6 間違ってエレキギターのDVDを買った


ギターに挑戦


 教則本を読み、付録のDVDでもよく理解できない部分がつきまとうので手っとり早く全体を知ろうとDVDを買ってきた。ギターはアコースティックやガットギターだという思い込みで野村義男の『ベーシック・ギター・セミナー』買い込んだらエレキギターの解説である。時代は変わったものだと諦めていちおう全部を見た。   

 ちなみに野村義男さんはかって「たのきんトリオ」と呼ばれた20年以上前アイドルである。知らない人もいるから説明すると田原俊彦、野村義男、近藤真彦の名前をくっつけた愛称で、野村さんは3人の中で一番地味だった。アイドルから楽器奏者への転身だから思い出も加わっての衝動買いでる。

 エレキには関心がないけれど参考になった。確かめずに買ったわたしのミスだからしかたない。でも、DVDに限らず最近のギター教則本はエレキギターを基に書かれていることだ。また、フォークギターといわずアコースティックギターというようだ。この他にクラッシックギターもあるから十分に確かめるしかない。幸いDVDは別に『フォークギター入門』も買ったので悔いはない。こちらは別売りの教則本もあって省略が多くて未消化のままだ。
【2006/12/28】
 

                  
 


      【高中正義のBLUE LAGOONを聴いて】

 昨日買ってきた高中正義の『プライム・セレクション』(ユニバーサルミュージック、2006年)の冒頭曲の「BLUE LAGOON」を何度も聴き直している。彼の曲でタイトルを覚えているのはこれぐらいだ。編まれている15曲のうち日本語のタイトルは「珊瑚礁の妖精」と「黒船」しかない。山下達郎のアルバムもこんな傾向があって70〜80年代の洋楽はこんなものだったねと苦笑いした。

 細面で神経質そうな高中は井上陽水のエレキギターの先生だったといわれた。陽水の『氷の世界』にも演奏で参加している(どの曲かはフォークのことあれこれ22「氷の世界を聴き直す」に掲載)。イルカや風に石川鷹彦のアコースティックギターが欠かせないように井上陽水には高中正義のエレキギターの演奏は不可欠だった。

 そこで「BLUE LAGOON」である。こんなにおとなしい曲だったかな、という驚きである。キーンというカン高いエレキの響きが消えている。ムード音楽風にアレンジされていて気が抜けた。他の収録曲も似たようなものだ。のどかな雰囲気で珊瑚礁の世界をただようイメージしかわいてこない。それもそのはずでLAGOONは珊瑚礁のことである。

 久しぶりに演奏しかない曲をかけると、家族はまったく関心を示さない。ヒット曲につけてあるカラオケさえ面倒臭がるやつらに演奏なんてどうでもいいことらしい(わたしは演奏だけの曲に耳をかたむけることも好きだ)。14曲目のMANBO NO.5(DISCO DANGO)でようやく娘が「それ、わたし知っている」と言い出すくらいだ。

 音の学には無知だし、演奏は無理だから詳しいことに立ち入らない。サンタナにたとえてみれば、癖が強くてなじんだ「ブラックマジックウーマン」がムードミュージックのような「哀愁のヨーロッパ? 」(正確なタイトルが思い出せない)に変わった違和感が伴う。こういうのが円熟とか完成域に達したというのだろうか。鬼面人を驚かすエレキ演奏が高中正義だった。(2006/09/09)