法律用語あれこれ 
人が関わる用語集
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人が関わる用語集

 法律の解説では、法人との区分のために人間は「自然人」という無粋な呼び方がされます。
 法人を「人工人」とか「擬制人」と呼べば済むのに自然人は響きが悪い。
 民法はもっと簡単に「」と書いてあるだけです。
 そこに「外国人」も、制限付きですが人に含んでいます。

 よけいなことですが、民法35条の外国法人の条文で「外国会社を除く」と書いてあって悩みました。
 これは2008年の民法改正で「商事会社」を外国会社とした名残(なごり)でしょう。

 そして、民法は出国について触れていません。
 失踪者の財産や相続財産は「管理人」の条文があるのに、日本人が国外移住や国籍離脱した時の財産について触れていません。
 そういうことは公法で決めることだからでしょうか。
 
 民法は、(総則・親族編)と(物権・債権・相続編)のかかわりで組み立てられていることはすでに触れました。
 もっと細かく言えば、民法は、物を媒介にした人と人とのかかわり合いを決めています。
 そこにはフェアプレーの原則といえる「信義誠実の原則」や「公共の福祉」と、禁じ手といえる「権利濫用の禁止」があります。
 そして、憲法改正で付け加えられたのが「個人の尊厳」と「両性の本質的平等」の解釈基準です。
 ですから、民法には
男と女の区別はありませんし、成人は若者と老人を区別していません

 民法で人を区分するのは、意思や行為をどのように判断し決定するかの能力に限られます。
 未成年者と成年者は「
年齢」で区分されますが、成年者と被成年後見人の違いは「精神的な障害」の程度で区別されます。
 これは精神的な障害であって身体的な障害ではありません。五体不満足でも、判断や決定する能力があれば法律行為はできるわけです。
 身体の障害をもって責任(義務)から逃れられません。福祉関係の人は、救済や保護に慣れて誤解しているときがありますので注意してください。
 身体に障害があってもなみの人以上の判断力や創造力を持つ人はたくさんいます。

 前置きが長くなりました。
 民法の主人公である人間は、出生から死亡に至るまで、状況に応じていろいろな呼び方がされます。
 主人公ばかりでなく、憎まれ役や相談役のその他おおぜいの役があります。
 事件に巻き込まれたときにあなたがどういう呼び方がされるか当てはめてください。

 民法ではありませんが、「被害者」「被疑者」「被告」「参考人」の違いを知らず冤罪に苦しんだ人も少なくはありません。
 法律上の用語と関係する法律用語を一覧表にまとめましたので目を通してください。
 1赤ちゃんと子どもはあえて区分しただけで未成年者に違いはありません。
 2精神的な障害は未成年者にもありますが、この表では成年者の例外規定としてまとめました。
 3★は例外的なものです。通常は制限行為能力者にとどまっていますが、失踪や出国にも触れています。


法律上の用語 関係する法律用語 法律の効果や制限 
誕生以前 ・胎児(たいじ) ・損害賠償請求
・相続
・ここは例外的な取り扱いで、出生した場合に限られる。
赤ちゃん ・出生(しゅっしょう) ・権利の享有(権利能力)
・認知
・養子
・人の権利能力は出生で始まる。
・判断や行為ができないので親が代理する。
・財産の処分は親子の利益が異なる場合がある(利益相反行為) 。
・親に子どもを育てる能力や財産がないときは養子や特別養子の制度がある。
子ども ・未成年者 ・親権者、法定代理人
・実子
・嫡出の推定
・子の氏(うじ)
・養子
・特別養子
・縁組
・親は子の監護や教育する権利と義務がある。
・子どもの営業や結婚は親の同意を必要とする。
・物を受け取ったり、判断したり、行為するときに年齢で考慮される場合がある。
・親の死亡や離婚で親権者や氏も影響する。
・親に子どもを育てる能力のない場合は法定代理人が選任される。 
・精神上の障害がある子どもは未成年後見人が付く。
おとな ・成年者
・配偶者
・親権者
・養親
・扶養義務者
・事理弁識能力
・婚姻(同居・協力・扶養義務)
・婚姻による成年擬制
・夫婦別財産制
・離婚(結婚関係)
・離縁(養子関係)
・子の監護
・親族の扶養義務
・精神上の障害のある人を除いて、一人で判断し、行為をする権利と義務を持つ。
・みずから賠償責任を負う。
・親の同意なく結婚し、営業できる。
・営業や雇用のほか、財産の取得や処分ができる。
・家族や親族の扶養義務が生じる。
・年齢の制限が無いので若者と老人の区分はない。
 
★障害
※制限行為能力者
・成年被後見人
・被補佐人
・被補助人
・法定代理人
・任意後見制度
・精神障害の程度によって後見人・補佐人・補助人が定められ、法律行為が制限される。
・老齢に伴う判断力の低下に対応して任意後見制度がある。
 
★失踪 ・不在者 ・失踪宣告
・管理人
・行方不明が7年経過した場合
・戦場、沈没、危難などで行方不明の場合は発生後1年。 
★出国  ・日本に住所を有しない者
 
・住所
・居所
・仮住所
・日本国憲法22条は外国移住・国籍離脱の自由を定めています。
・民法の適用は国内に限定してるので規定はありません。 
・外国人との関わりは「法の適用に関する通則法」や「国籍法」をごらんください。
死亡 ・被相続人 ・相続人
・代襲相続人
・特別受益者
・相続財産管理人
・相続は死亡をもって開始します。
・胎児は生まれたものとみなします。
・民法の相続編に細かい手続きが出ています。
・相続人がいない場合は財産は国のものとなります。
 

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