談山神社から明日香へ   晩秋の紅葉を訪ねて

2007.11.16(金)

平成19年の今年は、例年になく暑い夏が長く続き、また世界規模の異常気象が起こりました。彼岸花は10月になってから咲き始め、金木犀が非常に遅く咲き始め、また、香りも強くありませんでした。地球の温暖化は自然に生えている植物が敏感に感じ取っているのでしょう。
 さて、11月の山楽会は河村周一さんの企画で、藤原氏に縁の深い「談山神社」から「明日香」に抜ける道の踏破をすることになりました。標高が高いこの地もようやく紅葉が見ごろという情報を得て16日にやってきました。
 でも紅葉が赤くなく茶色で葉が縮れています。同世代のアマチュアカメラマンも沢山おられまして、お話を伺いますと「きたない色」とか「まだ完全に紅葉していない」とか仰っていました。確かにまだ緑の葉が多く紅葉しきっていません。一部には綺麗な紅葉もあり、またすばらしいグラデュエーションを見せている樹もありました。
 その様子は詳細な大きい画像や動画をご覧になって13名の七期生が行く秋を楽しんだ絵巻物をご覧ください。
       朱の宮青葉の光とどく辺に蘇我の入鹿の首飛ぶ絵巻  多恵子
       多武峰楓の花のうす紅に歳月は透く 大化の改新  多恵子
近鉄・桜井駅に集合するためにそれぞれが集まってきます。村田さん、石田さんは京都から。西谷、榎本、河村さんらと、村元は古市から南大阪線で。岩壷さん、森本さんの兵庫県組と吉村さん、坂口さん、斉藤さん、大場さん山内さんは鶴橋方面から。八木駅で合流。 さあ、桜井駅から10時45分発のバスに乗って多武峰に出発。バス発着場で女性陣はおニューの登山靴を見せ合って意気込みを語り合います。あと20分待てばバスが来るというのに・・。。「いらち」でこらえ性のない誰かが「タクシーでいこ」と。
バス運賃は400円足らず。「4、5人乗ったらトントンやで」と3台のタクシーに13人が乗り出発。タクシーから降りてトランクを開けると一つ多いリュックが・・。荷物だけほかのタクシーに載せておいただれかさん・・。 談山神社の手前から歩くという企画。普段、バスではこの東大門なんか素通りなんですがじっくり文化財に触れられました。
車1台がやっと通れる生活道路。右に見えている「摩尼輪塔」はこの道が元々談山神社への参道であったことを示しています。 談山神社に入る前、神社を俯瞰できるビューポイントを河村さんは探してくれていました。七期会の皆さんは早速カメラを取り出し撮影です。
「気の置けぬ 友居て楽し 紅葉狩」 耕策
ここらにはアマチュアカメラマンのおじさんが沢山います。岩壷さんが交渉してシャッターを押してもらうことになりました。前列左から、石田さん、大場さん、斉藤さん、山内さん、西谷さん、村元。後列は左から岩壷さん、坂口さん、河村さん、村田さん、吉村さん、森本さん、榎本さん。。河村さんの後ろに見えているのが重文十三重塔、岩壷さんの後ろは今修理中の重文権殿です。
拝観料は500円です。観光客でごった返していました。滋賀県から来たと言う18人の団体さんの代表の人が「あなたたちのグループは何人ですか?合流すれば団体割引が出来る人数になるのです。」私たちも渡りに船。「承知しました」と、450円になりました。(^_-) あくる日の11月17日は談山神社に祭られているご祭神、中臣鎌子(後の藤原鎌足公)の命日にあたり公の像が公開されていました。重文拝殿に登壇し拝ませていただきました。
拝殿から紅葉がよく見えます。釣り灯篭も沢山あり大切な文化財です。まだ、モミジが緑色が多いですね。 いよいよお昼弁当です。随分歩き回りましたからお腹が減っています。座り込んで頂きました。とっても美味しかったです。女性陣からチョコレートや飴の差し入れも。カメラマンの邪魔をしたのでは・・・。
重文東殿は「恋神社」と命名してあります。女子中学生やアベックがお御籤を引いています。それを見た岩壷さん「私らはもうゲームオーバーや。。」 ご飯を食べて午後の部、御破裂山へ出発。凶事が起こるときには不気味な音がする、という言い伝えがあります。話題提供に事欠かない榎本さんはここまでは何事もなく済ませてきています。何かやらかしてほしいのですが・・。
さあ、杖を出して登山です。この御破裂山は標高607メートルです。30分ほどかかって登りました。 頂上に近いところに西北に開けた場所があります。香具山、畝傍山、耳成山や二上山、生駒山が霞んだ向こうに見えます。登頂記念撮影。。
ここのほうが上よりも開けてよく俯瞰できました。 途中、アケビの実は美味しくないとか、蛇イチゴを食べたとか、桑の実は黒っぽくなったら甘くなっているんだとか言いながら歩いていると「カラスの瓜」がありました。シモヤケの時、金盥(かなだらい)に煎じたカラスウリをいれ足を暖めた経験を話しました。
談山神社と明日香の間は自動車道がありません。いま工事中でこの先は通行止めで車は通っていません。
「休憩」を要求する声で先頭が止まり甘いものを食べたりお茶を飲んだりしました。
「口ほどに あしが動かぬ 山楽会」 耕策
いよいよ、人家があるところまで降りてきて、こんな田舎へ疎開で行ったこと、川で遊んだこと、いつもひもじい思いをしていたこと、などを話しながら歩いてきました。おばさんが枯れ草を野焼きしていました。
河村さんは下見の時この販売所で買った柿がめっぽう美味しかったのでまた買いました。「チャリン」100円のワンコインで柿が5個入っていました。
「明日香の風 口いっぱいに 旬の柿」 耕策
しばらく歩くと石舞台が見えてきました。よく歩いたよね、とお互い褒めあいながらお便所を探します。石舞台も4時ぐらいになりますとひっそりとしています。一組のアベックが写真を撮り合いをしていました。
かめバスを待ち4時過ぎに乗車。小学生の下校にかち合いました。全員席を譲ってくれます。
「賑わいは 小五に負けぬ 美男美女」 耕策
橿原神宮駅まえに到着したのが4時40分。楽しい乾杯まであと20分あります。前回は「笑笑」という大衆酒場でした。まだ看板の電気も灯っていません。「20分待つのは辛いね。他を探そうか」とか言っているうちに5時になりました。
「笑笑」に入ってすぐに「とりあえずビール、生中や」「岩壷さん、あんたは生大やろ」「今日も会計お願いな」「酔いつぶさせよう」なんて不穏当なヒソヒソ声が。「乾杯」「乾杯」みんな上機嫌です。七期・外遊びクラブで宇治へ行ったときの『抹茶ぜんざい事件』のはなしでまたお笑い。そして榎本さんのリュック紛失事件、岩壷さんの会計損失事件。何でも笑いのネタにします。
「腰に膝 痛み忘れて さあ乾杯」 耕策
このメンバーでは失敗は許されません。末代まで失敗を笑いのネタにされます。「榎本さん、いい川柳を作って送ってな」「プレッシャーをかけるなよ」
13人全員が残ってビールをグビグビ。。
もう、お腹一杯や。岩壷さん、吉村さん、村元。。
山内さん、大場さん、榎本さん。 石田さん、森本さん、斉藤さん、山内さん。。
岩壷さんが会計しています。今日は間違えないぞ、、という決意と、陰謀に立ち向かう決意がにじんでいます。
「会計して、お兄さん、。合計を13人で割って」と岩壷さんは自分は計算しません。「2.380円です。」「では2500円集めよう」と私。「残ったお金を岩壷さんに寄付をします」異議なしの声。岩壷さんニッコリ。この前の損失補てんにこのお金を使ってくださいね。
さあ、2時間はあっという間に過ぎました。近鉄南大阪線組と奈良線組とに分かれて帰宅です。
ああ、たのしかったね。また行こうね。

暇をつぶしてきたおじいちゃんおばあちゃんたちはご機嫌よく帰宅しました。
「場所問わず ストレスに効く 山楽会」 耕策
左の山が御破裂山、右の山が「談(かたらい)山」。ここの山で中臣鎌子(後の藤原鎌足公)と中大兄皇子(後の天智天皇)がこの山に登って密談、「大化改新」の談合をしたところであります。だからこの地を談山神社といい、談=かたらいをしたということです。後にこの山を「談い山」「談所ヶ森」と呼び、談山神社の社号の起こりとなりました。
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