サア、オトギバナシノジカンダ
天空大陸上の都市ティカーノのどこか。
少年は部屋の中に閉じ込められていた。
熱帯植物が美しい花を咲かせ、ここにいる者の気持ちをやわらげる。
そこに、アークと名乗る黒い髪の美少年がいた。
「おっかしいな〜、僕はあくまで大学を卒業しただけなのに。」
首を傾げる。
今や過去のものとなった大学の卒業式。
また立食パーティーでそれぞれの卒業を祝った。
卒業式が終わってからどうするか、みんなで話していた。
「ああ、俺は地上に行くぜ。」
フリスクが言って周囲にいる人間を驚かせていた。
「地上!?文化がここまで進んでないでしょ?」
アークがいうと、
「そこに勝機がある。ここにいたって権力争いに巻き込まれるだけだからな。」
などと言って豪快に笑っていた。
「フリードリヒは?」
「ああ、あいつか。あいつはもう一年あるんだ。こっちの学科の卒業が早すぎるだけだ。」
「私は一兵士として戦っていくつもり。」
「僕は」
アークが言い終わらないうちに、黒い正装ににサングラスの男が現れ、連れて行かれた。
そして、いきなりここに連れてこられたのだ。
はっきり言ってわけがわからない。
人が脱走できないようにされているとしか思えないが、相手をリラックスさせる雰囲気がある。
ここは本当に何のための場所なのか。
アークが考え込んでいると四人の兵士らしき男性が入ってきた。
「さあ、来てもらう。」
そう言えわれ手錠をかけられた。
その後は、暗い通路を通った。
じめっとした感じではなくカラッとした雰囲気だ。
しばらく歩くと青い魔方陣が見えてきた。
大きな力を感じる。
そう、まるでヒルがえさを求めているようなちからを。
「僕を生贄にするつもり!?」
アークが叫ぶと、兵士の一人が冷静に応える。
「そうだ。」
その瞬間アークは魔法を発効させた。
自分を取り囲んでいた兵士四名が腰の辺りで体を分断される。
何が何だかわからないが、アークは夢中になって逃げた。
どこだかわからないが光を求めるように。
END
back next
*atogaki*
だいぶ短くなりました。
もうそろそろ最終章にしようとがんばってみます。
・・・駄作になったらごめんなさい。