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矯正歯科講座
第一第二鰓弓症候群(だいいちだいにさいきゅうしょうこうぐん)

顎顔面では唇顎裂の次に多く見られる先天疾患です。生まれつきの顔面非対称を示し、片側の下顎の低形成や耳の低形成などが見られます。形成外科で外耳の形成術をおこなったり、口腔外科などで骨格の非対称の治療を、歯科矯正医とともに咬合を考慮した上で計画してゆきます。状況に応じて劣成長を起こしている片側上下顎の延長術を外科的に行います。矯正の治療費は外科、矯正いずれも健康保険の対象になります。  噛み合わせに関しては、残念な事にあまり良い状態には改善してくれません。本来であれば上顎と下顎をつなげてくれるはずの関節が、低形成を示している事が多いので、フワフワした噛み方になってしまいます。  外科矯正で期待できる事は、傾斜した噛み合わせの平面がより水平に近づき、顔の対称性が若干回復する事です。なかなか完全な対称性を獲得する事は難しいかも知れません。状況によっては積極的に検討する選択肢です。歯科保険の中ではゴールデンハー症候群(鰓弓症候群を含む)を伴う不正咬合 として扱われています。ゴールデンハー症候群 は僕自身学生時代に習っていませんので、知らなかったのですが、頭蓋、目、耳などの片側性の変形の他、いろいろな形成不全を伴う症候群で、湾岸戦争後の帰還兵の子供に多発したと報告があったようです。

その他、保険が適応される症候群で、非対称という特徴的な所見が見られるものに Russell-Silver ラッセルシルバー症候群があります。保険が適応されないのですが更に大きな非対称を示すNoonan ヌーナン症候群などもあります。世の中には発見した学者の人数ほどの病名がありますので、中には本質的には同一なのに症状の出方で病名が異なったり、因果関係が現時点では確定されてないために、保険が適応されないなど理不尽なこともあります。せめて明らかな先天疾患をお持ちの方が治療を望む時には保険を適応して貰いたいものです。 → 2008年の保険改正によって、ヌーナン症候群は保険適応されました。
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