勿来から白河までの淋しい山道
2006年07月12日


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 大洗海岸に出向くつもりで常盤道を走った。クルマが少なく、まっすぐで変化のない高速道は単調である。渋滞で進路変更したから地図も持っていない。守谷サービスエリア(SA)で買った地図で「いわき」まで足を延ばすことに決めた。
 東海パーキングエリア(PA)を過ぎるとトンネルだらけの山道だ。
「急にトンネルが増えたわ、大洗海岸はどこ」と妻がつぶやく。
「お姉さんとむかし出かけたときフェリーが出ていたわ、帰りは船ね」と言い出す。
オイオイ、苫小牧まで行くつもりか。とっくに大洗を過ぎたのも気がつかない妻に呆れた。


 海を見るために日立北インターで降りて国道6号へ向かう。陸前浜街道と書いてあるから変化の多い海岸線を期待したが薄曇りの海で味気ない。
 高萩の手前で、「渋滞してるわ、こんな場所で珍しい」と妻がすっとっんきょうな叫びをもらす。都会育ちの偏見を丸出しだ。途中立ち寄った平潟漁港では淋しすぎるとクルマから出なかった。
 勿来(なこそ)に入ると海岸線も変化が出て、カニ料理の看板も目立つ。すでに日も落ち、常盤道を戻るのも退屈なので東北道の白河インターに向かう山道を走ることに決めた。国道289号は初めて走った。数台しか走っていないのが心細いがなんとかなるだろう。

 カーブが続く狭い山道を走るといつものとおり妻は黙りこくる。
「霧が出てきたわ」、「外灯もないわ」とたまにつぶやく。小雨まで降ってきて、おまけに工事箇所もあってすれちがいできない場所もある。
「伊豆の山奥みたいで恐いわ」と言い出されても戻りようもない。音楽でもかければいいのに気がきかないやつだ。挙げ句の果てには「こんなところで故障したら大変ね」と不吉なことを言い出す。
 携帯電話はとっくに圏外表示である。「コンビニが見当たらないわ」と言うのに呆れる。家があっても灯もついてない場所で商売しても始まらないだろう。
 白河への70kmは棚倉町に出るまで行き交うクルマも少なく、淋しい暗がりの山道だった。

 棚倉町でパチンコ屋のケバケバしい明りを見ると妻が饒舌(じょうぜつ)になる。「こんな淋しい道はもうたくさん、明りがこんなに嬉しいときはないわ」と感激するのもおかしい。白河市街に近付くと無口な妻がいっそうはしゃいでいる。せっかく聴きに出向いたオフコースのCDをちゃんとかけろ。白河には2回出向いているからあとは高速道路を走るだけだ。

【走行経路概要】 2006/07/01(土)
14;40横浜発→湾岸道路→常盤道路→16;30守谷SA(昼食)→17;30東海PA(休)→日立北→国道6号→18;30平潟漁港(休)→19;20なこそ海岸(休)→19;40国道289号→20;40棚倉→給油→21;00白河(夕食)21;50→東北道→23;50川口→首都高→湾岸→1;20帰宅、550km走行


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