おジャ魔女どれみ+α 〜rebirth
第03話『新たな魔女見習い生活!』
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その日の夜。
さつき「はぁ〜あ、良いお湯加減だったわ」
どれみたちが部屋に戻ってくると、さつきはお風呂上りのために少し濡れた髪を左手でなでながらゆっくりと腰をおろした。 どれみ「さつきちゃん、何だか言うことが温泉好きなおばさんみたいだよ」
どれみもさつきに続いて腰を下ろした。しずくはパジャマの上着の前のボタンを閉め終えると、ようやく座った。
さつき「おば・・・何よそれ〜ちょっとひどくない?」
どれみ「あはは、冗談だよ、冗談」
しずく「ねぇねぇ、就寝時間って何時だったっけ?」
さつき「長谷川先生は10時って言ってたけど・・・今9時だから、あと1時間よ。けど・・・2人とも、まさか10時になったらすぐ寝るつもり?」
どれみ「こういう時の夜はそうすぐには寝られないっしょ」
さつき「だよね〜」
??1「ねぇねぇ、さつきちゃん、トランプしない?」
3人は横から突然話しかけられたので、みな声のした方を向いた。そこには、どれみとしずくの知らない少女が2人居た。2人はどれみと同じ1班の子ではなく、2班と3班の子だった。そう、この部屋では1年4組の1班から3班までの女子が泊まることになっていた。
最初に話しかけてきた少女は、黄緑色の短い髪の少女で、首にはタオルを巻いていた。手にはトランプの箱を持ち、その箱を左右に揺らしてカタカタと音を鳴らしながらさつきを誘っている。
もう1人の少女は綺麗なストレートで、灰色がかった長い髪をエアコンから流れてくる風で揺らしながら、隣の少女の表情を見つめていた。
??1「ババ抜きでも大富豪でもなんでも良いけど・・・2人でやるのもなんだしさ、一緒にやらない?ほら、隣の2人も一緒にさ・・・えっと・・・」
さつき「そうだ、紹介するよ。この・・・トランプ持ってる方、この子が堀士みなちゃん、それからこっちのおとなしそうな子が伊藤真理ちゃん、2人とも私と同じ美空第二小学校出身なの」
どれみ「そうなんだ。私は春風どれみ、美空第一小学校出身なんだ、よろしくね」
しずく「あ・・・えっと、私は相川しずくっていうの。よろしく・・・ね」
みな「春風さんに、相川さんね。OK、覚えた、こっちこそよろしくね」
まり「私も、仲良くしようね」
みな「じゃぁ、早速やろ、何する?あ、『ざぶとん』やる?」
しずく「『ざぶとん』って・・・何?」
みな「あ、知らない?えっとねダウトってトランプゲーム分かる?あれとルールは同じなんだけど・・・」
しずく「あぁ、ダウトは分かると思う・・・」
どれみ「手札から裏向けに数字を言いながらカードを出していって、口で言った数字と出したカードの数字が違う数だと思ったらダウトって言って、予想が当たったら場に出てるカード全部をカードを出した人がもらうとかいうゲームだよね?」
みな「そうそう、それで手札が最初に無くなった人が勝ち」
さつき「ううん、それだったら大富豪やろうよ。ルールは・・・縛りと8切りと連番で」
しずく「うん・・・ダウトよりは私も大富豪の方が良いかなぁ・・・」
みな「そう?真理ちゃんは大富豪でも良い?」
まり「私は何でも良いよ」
みな「じゃぁ、大富豪で決まりね」

***

消灯時間になっても、どれみたち5人は布団にもぐりながらこっそりと大富豪を続けていた。
さつき「やったぁ〜大富豪!!」
しずく「さつきちゃん強すぎ・・・5連続大富豪じゃん・・・」
みな「次私の番?はい、じゃあ8切りで、連番革命〜」
どれみ「か、革命っすか?」
さつき「え、何々?どれみちゃん手札見せて・・・うわぁ、KとAじゃつらいね」
どれみ「って〜、さつきちゃん手札バラしちゃダメじゃん!」
しずく「し〜、みんな声大きいよ」
どれみ「あ、ごめんごめん・・・」
みな「あはは、あ、はい、上がり、私は・・・富豪だね」
しずく「私も上がり!」
まり「え、2人とも上がり?私の番か・・・えっと・・・はい」
真理が出したのはクローバーとハートの2のダブルだった。
どれみ「あ、やったAで縛り!」
どれみはクローバーとハートのAで縛った。
“縛り”とは、同じマークのカードが続けて出た場合、そのマークのカードしか出せなくなるというルールだ。
まり「えっと・・・はい」
真理はクローバーとハートの6を出した。
どれみ「げ・・・パ、パス・・・」
まり「はい」
どれみ「パスっす・・・」
まり「はい・・・あ、上がり」
どれみ「え"・・・はぁ〜、また大貧民か・・・」
しずく「どれみちゃん、6連続大貧民だね・・・ある意味凄い」
さつき「わ、もう12時じゃん、そろそろ寝る?」
部屋の隅の方に飾られている時計を見ながらさつきが呟いた。
まり「うん、私もう眠くなってきちゃった・・・」
みな「そうね、明日も朝早いもんね・・・寝よっか?」
しずく「じゃぁもう大富豪はおしまいだね」
さつき「というわけで大貧民さ〜ん、後片付けよろしくね〜」
どれみ「え、私がやるの?」
さつき「だって、大貧民でしょ?」
どれみ「そんな〜さつきちゃんの意地悪〜」
そんな文句を言いながらもトランプを箱にしまっていくどれみ。
さつき「あはは、はい、さっさと片付けて寝た寝た」
しずく「それじゃぁ、みんなおやすみ〜」
まり「おやすみなさい」
さつき「私も、おやすみ」
みな「どれみちゃん、そのトランプの箱貸して、もう私の鞄にしまっとくよ」
どれみ「あ、うん、はい」
みな「よいしょっと、ありがと」
堀士みなはどれみからトランプの箱を受け取ると、その箱を枕元に置いてあった自分の鞄にしまった。
みな「それじゃ、どれみちゃんおやすみ」
どれみ「うん、おやすみ」
どれみはそう返事をすると、布団の中にもぐりこんだ。

***

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