昨春、十数年間続けて来た企業勤めを辞めました。

脱サラではありません。
運良く縁があって、教育関連の職場へと異動することができました。

転職後一年余りが経ち、前職場との違いを様々なレベルで感じています。

その筆頭は「健康な精神」というものに対する認識でしょうか。
やはり企業の方が社会情勢を敏感に反映するように思います。

「全くマトモな精神」の維持がとても困難な時代。
そのことを、多くの就業者が実感していました。

「全くマトモな人間」なんて滅多に居ない。

多かれ少なかれ、誰もが精神的なかたよりを抱えて生きています。
そして社会が、かたよりをことあるごとに揺さぶってくれます。

精神のかたよりそして揺らぎが社会の規範とどれだけ相容れ得るものか?
その境界線を踏み出さないよう、皆が気をつけ生きています。

あるいは、踏み出さない為の手段を模索しながら我々は生きています。
自分にしてみれば、その為の手段が音楽を聴くことでした。

ただし、音楽を聴いたりそれに関わったりして良いことばかりがあった訳ではありません。
どうも、音楽を聴くにはそれなりのノウハウがあるような気がします。

音楽そのものあるいは音楽を取り巻くシステムとの付き合い方とでも言いましょうか。
それが何なのかを知る為に、自分と音楽の関係を振り返ってみたくなりました。


それは、音楽を一種の薬とみなすことから始まりました。




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初版 2004年8月16日