4 瑕疵(かし)
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●瑕疵(かし)
お菓子ではなく、「キズ」や「欠陥」のことです。
「瑕疵ある意思表示」には詐欺と脅迫があります。
詐欺(さぎ)というのは、相手が故意に事実を偽り(欺網=ぎもう)、錯覚させて(錯誤=さくご)、誤った意思表示をさせることです。
ふつうの注意力があれば避けられる面もありますが言葉巧みに欺くのが詐欺師です。
脅迫(きょうはく)は、相手をおびえさせ(畏怖を与え)、本人の意図とは異なる意思表示をさせることです。
こちらは有形無形な暴力(畏怖)によって不利な契約を強いるもので詐欺より悪質とされます。
また、契約の引渡しのときに「債務不履行」が出てきますが、そこに「瑕疵担保責任」がでてきます。
たとえば、家を建てる契約をして支払いまで済ませたのに、受け取った建物に構造的な欠陥があって住めないとか住むのが危険なことがあります。
建て替えを請求したいところですが、損害賠償にとどまる場合には「瑕疵担保責任」で追求することになります。
ちなみに、債務不履行には、@履行遅滞(りこうちたい)、A履行不能(りこうふのう)、B不完全履行(ふかんぜんりこう)の三つに区分されます。
@は期限が過ぎても家を完成しない場合、Aは建築業者が故意・過失で建築しない場合、Bはいちおう建て上がったが不完全な場合です。
民法の損害賠償の基本は相手に「故意や過失」がなければ基本的に請求できません。無過失責任や製造物責任は民法以外の法律で救済する規定です。
【補足】
瑕疵担保責任は耐震強度設計手抜きの欠陥マンションで何かと話題になったから記憶されている方もおられることでしょう。
賠償責任を問うことができても、相手に資金がないときは泣き寝入りになります。
また、東日本震災のような天災によって債務不履行となる場合は「原始的不能」という履行不能になります。こういう場合には故意・不能は問えないでしょう。
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