おジャ魔女どれみ+α 〜rebirth
第03話『新たな魔女見習い生活!』
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ここは、何処だろうか。どれみはいつのまにやら知らない街を歩いていた。
さつき「ねぇ、どれみちゃん」
さつきの声に呼び止められて、どれみはふと後を振り返った。
どれみ「あ、さつきちゃん・・・どうしたの、こんなところで?」
さつき「それはこっちの台詞、何処行くの?そんな格好して・・・」
どれみ「え?」
気が付けば、どれみは魔女見習い服を身に纏っていた。
どれみ「あ、え、えっと、これは・・・」
さつき「魔女みたいな帽子・・・でも魔女にしては威厳の無い服装のような・・・。さしあたり魔女の見習いみたいな服装ね。魔女見習いなの?」
どれみ「だ、だめぇぇ〜!!!!」
さつき「ちょ、ちょっと何?」
突然、どれみの体が煙に包まれたかと思うと、どれみが魔女ガエルへと姿を変えてしまっていた。

***

どれみ「わわわ!!って、あれ・・・」
どれみは慌てて飛び起きた。辺りはしんとしていて、そこはあまり見慣れない部屋だった。その部屋の窓からは、うっすらと明るい光が漏れていた。
どれみ「そうだ、私、今研修旅行で大阪に来てて・・・」
そこで、どれみはようやく自分の体を調べた。その体は魔女ガエルではなくちゃんとした人間の姿であった。
どれみ「よかった〜、さっきのは夢かぁ・・・」
しずく「どれみちゃん、どうしたの?突然叫びながら飛び起きたりして・・・」
どれみ「あ、しずくちゃん・・・ごめん、起こしちゃった?」
しずく「ううん、もう起きてたから大丈夫だよ」
どれみ「そっか・・・実はさ、嫌な夢見ちゃってさ」
しずく「どんな夢見たの?」
どれみはしずくに耳打ちするようにささやいた。
どれみ「さつきちゃんに魔女見習いだって見破られて魔女ガエルになっちゃう夢」
しずく「あぁ、なるほど・・・そりゃ慌てるよね」
どれみ「あはは、本当、夢でよかったぁ・・・」
どれみはそう言って右手を開いたり閉じたりしてみせる。数分前まで夢の中で魔女ガエルだった体の感触はまだ抜けておらず、手を動かしたりするのに違和感を感じるほどだった。
しずく「ねぇ、そういえばさ・・・マジョラッタさんと最初に会った時・・・」
しずくは声のトーンを少し低くして話し出した。
しずく「どれみちゃん、魔女のことを知ってるみたいに話してたけど・・・。もしかして、どれみちゃんも魔女見習いだったの?」
どれみ「うん、そうだけど・・・あ、そっか、まだ話してなかったよね。」
しずく「そっか・・・そうだったんだ」
どれみ「実はね・・・はづきちゃんも魔女見習いだったんだよ」
しずく「え、はづきちゃんが?」
どれみ「うん。それから、昨日会ったあいちゃんと、それから瀬川おんぷちゃん、飛鳥ももこちゃんって子と一緒に魔女見習いやってたんだ」
しずく「うわぁ、結構大勢だね。あれ・・・瀬川おんぷちゃんって・・・何処かで聞いたような・・・」
どれみ「あぁ、テレビとかにも出てるから、もしかしたら知ってるかもね」
しずく「あ、思い出した!この間テレビに出てた!そんな有名な人と知り合いなの?」
どれみ「まぁね、おんぷちゃんも美空第一小学校に通ってたから。って言っても小学校3年の時に転校してきたんだけどね」
しずく「何だかすご〜い」
どれみ「あと、私たちが小学校4年の時・・・正確に言えば3年の終わりなんだけど、その時に魔女界のバラから魔女の子供が生まれてくるところを見つけて・・・。その花から生まれた赤ちゃんを育てることになったんだ。その子、花から生まれたからハナちゃんって名前をつけたんだけど、私たちが小学校6年の時に、ハナちゃんが私たちと一緒に学校行きたいからって、自分の姿を小学校6年生に変えちゃってさ。その時に無理に魔法を使っちゃったから、ハナちゃんの水晶玉が割れちゃって、ハナちゃんも魔女見習いをやることになっちゃったりもしたんだ」
しずく「ふうん。そういえば、そのみんなは今はどうしてるの?あいちゃんはともかく、他のみんなも美空中に来てないの?私まだ一回も会ったことないけど・・・」
どれみ「・・・うん。はづきちゃんは中学受験して、カレン女学院って学校に行ちゃったし、あいちゃんは昨日言ったとおり、大阪に引越したし、おんぷちゃんは遠近学園っていう芸能人とかがたくさん居る学校に、ももちゃんはアメリカのニューヨークに引越ししちゃって、ハナちゃんは次期女王候補として魔女界に帰っちゃったんだ」
しずく「次期女王候補?何だかどれみちゃんの周りって凄い人ばっかりだね。でも、そうなんだ、みんなバラバラになっちゃったんだね・・・」
どれみ「うん・・・」
しずく「みんなと離ればなれになる時、寂しくなかったの?」
どれみ「・・・寂しかったに決まってるじゃん」
どれみがポツリとそう呟いた時だった。
さつき「こんな朝早くから何の話してるの?」
どれみ「わ、わ、わ!さ、さつきちゃん!起きてたの?」
さつき「起きてたっていうか、今起きたんだけど・・・なんでそんなに慌てるわけ?」
どれみ「え、ううん、別に何でもないよ」
さつき「そう、なら良いけど・・・」
どれみ(さつきちゃんが起きたのが魔女見習いとかの話してるときじゃなくて良かった・・・)
さつき「ねぇ、昨日から2人とも、なんか様子変だよ」
しずく「変って・・・何が?」
さつき「2人して何か私に隠し事してるみたい」
どれみ「さつきちゃん、それは気のせいだよ」
さつき「・・・本当に?」
どれみ「た、多分・・・」
さつき「多分・・・?」
どれみ「い、いや、うん、本当に気のせいだってば」
さつき「・・・怪しいなぁ。まぁ良いっか」
しずく「あ、朝食って7時だよね?そろそろ着替えたりしないと・・・」
さつき「そうね、寝てるみんなも早く起こしてあげないとね」
そう言ってさつきが寝ているみんなを起こし始めた。
どれみ(ふぅ・・・なんとか誤魔化せた・・・それにしても、さつきちゃんて勘がするどい・・・)

***

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