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矯正歯科講座
非対称症例(ひたいしょうしょうれい)
asymmetry(エイシンメトリー)

側方変位ってどういう事?どうやって評価するの?

上の前歯と下の前歯の真ん中が合っていないことがあります。顔を見るとなんとなく左右対称でないことがあります。上下顎共に水平ではなく傾いてズレていることも有ります。下顎は顎の関節を基準に動きますので、関節と薄い皮質骨一枚で隣接している耳の穴を基準に評価しています。レントゲンも模型も耳の穴が基準になっています。場合によっては、顎の動きの軸を導き出して顎の位置を評価する場合もあります。そもそも頭蓋骨が歪んでいたり、耳の穴の位置がずれていれば非対称として評価されることもありますが、結果的に上顎と下顎が水平に噛み合っていて、真ん中が概ね合っていれば噛み合わせとしては問題ないかも知れません。個人的には、大きさの非対称で真ん中が合っていない事を「変位」、顎関節のズレに伴った正中の不一致などを「偏位」と使い分けてます。

どうして顔が非対称になるの?<子供の場合>どうやって治すの?

幼少期から起こる非対称は何だかの成長障害か、咬合不全に起因していると考えられますので、極めて早期に行う(4−6歳)顎矯正の適応でもあります。しかし稀に先天疾患が原因のこともありますので、状況に応じて説明します。

成長期で下顎の非対称が増悪するケースでは、顎関節の問題が関与していることが多いです。また極端なクセ・長時間の頬杖(ほおづえ)などの悪習慣は原因になるかも知れません。いわゆる早期治療においては、出きる限り上下顎ー左右のアンバランスを改善する治療を行いますが、上顎の非対称の改善は極めて困難です。固定式装置でなるべく劣成長側の側方臼歯群を拡大するに留まります。下顎に関しては左右の成長量の差を意図的に付ける治療を行うことが多いです。程度が小さければ、逆に咬合している部位の被蓋改善を行い、非対称の成長パターンが改善することを期待するのみの場合もあります。

成長期後半では下顎の成長が活発になりますので非対称が更に強く現れることがあります。外傷の既往・顎関節内障といった顎の問題を抱えているケースではしばしば見られます。外科矯正を前提で観察に移行する場合もありますし、あわよくば矯正単独で咬合構築が出来ることを期待して噛み合わせを作っていくこともあります。ストレスのない噛み合わせによって、顎関節の環境が改善されると、非対称への増悪がくい止められるかもしれません。

<成人の場合>ずれているとどうやって治すのがいいの?

成人してからは、程度の強いケースでは外科矯正の適応になります。程度が小さければ、代償的に歯を合わせることによって咬合構築を行います。

相対的に1-2mm以内のずれでしたら、誰しもが持っている非対称ですので、気にしなくていいです。
3-4mm程度ですとズレは認められますが、単独の問題でしたら噛み合わせを作るのに無理というほどではありません。
5-6mmだと顔貌所見で非対称を意識している人もでてきます。他の要因が重なってきた場合、外科矯正という選択肢が見えてきます。
7-8mmになりますと矯正単独の治療では咬合構築が難しくなってきます。
9-10mmを越えてきましたら、おそらく自分の顎は歪んでいる ということを一番治したいと訴えられているでしょう。外科を選択されない場合、咬合はかなりズレたものになり正しい噛み合わせは望めません。
これらは当院での判断基準の一つであり、その他にもいくつか考慮しなければいけないこともあります。たとえば、噛み合わせ(咬合平面)の傾斜やヨーイング(真上から見たときの回転)、は偏位や非対称の問題ですが、数値ではなかなか表せません。頭蓋骨が著しく変形している場合も数値の判断が困難です。状況に応じて説明をいたします。
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