たかがクルマのことだけど

助手席のパートナー選びを無視できない


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 見通しが良いものの最も危険で仕事が多いのが運転席の横である。マイカーの場合は最上席であるが、もともとはお客様の席ではない。この席が助手席と呼ばれているのはクルマを動かすために欠かせない席だからである。旅にクルマをつかうときはないがしろにできない席だ。

 クルマを動かすのが特殊な技術であった時代、助手席は次の作業を行なう者が座る席であった。
●運転席から見えない部分をフォロー(支援)する。
●後退時にクルマから降りて誘導する。
●地理に応じて誘導する。
●運行状況を記録する。

 また、ラリー競技ではドライバーとともにクルマを「走らせる」ための席である。アルバイトでトラックの助手を勤め、ラリーのまねごとでナビゲータをしてきた私は助手席に乗せるひとを選ぶ。

 私は、大切な人やお客様は後部座席に座ってもらう。事故が起きたときを考えるからだ。急ブレーキをかけて飛び出されたり、正面衝突の怪我を避ける。ハンドルで危険回避すれば助手席は最も危ない席である。幼児や老人を乗せる席ではない。これだけは護る気はない。

 例外は妻だけである。クルマを買うとき永代使用権を払っていることと一緒にクルマを走らせるパートナーだからだ。でも、妻の体調が悪いときや地図を見る必要があるときは娘や息子に代える。走る状況に応じて座らせる者を交代させることもいとわない。

 長距離ドライブや見知らぬ場所を走るときは助手席に誰を座らせるか考えたい。運転ができるできないでなく、ドライバーや同乗者に気くばりできる人を座らせたい。話し掛けたり、観光案内を強いるような「お荷物」は運転のじゃまになる。クルマを使って旅をするときには、ドライバーのストレス軽減のためにも助手席のパートナー選びは無視できない。

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