24 ご機嫌とりに努めてキーボードを買う

ギターに挑戦


 先日から教則本に付いているCDでリズムを聴いているが短すぎて調子が合わない。ギターの演奏に合わせて繰り返して聴けばいいのだがそれもオックウである。メトロノームがほしいという思いを9話に書いたが、一定のテンポを繰り返すだけだと考え直した。むしろ、ドラムやベースの伴奏のようなリズムボックスが欲しくなった。

 でも、それを買い込んでもギターに飽きたら無用な長物になりかねない。そこで思い出したのが子どもが小さいころに使わせ、ジャマになって捨てた電子キーボードである。あれはヤマハが作っていた「ポータサウンド」という製品で、磁気カードをスライドさせれば楽曲を自動的に演奏させることもできた。ピアノやギターの疑似音を選べ、キーを押せば演奏もできた。また、多くのリズムにパターンがあって音楽をそっちのけにしてディスコとかレゲーのリズムを体感したものだ。

 あわよくばピアノの演奏を身につけられる。そんな思いも加わって欲しいと言い出すと妻は不機嫌になる。それでなくともギターを黙って買い込み、本や雑誌を積み重ねているから不満がうっ積している。連休中は買物に付き合い、あれこれご機嫌とりをしたがそんなことで妻はなびく気配がない。

 先日は郊外のショッピングセンターに買物へ出向いたらCDショップに楽器が置いてある。3,000円程度のキーボードが安売りされているのもグッドタイミングだ。これなら自腹でなんとかなりそうだ。とはいえ、そのまま買えば反発されるから一度は店を出た。

 あれこれ必要性を並べ、「半分ぐらい負担するから買いたいな」と言い出すと、「またガラクタを増やすつもり」と妻は言う。それでも店についてくるのはまだまだ脈がある。今回は妻の前で店員に説明を求めた。聴き比べると安いものは同じようにサンプリング音源を用いながら、リズムパターンが少なくモノラルスピーカーだから音色が微妙に違う。あれこれ比較し、家計負担を考えると上限は1万円以内にとどめた。安物は電源アダプター別売りだが高いものは同梱だから廉売品の中で高いほうに決めた。

 妻の不機嫌は変わらなかったが折れたようである。一緒に買物に出向いた息子に「使わなくなったら姪の子どもにあげれば喜ばれるわね」と皮肉をもらす。リズムボックスに使えると言っても信じていない。(2007/01/10)