沼津あれこれ

2005/03/13 伊豆の西海岸を走る




トップページに戻る  目次ページに戻る


前頁へ 次頁へ


 2年前に綴った作文を掲載したばかりにその後の変化が気になり、沼津に出向いたついでに伊豆の西海岸を走行した。富士山が真っ白であるが寒風が吹いて外に出るのは辛い日である。


 三津浜から大瀬崎までは相変わらず道幅が狭い。行き交うクルマとすれ違うのも気を使った。沼津港から観光船が出ている大瀬崎(おせざき)はダイビングの教習所と化し、寒風が吹く中で50人以上が群れていた。

 今回初めて立ち寄った山の上にある喫茶店「アザセボラ」でのんびり富士山を眺めた。すき間風が吹き込んでストーブがあっても冷える。話し好きな若い店長とあれこれ雑談を交わし、手作りのメニューを見ながら「店の名は花の名ですか」と訊ねると、字名の瀬洞(せぼら)だと言い出すので互いが笑った。店構えと同様に意外とズボラな名付けである。対岸は沼津の原町で、晴れた日には第2東名や新幹線が見えると言う。
         
                

 トンネルを抜け、来月から沼津市と合併する戸田村に入ると急に道幅が広くなった。かっての陸の孤島である井田地区は舗装された道路がつながっている。すれ違うのも冷や冷やした狭くて未舗装の道は遠い昔の話しになった。反対側から入ってくる県外車が猛スピードを出すが、大瀬崎から沼津に向かへば土砂崩れで片側通行も多いから冷汗をかくに違いない。

 若者向けに作られた旅人崎や恋人崎は無視して先に進む。外に出ても寒風が吹くから芯から冷える。土肥(とい)からフェリーに乗るつもりだったが強風で欠航である。富士市から出ていたフェリーは既に廃業し、駿河湾を横断して清水港と行き来するようだ。

 「ここまで来たら昼食は焼き魚ね」と妻に念を押されて西海岸沿いに石廊(いろう)崎に向かう。堂ケ島を抜けると出会うクルマも減った。相変わらず岩地と雲見の間はカーブが多い。ツーリングのバイクが時折群れるから走りにくい。

 波勝崎から南伊豆町まではクルマの絶えた国道を走る。後ろにバイクが1台つきまとうものの追い越す気配はない。道案内に使われるのが癪で石廊崎はやめて菜の花が華やぐ国道を下田に向かう。「伊豆ってこんなに静かだったかしら」と妻がつぶやく。「今度の連休はにぎわうだろう」とデマカセを並べて安心させるしかない。

 弓ケ浜の近くで郷土割烹の「おか田」に入る。残念だが焼き魚はアジやサワラで、イサキやカサゴはないという。活けすに高足カニを泳がせているが高価で諦めた。妻に付き合って刺身付きの定食を注文する。味はまあまあだが、量が多いのに互いが閉口した。

 河津から天城峠を越えるといつものように県外車で渋滞している。苺狩りや行楽施設が多く交通の便も良い中伊豆や東海岸と違って、気候の影響を受けやすい西伊豆や南伊豆は相変わらず静かである。


                               文頭へ戻る