法律用語あれこれ 
9 停止と中断(ていしとちゅうだん)
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停止(ていし)と中断(ちゅうだん)

 民法用語で、法律家と市民とのズレの最たるものが「停止と中断」です。
 民法上の停止は、ある一定の期間だけ時間の進行を止めることです。
 そして、中断はそれ以前に行われたことを無し(チャラ)にして、新しく時間の進行を開始することです。
 この違いは大きいですね。 
 
 借金取りに追われている人、タネを蒔いたのはその人の不注意と怠慢に起因しますがひとつ覚えておいたほうがいいことです。
 差し押さえや確定判決のほかに債務の承認をすれば時効は中断し、新しく時効が進行しますので借金(債務額)は減りません。
 どうしても払えない場合は破産申立を行い、破産宣告決定と免責決定を受けるしかありません。
 逃げ回るのでなく、再出発を行う手続きに「民事執行法」があります。

 また、取り立てる方にご注意します。催告を繰り返しても時効は中断しません、6ヶ月以内に訴訟を提起することが必要です。 

 内容証明郵便を送ったと安心してはなりません。
 「民事訴訟法」により裁判所で得た確定判決は10年間の効力があります。
 判決が出ても自力で取り立てることはできません。
 「民事執行法」により、執行官に取立てを任せるしかないでしょう

 【補足】
 時効については民事・刑事を含めた解説に長戸路政行さんの『時効 民事・刑事 あなたは得する人か それとも損する人か』(自由国民社)があります。
 取得時効、消滅時効について細かく説明されていますので参考にしてください。
 除斥期間(じょせききかん)という決まりもありますが混乱させないよう省いています。
 次の表は、『口語民法補訂4版』(自由国民社)78頁を参考にしました。


  時効の中断事由                      
時効中断
事由
法定中断事由
(147条)
●承認(156条)
●差押え、仮差押え、仮処分(154条、155条)
●請求・・・・・・■催告(153条)  ※6ヶ月以内の訴え
         ■支払督促
         ■和解や調停の申し立て
         ■破産手続、再生手続、更生手続への参加

  ●時効の停止事由

時効の停止
事由
 ■制限行為能力者に対する時効の停止(158条@)
 ■制限行為能力者の権利の時効停止(158条A)
 ■夫婦間の権利の時効の停止(159条)
 ■相続財産に対する時効の停止(160条)
 ■天災、事変による時効の停止(161条)

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