おジャ魔な水戸黄門!?
第三話『ステーキ屋にて』
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かなえ「いらっしゃいませ〜♪」
ステーキ屋の娘かなえが笑顔でどれみ達一同を迎える。
どれみ「あの〜♪さっき4人分の予約をした、どれみですけれど〜♪」
かなえ「ハイ♪こちらの席にどうぞ。」
店の入り口に一番近い席に案内される。
かなえ「御注文はお決まりでしょうか?」
はづき「え〜っと・・・じゃあ私はこのステーキセットで。」
あいこ「あたしもそれでええよ。」
おんぷ「私はこのサラダセットでお願いね。」
どれみは迷うことなく、
どれみ「このお店でいっちば〜ん厚みのあるステーキをお願いしますっ!!」
かなえ「か、かしこまりました・・・」
どれみの気迫にたじろぐかなえ。

しばらくすると、はづき、あいこ、おんぷの注文した料理が次々と運ばれてくる。が、どれみの料理は流石に厚さの為かまだ運ばれてこなかった。
あいこ「このお肉めちゃめちゃ美味しいな〜♪」
はづき「私、ステーキってあまり好きじゃないけど、ここのお店のは柔らかくて美味しいわ♪」
おんぷ「お肉の脂身も少ないし、お野菜もとても新鮮だわ。」
三人共、それぞれ満足げにステーキを堪能する中、どれみはみんなの食べる姿をジ〜っと羨ましげに見つめていた。
あいこ「どれみちゃ〜ん、そんな目で見られてたら食べづらいやんか〜。」
どれみ「ご、ごめんごめん♪待ちきれなくてさ〜♪・・・」
はづき「あっ!ど、どれみちゃん、あれを見て!」
どれみ「えっ?あああ〜っ♪」
はづきが指差した方向を見ると、かなえが厚さ20センチはあるだろうステーキをこちらに向かって運んでくる姿が目に入った。
どれみ「き、来たあ〜♪おおっしゃあぁ〜♪」
思わず喜びの雄叫びをあげ、ガッツポーズをとるどれみ。
あいこ(な、なんやあれ?ステーキなんか〜!?)
はづき(あんなステーキ半分も食べられないわ〜!)
おんぷ(あんなの食べたら確実に太っちゃうわね・・・・)
かなえ「お待ちどうさまでした〜。」
どれみ「お待ちしておりましたあ〜♪」
満面の笑みを浮かべながら、かなえからステーキが盛り付けされた皿をを受け取ろうとしたまさにその瞬間、どれみとかなえの間に割って入るように一人の長髪の少女が慌ただしく店内に駆け込んできた。
かなえ「きゃあっ!」
どれみ「うわわっ!」
゛バターンッ゛
どれみ「ぎゃんっ!」
少女とぶつかった衝撃でかなえは尻餅をつき、どれみはイスごと後ろに引っくり返る。
どれみ「あいたたた・・・」
腰をさすりながらゆっくり起き上がるどれみ。
はづき「だ、大丈夫?どれみちゃん・・・」
かなえ「お客様、大丈夫ですか?」
はづきとかなえが心配そうにどれみに声をかける。
???「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?・・・」
少女がどれみに謝りながら駆け寄る。
あいこ「なんや、あんた。いきなり入って来たら危ないやんか!」
あいこが少女に怒鳴りつける。
???「ごめんなさい!」
どれみ「あ、あいちゃん、あたしは大丈夫だよ。そ、それよりステーキは・・・・?」
どれみが周囲をキョロキョロ見渡すと丁度店の入り口付近の床にステーキは落ちていた。

ど「げえっ!!!」
ショックの余り四つん這いのまま呆然とするどれみ。しかしすぐに正気に戻り、
(い、今なら拾って洗えばまだ食べられるかも・・・・)
などと意地汚い事を考えながらステーキを拾おうと起き上がるどれみ。しかし、その時いかにもチンピラ風の若い男が三人店内に入って来た。
???「!!・・・」
男達の姿を見た瞬間、青ざめ、怯えた表情になる少女。
男A「お?」
男達の一人がどれみ達の近くにいる少女を見つけると、
男A「こんなところに隠れてやがったのか!」
男達はニヤニヤ笑いながら、
男B「探したぜ〜、まりなお譲ちゃん。さあ、一緒に来てもらうぜ!」
男達がまりなと言う名の少女に向かって歩み寄って来る。床に落ちているどれみの愛しいステーキを踏みつけて行きながら・・・・
゛グシャッ゛
どれみ「あ!」
゛ベシャッ゛
どれみ「ああっ!!」
゛ブシャッ゛
どれみ「あああっ!・・・」
ヘナヘナ〜っと力無くヘタリ込むどれみ。あれだけ壮大な姿を誇っていた特大ステーキはもはや見るも無惨な姿になってしまった。
どれみ(あ、あた、あた、あたしのステーキが・・・あんなに楽しみにしてたステーキが・・・分厚い・・)
゛バタッ゛
ショックの余りどれみの意識は途絶え、その場に倒れ込んでしまった。
はづき「ど、どれみちゃん!しっかりして〜!」
はづきが白眼を剥いて口が半開き状態のどれみを抱え起こすが、グッタリして反応が無い。そんなどれみを無視して話は先に進む。
男C「さあ!俺達について来てもらうぜっ!」
男の一人がまりなの手を掴み、強引に連れて行こうとする。
まりな「いやあっ!離して!だ、誰か・・・」
助けを求めるまりなだが、店内の客は皆自分は関わりたくないといった感じで見て見ぬ振りをしていた。
男B「へっへっへ♪無理無理、諦めるんだな♪」
男C「この町で俺達黒蔵一家に逆らおうなんて馬鹿な奴はいねえんだよ!」
高笑いしながら、まりなを外へ連れ出そうとする三人。その時、
「ちょっと待たんかい!!」
男A「ああん?」
男達が振り返った先にいたのは、あいこだった。
あいこ「あんたら、か弱い女の子を大の男が三人も寄ってたかって恥ずかしくないんかっ!」
状況を見かねたあいこが三人のヤクザを睨み、怒鳴りつける。
男A「なんだあ、てめえ?関係無い奴あ引っ込んでろ!」
男達の一人が言う。もう一人の男が、
男B「そうだ!おでこ野郎は黙ってやがれ!」
この一言があいこの逆鱗に触れた。
あいこ「な〜ん〜や〜と〜っ!?人が結構気にしてる事をよくも言ってくれたな〜!許さへんで〜っ!!」
怒りに満ちた表情でくるりとおんぷの方を振り返り、
あいこ「おんぷちゃん、コイツ等ボッコボコにしたってええやろっ?」
おんぷ「ええ、構わないわ。女の子に乱暴するなんて許せないし、少し痛めつけてあげなさい。」
おんぷの言葉に男達は大笑いしながら、
男A「俺達を痛めつけるだと?笑わせんなっ!」
男B「そんなに怖い思いがしたいなら俺様達が少し可愛がってやるぜっ!表へ出なっ!」
あいこ「望むところやっ!」

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