図解編
解説書が触れないこと
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民法を復習するために実務家が書いた参考書を買い集めて拾い読みをしてきました。学者の回りくどい説明より具体的だからです。でも、条文から読み取れない定義に戸惑い、引用される判例と解説書の説明のズレに驚かされています。わたしの読解力の不足や法的思考の不慣れもありますが、書く人の意図が法律のしくみの解説や問題点の指摘にあって、何のために法律があるかは知っていると予定しているからでしょう。
どんな職業や学問にも専門用語があります。また、その世界に入るには専門用語に慣れるのが通過儀礼です。そのために購入した学者が書いた用語辞典は読めば読むほどわからない説明ばかりです。そこで自分が利用できる用語集をまとめ、それだけでは物足りない部分を図解にしていますが、まとめるたびに理解不足が露見して大慌てしています。
それはともかく、わたしは法律の知識を整理するために復習を始めましたが民法だけを学ぶ気はありません。過去に学んだ刑法や経済法や労働法に今も興味がありますし、そういう法律と民法を比較して法律的な思考の幅を広げたいだけです。法律の利用方法より背景にある考え方に興味があります。そこに民法の専門家とわたしとのズレが生じます。
青臭いことを並べていますが、わたしの興味は次のようなことです。
1 民法が扱う領域はどんなもので、実生活にどこまで適用できるか
2 民法を成り立たせているキャラクター(登場人物)の役割はどんなものか
3 民法が前提とする考えと条文はどのようにつながっているか
4 民法とかかわる法律はどこで共通し、何が異なるか
5 民法はどのように作られ、いかに改正されてきたか
こういうことは民法の実務家は触れません。また、学者の説明は回りくどくてさっぱりわかりません。そこで、理解できなかった部分を勝手に整理したのがこの章の内容です。細かいことを無視して民法の考え方を鳥瞰するための試みです。枝や葉にとらわれずに根っこや幹に当たる部分です。
法と法律、権利と義務は民法以外の法律を含めて整理しました。
法律行為と法律関係は民法を中心に整理したものです。
人と人の関わる形態は当たり前すぎて民法の解説では出てきません。
当事者と第三者の名称一覧表は民法に登場する呼び名ですが、こういうものは見当たりません。