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保定治療(ほていちりょう) |
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なんのためにする治療なの?どんな事をするの?
保定治療とは、歯を動かす治療が終わった後、安定するまでの間に行います。固定式(細い針金を歯の裏に接着剤でつける)装置や可撤式・プレート(プラスチックと針金でできた装置)を用います。また、シリコン/プラスチック製のポジショナー(マウスピースのようなもの)で微調整を施した後に、行う場合も有ります。広い意味では唇やベロの筋肉トレーニングも保定治療の一環となります。
動かした歯はちゃんと安定するの?
動かした歯は必ず元の位置へ戻ろうとします。これは2年前後で収まります。大人の場合は、3年以上は固定しておいた方がいいと思います。特に強いガタガタがあった場合は戻りやすいので、確実な固定が必要です。しかし固定と言っても、厳密には保定治療中の歯はかなり自由に動きます。矯正治療ではせいぜい0.5mm〜数mmの範囲でしか調整できません。数ミクロンの範囲については、生体反応で調整されて噛み合わせが仕上がっていきます。生体の方の許容範囲が狭ければ、より厳密な仕上げが必要になるので、当院の治療は可能な限り、生体に無理をかけず安定していけるようなゴールを目指しています。最終的には、前歯についてはベロや唇で前後的に・噛み合わせと咀嚼筋で垂直的にバランスが採れた位置に安定していきます。また、奥歯については生理的に少しずつ前方に移動しますので、僅かな隙間があっても徐々に閉じていきますし、捻れのない歯並びはより緊密になります。
ちゃんと安定しない人は何が悪いの?
<保定治療>期間中に保定装置を正しく使用しなければ、当然歯並びは乱れます。 <歯と歯茎>が健康でなければいけません。虫歯でボロボロ・歯周病でグラグラでは維持するわけがありません。また、正しく位置していない<親不知>などは生えるときに歯並び噛み合わせを崩しますので、事前に抜去する必要があります。 <筋肉>の問題は正常な機能が身につかなければ決して正常咬合は維持できません。前歯が咬まなくなる/下顎前突の傾向がでてくる/奥歯の上下の幅が合わなくなるという人の多くは舌の筋肉/舌位の問題が残っている事が疑われます。筋肉の問題は小児の場合トレーニングで改善しやすいですが、成人の場合、なかなか身に付きません。 また、<正常咬合>こそが安定性を維持していきますので、治療計画に無理があれば正常咬合が達成できず、安定性に乏しい場合も考えられます。骨の大きさのズレ/顎位のズレ(顎をずらして咬んでいる)の問題を解決しない治療方法を選択した場合や、目指したにもかかわらず達成されなかった場合、きれいな歯並びになっていても正常咬合ではありません。 顎の<関節>の構造が既に壊れている人も同じく正常咬合ではありませんので、進行性に関節が変化していけば当然噛み合わせも変化しますし、それに従って歯並びも変化します。可及的に保定装置を継続使用し、咬合調整などで対応します。 |
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