なの。」
さつき「変?」
しずくの母「昨日学校からかえって部屋に入ったきり部屋から出て来ないのよ。」
さつき「部屋の中には入れないんですか?」
しずくの母「そうなの。鍵を掛けていて・・・。」
どれみ「あの、ちょっと出かけててもらえますか?しずくちゃん、親には言いにくい悩みとかあるのかもしれないし、私たちで何とか元気付けてみせますんで。」
しずくの母「・・・そうですか。お願いしますよ。」
どれみ「すいません。」
 しずくの母が家を出ると、二人は顔を見合わせ、魔女見習い服に着替えた。
どれみ「プリティ〜ウィッチ〜どれみッチ〜!」
さつき「プリティ〜ウィッチ〜さつきッチ〜!」
 二人はしずくの部屋の前まで行くと、おもむろに魔法を唱えた。
どれみ「ピ〜リカピリララポポリナペ〜ペルト〜!!ドアの鍵よ!開いて!」
 部屋のドアの鍵があき、どれみ達は部屋の中へ入った。
どれみ「しずくちゃん、どうしたの?・・・あれ?」
 部屋の中にはしずくの姿がなかった。
さつき「何処に居るんだろう・・・。」
どれみ「押入れの中にも居ないよ。」
さつき「ベッドの下にも居ない。」
 その時、どれみが何かに気が付いた。
どれみ「あ、窓があいてる・・・。」
さつき「ほんとだ。今日は雨が降ってるのに・・・。」
 窓際は雨でビショビショになっていた。
どれみ「雨が降る前からあいてたのかな・・・。」
さつき「今日は朝から雨降ってたよね・・・。」
どれみ「もしかして・・・。しずくちゃん、昨日この窓から箒に乗って出て行ったんじゃ・・・。」
さつき「行こう。どれみちゃん。」
どれみ「うん。でも、何処に行ったか分からないよ・・・。」
さつき「こういうときこそ魔法でしょ?」
さつき「ポルパータルナータ クロロリント!しずくちゃんのもとに私たちを移動させて!」

 あたりは明るい光に包まれ、二人はその光に吸い込まれていった。二人は、気が付くと町外れの森の中にいた。

どれみ「ここにしずくちゃんが・・・?」
さつき「あれ、しずくちゃんじゃない?」
どれみ「ほんとだ!お〜い!しずくちゃ〜ん!!」
 しずくは魔女見習いの格好で木の上に座っていた。しずくはその呼びかけには答えなかった。よく見ると、しずくの目には涙が溢れていた。
どれみ「しずくちゃん、どうしたの?」
しずく「いいのよ・・・。」
さつき「え?」
どれみ「黒い魔女について何か思い出したの?」
しずく「・・・・。」
さつき「思い出したなら何か話してよ。」
しずく「その黒い魔女、なんで私を殺さなかったんだろう。」
さつき「え・・・?」
しずく「黒い魔女は・・・マジョライドを殺すために来たんじゃないんだ。口封じのために殺したんだよ。」
どれみ「口封じ・・・?」
しずく「殺したところを見たから殺したんじゃなくて、私の記憶を消すために私の元へきたの。そしたらマジョライドに見つかって・・・。マジョライドはもちろん私を守るために闘ってくれたわ。けど、魔女ガエルであるマジョライドがかなう筈もなく・・・。」
どれみ「しずく・・・ちゃん?」
さつき「何を口封じにきたの?」
しずく「それはわからないけど。でも、私は記憶を取り戻してしまった・・・。だから・・・。」
???「それで怖なって逃げ出してきたんか?」
どれみ「あいちゃん!」
あいこ「いやな、みんな魔法堂に来るのが遅いから、何してんのかとおもって。魔法使ってきたらここについてん。で、しずくちゃん。話は聞いてたけど、それで怖なって逃げ出して来たんか?」
しずく「・・・・・。」
あいこ「しずくちゃん、それでいいん?いつまでも逃げてたら、いつまでも怯えてなあかんねんで?」
しずく「けど・・・。」
あいこ「怖がってたって同じや。前に進まなあかん。」
しずく「・・・・。」
あいこ「大丈夫やって。私らがついてる。」
どれみ「そうだよ、しずくちゃん。私たちがついてる。」
さつき「だからさ、しずくちゃん。一緒に帰ろう。」
しずく「ありがとう・・・。みんな・・・。」

 雨はまだ激しく降っていた。その雨が洗い流すかのようにしずくの心に募った恐怖感は薄れていった。


次回予告
どれみたちが突然魔女界に召集された!そして女王様に魔女ガエルの呪いと黒い魔女について調べるようにいわれる。
次回「魔女ガエルの呪いの謎!」お楽しみにね。
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