風呂。
散歩。
そして睡眠。
生活に見る癒しの三大基盤なんていうと、こんなところでしょうか。
あるいは究極の娯楽、と言い換えても良いでしょう。
風呂に入るには多少の金を必要とするとしても、
散歩と睡眠は金がかからない最高の娯楽。
もうひとつ、妄想もそうかな。
妄想は、最高の精神トレーニング゙と言っても良いでしょう。
自分の中から湧いてくる心のエネルギーを自在に遊ばせる。
最高に刺激的な、精神の遊びと言えましょう。
ところで、音楽を聴くには時間を費やさねばなりません。
願わくば、時間を費やして聴く音楽はそこそこのものであって欲しい。
風呂や散歩や睡眠を削ってまで聴く値打ちのあるものであって欲しいと思います。
良い音楽を聴いて精神の共振を覚える時には、
自分の中から刺激に満ちたエネルギーが沸いて来ます。
それは、妄想という名の娯楽にとても近いものだと感じます。
音楽は瞑想と関係するように思われがちなれど、実は妄想にこそ近い。
そして、リスニングとは妄想体験への導入作業なのでしょう。
出遭うべき音楽に出遭った時に覚える、生きる為のエネルギーに絡みつく想い。
あの煩悩に満ちた夢想のことを振り返ると、それを実感します。
風呂と散歩と睡眠。
究極の娯楽と引き換えるに足る音楽を探して、心は情報の海の中で徘徊を続けます。
振出しに戻る / Going Home
初版 2004年8月16日