たかがクルマのことだけど

優先席の高さにとまどう

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 数年前までは意地を張って立ち続けていたが、帰宅時には寄る年波に勝てずバスや電車の優先席に座るときがある。そこで感じるのはバスの優先席の座席がやけに低くて硬いことだ。膝を曲げるよう強いられ、腰を深く沈めるしかない。座高は高いけれど股下が短い典型的な日本人男性にも向かない座席である。優先席は幼児向けに作られているのかと思うのはヒガミだろうか。

 優先席は車体の前の方に設けられているが、最近のバスは後部座席が高く作られるのと逆に低めに作られている。見た目はすっきりしているが利用者に合わせたものか疑問である。優先席は昔と違って老人だけでなく、妊婦や身体の不自由な人も使う席になっている。でも、日本人の体型はずいぶん変わってきた。今の団塊世代の男性は身長170cm程度だが優先席に座らせられたら窮屈ではないか。あと5年もすれば使い始める人も増すだろう。

 クルマの運転で最も気になるのが座席の高さとフィット感だ。高ければ見通しが良いけれど山道を下るときは吸い込まれそうな恐怖を覚える。 かといって、座席が低ければ良いわけでもない。視界が狭くなるし、大きな車の下に食い込むの不安がある。膝を曲げるのも疲れるもとだし、寝っころがるような運転もあぶない。 どちらのタイプも乗ってきたが、山道走行や長距離走行をしてきたわたしは、やや硬い目でスライド幅のある膝が伸ばせる座席がなじむ。

 優先席にあれこれ注文をつけるのも気がひける。でも、いずれはわたしも使うことになる。運転に限らず、疲れを強いる窮屈な座席を用意すればそれで良いというわけでもないだろう。本気でマイカーを減らし、バスや電車を利用させるなら座席にもっと心配りをしても良いのではなかろうか。

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