能登半島と上高地周辺
2005年08月16日ー19日


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●概要

 首都高・関越道・上信越道および北陸道を使って金沢に向かい、能登半島を内海から外海に一周し、東海北陸道で白川郷を経て、飛騨高山・新穂高ロープウエイおよび上高地に立ち寄って、長野道・中央道・東富士道路および東名高速道で戻った約1,500kmのドライブです。8月16日から19日まで3泊4日で妻と一緒に出かけました。

 ちなみに、能登半島は7回目(家族で3回目)、白川郷は4回目(同2回目)そして上高地は18回目(同9回目)と同じ場所ばかり出向いています。でも、33年ぶりの「なぎさドライブウエー」走行、東海北陸自動車道の初めての利用なども加わって思い出がまた増えました。

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●行き先が決まらない

 夏休みは取れても外に出向く気力が欠けた。妻は虫歯の治療中で、息子もアルバイトでは家族旅行どころではない。仕方ないので、家にこもってパソコンいじりをしていると妻子が煙たそうに見つめる。ブログに掲載するためにセミを撮りに出向いて蚊に刺されて笑い者になる始末だ。

 行きたい場所は多い。紀伊半島一周、奈良の寺めぐり、京都市内散策、函館や下北半島訪問など駅にあったパンフレットを眺めていても交通費や宿代を考えると躊躇(ちゅうちょ)する。電車やバスを使った旅が私の原点だが高くなって手が出ない。

 インターネットで宿の値段や空室状況を確かめると手ごろなのは北陸しかない。大きな露天風呂があって、食事も楽しめるなんて無理な注文まで出てくる。「夫婦だけならラブホで十分」と言うと、「そういう場所で死なれたら恥さらしだからやめてよ」と娘が言い張る。結局、費用節約でクルマを使うのはいつものとおりだ。あれこれ家族で検討していると夜もふけた。
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●金沢に出向く

 家族で出向く場所を検討して妻は2時間、私は3時間しか寝ていないので、暑さも加わって松代SAの手前で眠気が襲ってきた。アルバイト先から息子がメールを送ってきたが、行き先は奈良か京都だと思い込んでいる。息子は、出向く直前に金沢の宿が取れたことを知らない。留守番の娘に連絡すればいいのに妻にメールを送るのも息子らしい。私には、あと何キロ走れば着くかしか頭にない。長野を過ぎて、カーブが多い道に入ると目が冴えるのも山道が好きなせいだろうか。

 金沢市内には5回泊まっているので多少の土地勘がある。でも、飲食は香林坊に出向いていたので駅前の店が21時前に閉まるのに気づかなかった。夕食をとるために駅前をうろついたが薄暗くて淋しい。これではインター前に戻ったほうが郊外レストランもあったと悔やんだが、クルマは駐車場に預けたのでそれもかなわない。ようやくファミレスを探してほっとした(ホテルの手前の駅ビルの昼食街が22時まで営業してるのは翌日気づいた。また、ホテルの中にもレストランがあったがそれも忘れていた)。

 今回2泊したアパホテル金沢駅前はインターネットで探したが、価格も手ごろで施設やサービスも充実していた。露天風呂やサウナも併設され妻は満足しているのが幸いである。女社長がマスコミにも登場していると妻子は言うが私は知らなかった。何しろ、出かける2時間前に決めたばかりのホテルだ。 
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●千里浜のなぎさドライブ ☆能登半島その1

 私の旅の始まりは能登半島一周ドライブだ。糸魚川を抜け、富山側から禄剛崎(狼煙)を経て金沢に抜けた。同い年の友人が千里浜を走るために、道案内と運転補助に私を誘ったドライブだ。もう33年前のことだった。
            
 この旅では千里浜に良い思い出がない。当時はデートスポットで、夜中にアベックと間違えられて何度も起こされたり寝ぼけて笑われたのが今も口惜しい。能登にはその後5回出向いたが避けて通る場所だった。だから、なぎさドライブウエーができて、誰でも浜辺をクルマで走れるようになってから一度も立ち寄っていない。

 初めての時とどんなに変わったかを確かめるために千里浜を走った。キレイに整地されて海水浴場化している。アクセルを踏み込み、車体をバウンドさせて走らせた海岸はとっくに失せてしまった。走行中に妻にビデオカメラで写させたがラリーのような臨場感がない。同い年の友人とはラリーのマネゴトをしていた昔はとっくに消え去った。不器用でナビゲーターしかできなかった私が運転するしかない。
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●七尾に出るまで悪戦苦闘 ☆能登半島その2

 能登半島には有料道路が2つある。内灘町から羽咋(はくい)市を経て輪島に向かう「能登有料道路」と小矢部砺波JCTを起点とし部分開通した七尾市から能登に向かう「能越自動車道」だ。この2つは徳田大津JCTで接続している。そして、国能登の道路地図:案内板を撮影道249号にはいたるところにバイパスが作られている。

 羽咋市の柳田ICで降りて、外海づたいに輪島に抜ける予定が千里浜に立ち寄って崩れた。これでは山に入ってしまうと慌てて次の上棚矢駄ICで降りた。七尾を目指せばいいとタカを食っていたが、いつまでたっても案内表示が出てこない。能登島の方向に従ったがそれらしき案内もまったく出てこない。不安になって「瀬戸」交差点でまわりのクルマにあわせて右折した。地図を見直しても七尾市の方向には誤りがない。「田鶴浜」を目指したが山の中を走るだけで道はいっそう狭くなる。いつものとおり妻はのんびり景色を眺めているのがいらだたしい。

 ようやく、田鶴浜にでたころは疲労困憊で無口になっていた。大きな能登島のほかに小さな島が点在し、ひなびた入り江の景色に妻は見入り、「こんなところに鉄道が走っているわ」と感激するもの可笑しい。家族で能登島に出向いたときは「徳田大津」ICを使って往復した。それを忘れて手前で降りたのが失敗のもとである。
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見附島に立ち寄った  ☆能登半島その3

 
金沢から能登に向かい、33年ぶりになぎさドライブウエイを走り、七尾から珠洲に向かった。国道249はバイパスばかりで面白みが欠けた。海を見るために旧道を走る。やっぱり狭い。見附島の写真を撮って狼煙に向かう。出掛けに雨が降ったのにカンカン照りで暑い。

 軍艦のような姿をした島が珠洲(すず)市にある。国道249号のバイパスを外れないとたどり着けない。手前の穴水(あなみず)では、能登空港ができてから珠洲に向かうのは輪島の先のような表示になっている。今回は海に沿って走るように努めたものの、249号はバイパスが山の中を走るから退屈だ(これは伊豆半島も同様である)。

 それにしても、恋人岬とか恋路海岸というとって付けた名前がどこにも増えた。ふられてきた私には癪な文句だから意地でも近寄らない。見附島の手前にも恋路海岸があるが今回もパスした。33年前も見附島を見るために海岸線をクネクネまわって走行したものだ。引き潮のときは歩いて渡れるそうだ。オートキャンプ場になっているようで子どもたちが騒いでいた。小さな社があるのに初めて気づいた。
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●狼煙(のろし)に出向く ☆能登半島その4

 
能登半島最北端の禄剛崎に立ち寄った。ロッコウと読むが、道路案内は狼煙だ。灯台とレーダータワーしかないが、入り組んだ海岸線にひかれて何度か出向いている。息をきらせて高台に上がったが、きつい陽射しに喘ぐだけだ。珠洲からは相変わらず道が狭い。


 ヒッチハイクをしている頃(2度目の能登訪問)は狼煙にテントで4泊したことがある。日焼けを嫌って喫茶店に入りびたり、アルバイトの高校生たちに「お兄さんたちは何しに来たの」とからかわれ、「日焼けをするとマズイから」と答えてヒンシュクを買った。ユースホステルの客人が炎天下の道路で麻雀卓を囲み、狼煙には若者が溜まっていた。

 それも昔のにぎわいのようである。たむろしただけでなく、能登に出向くたびに立ち寄ったその喫茶店は姿を残しているが廃業のようである。7回も引いてすべて凶しか出なかった道路沿いの神社も寂れている。道路が整備されて誰でも出向けるようになって飽きられたのだろう。
               

 隣の木浦から蛸島までキャンプをしながら歩い体力はもうない。蛸島寄りの山にあった野営場は閉鎖されている。能登半島を歩いてまわる時代は去ったのだろうか。でも、蛸島から狼煙に至る道は相変わらず狭くて緊張感が伴うことに変わりがない。
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巌門(がんもん)は寂れた ☆能登半島その5

 
有料道路やバイパスをなるべく使わず半島を走るのが今度の目的である。輪島と羽咋、より正確には門前と富来(とぎ)のあいだにある厳門へ出向いた。店の呼び掛けがあっても客の姿が見当たらない。小説やドラマの場所になったが忘れらたようだ。

 小説や本を読んで旅に出る。それは今も変わらない。松本清張の『ゼロの焦点』や『点と線』、五木寛之の『内灘夫人』、あるいはブルーノ=タウトの『日本美の発見』などにひかれて能登や白川郷に出向いた。巌門もそいう場所だ。関の鼻や黒崎も同様で入り組んだ断崖が続く。このあたりを総称して能登金剛と呼ぶようである。

 ともあれ、懐かしさにひかれて訪れた黒崎の大納言茶屋は廃墟同然で、巌門も店は多いが客の姿も見当たらないのが淋しい。原子力発電所が近くにあるからだろうか。
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●広い海岸線の夕暮れ  ☆能登半島その6

 能登有料道路を使い、夕陽を確かめるために羽咋市柳田から内灘町に至る真っ直ぐな海岸線を走った。能登に出向くたびに使う道路だが通り過ぎるだけでクルマをとめることは滅多にない。

 昨日の親不知海岸はあいにくの雨で夕焼けを眺められなかった。夕陽を眺めている妻がやけに感傷的になっているのも人通りの少ない海岸線を走らせたからだろう。高松SAでクルマをとめると太陽は雲に隠れて見当たらない。走り出すと夕陽が海岸を赤く照らす。「どこまでも水平線が続くわ」と妻が呟く。

 そういえば、こんなに海岸線が広い場所は滅多にない。「こんなに広かったんだ」と言うのに同感した。カーブばかり続く道しか走らせないからそいう場所があることを見過ごしていた。「能登って広いわね」と呟かれて、伊豆半島より大きいことに気づいた。すぐ一周できると甘く見ていたのも迂闊(うかつ)であった。
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●白川郷は通過

 
東海北陸自動車道を使って白川郷に入った。世界遺産に指定されて人が集まってゴミゴミしている。バイパスを使わず旧道を走ったが取り立てた印象がわかない。高速道路でピッタリくつっかれた腹立ちも加わって冷静さを失っていた。せっかくの旅が無神経なドライバーにかきまわされるのが悔しい。

 白川郷は世界遺産になる前に出向いた時にはのどかで安らぎを感じる場所だった。土産物屋が乱立するのはなじめないものがある。白川郷をもてはやしたタウトも墓場の影で嘆いているだろう。1999年8月に家族を連れて訪れたときにガッカリさせられた記録もあるのでこれ以上触れません。
 なお、白川街道は御母衣(みほろ)ダム付近のトンネルは大型車のすれ違い困難な場所がありますので、たとえ乗用車でも警告表示を守り、トンネルの先を確かめてから進入する必要があります。山道は互いに相手を確かめ、譲り合う場所だということを忘れないでください。
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●新穂高ロープウエーは雨降り

 
白川郷も高山も雨である。おまけに高山市街は渋滞で先に進めない。諦めて迂回すると妻がふて腐れる。平湯には14:00に着いたが、何か物足りない。新穂高に向かうと晴れてきた。妻は、ロープウエイに乗ると思い込んでいる。神岡に向かうと言っても信じない。新穂高ロープウエイは昨年出向いて雨で引き返した。今度で4回目である。晴れたのは一度しかない。 乗り場に着いたときは晴れていたが、待つうちに視界が悪くなっていく。切符を買ったから乗り込んだ。今日はまったくついていない日だ。

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●旅の閉めはグリンデル

 今回の旅は宿に恵まれた。2泊したアパホテル、今夜のグリンデルも快適だった。いずれも料理がおいしい。金がないから泊まる以外に多くを期待しない。グルメでないから文句を言っても始まらない。だけどグリンデルは料理を期待して訪れる。肉料理が中心のオーベルジュだが、蕎麦や魚も出る。それに期待して出掛けて外れがない。愛想はなくてもおいしいだけで十分だ。数年に一度しか出向かないが忘れられない宿である。大回りして立ち寄っただけの価値はある。家族の評判も高い。

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●上高地に立ち寄る

 
天気につられて上高地に立ち寄った。妻には初めての大正池から河童橋に向かう。昨日通り過ぎた沢渡にクルマを止めバスで往復するのも気楽だ。上高地を散策するとき似合うのはオフコースの別れ唄だ【『秋の気配』です】。港を見下ろす公園が出てくる唄である。帝国ホテルでケーキを食べ、あれこれ話すうちに河童橋に着いた。

 山歩きのときにも大正池はめったに立ち寄りませんでした。大人の足でも河童橋まで1時間かかります。日差しのキツイ木道を歩くのも面倒です。ですから、家族を連れて歩いたことがありません。妻とは9回目の上高地ですが、今までは岩魚の塩焼きにひかれて明神池にある嘉門次小屋まで出かけてきました。

 今回はそんなマンネリを打破しようと歩く気になりました。森の中をのんびり歩き、川原の流れを眺めて歩くのも悪いものではありません。田代池は見送り、帝国ホテルに立ち寄り、温泉ホテルの入浴場を確かめ、ウエストンのレリーフを見ているうちに2時間がアッという間に過ぎていきました。50過ぎの夫婦が二人でゆっくり歩き回るに右岸はあっているようです。若い頃、一人で歩いたときは妙に人恋しくなった場所でした。

 今回も河童橋から眺める穂高の峰々は雲がかかっていました。晴れ上がるのに期待しましたが小雨がパラつき始めたので慌てて沢渡に戻りましたが、カンカン照りの暑さに閉口しました。山の天気は女心と同様に変わりやすもののようです。
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●延命の湯で入浴


 
小淵沢で高速を下り、スパティオ小淵沢に立ち寄った。旅の終わりは温泉にかぎる。八ヶ岳に行けば必ず立ち寄る日帰り温泉である。町営だから手頃な料金で入浴が楽しめる。風呂嫌いでも退屈にさせない施設だ。露天風呂につかり、メールでヒマツブシするのもいい。風呂好きを待つのも忍耐の鍛練になる。

 我が家ではアマチュア無線やオートキャンプをしていた15年間から日帰り温泉めぐりをしてきました。家族を退屈させず無線を愉しむ方便(ほうべん)でしたが、入浴のためだけで出向くドライブも多い。でも、私は入浴が苦手で、カラスの行水です。小淵沢や諏訪湖周辺に出かけるのはほとんど温泉めぐりです。

 旅の終わりに温泉。考えてみると山歩きをしていた頃にも汚れをぬぐうために温泉に立ち寄っていました。露天風呂につかって疲れを取るのは風呂嫌いにも拒めない憩いであるのは確かです。
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●参考記録

 日程     天気      行 程 ・ 走行距離

 8/16(火)  晴れ/少雨      
  横浜→関越道→長野道→北陸道・金沢  550km  

 8/17(水)  晴れ/雨/晴れ   
  金沢から能登半島一周 =内海から外海へ= 350km

 8/18(木)  雨/晴れ/雨   
  金沢→東海北陸道→白川郷→高山→新穂高→上高地  250km

 8/19(金)  晴れ       
  上高地→松本→小淵沢→中央道→東富士道路→東名→横浜 330km
   【注】中央道が渋滞したので東名に迂回して帰りました


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