瀬戸内の島々・鞆の浦旅行記


8月26日 横浜〜岡山

 朝5時、目覚まし時計の鳴る少し前に目が覚めた。今日は岡山まで行かなくてはならないので、できるだけ出発を早くするつもりだった。いつもなら、途中で気力のなくなることも考え、ホテルの予約はしないのだけど、瀬戸内の島巡りをするためには、初日に岡山まで行っておくことが必要で、初めてホテルの予約をしていた。だから、何が何でも岡山まで行かなくてはならなかった。そのことを妻に噛んで含ませるように説明し、納得をさせていた。

 しかし、昨晩遅くまで旅行の用意をしていた妻の目覚めは悪く、また、起きてからも女性特有の準備の遅さで家を出たのは、ぎりぎりの時刻になってしまい、さらに悪いことにバス停に着く直前にバスが行ってしまい、一本待たなくてはならなくなった。朝早いにもかかわらず、バスには多くの乗客がいて、席はわずかに空いているだけだった。いつもは、席が空いていれば必ず座る妻だったが、遅れているという危機感があったのか、バスの前方に進み、停車後すぐに降りられる位置に立った。

 朝早いため、渋滞にはまることになく、バスは予定していた列車の発車する5分前に駅に着き、事なきを得た。まあ、例え一本遅れたとしても、岡山到着は30分程度遅れるくらいだから、大したことはないのだけど、時刻表を見直すのが面倒くさかったので、助かった。駅員の青春18きっぷを渡し、一つ目のスタンプを押してもらった後、ホームへ向かった。7時10分、予定通り東海道線は到着し、西へ向かった。

 東海道線も朝早く、下りなのに混雑していて、座ることのできたのは小田原からだった。沼津着8時41分、引く続き8時44分沼津発の東海道線に乗り、11時36分豊橋に着いた。豊橋で駅弁を買い、11時50分発の新快速で大垣に向かった。この車中で駅弁を食べたが、見渡せる範囲で昼食をとっていたのは僕たちだけだった。鉄道旅行の楽しみのひとつに駅弁もあると思うのだが、最近はあまり列車の車中で駅弁を食べている人を見かけなくなった。みんな、昼食もとらずに腹は減らないのだろうかと、余計な心配をした。

 13時17分大垣着、米原行きに乗り換え14時17分米原に着いた。14時20分発の新快速に乗り、網干に17時に着いた。あまりに列車に乗り過ぎて、体はヘロヘロである。網干から相生まで二駅進み、17時28分相生発の列車で岡山に着いたのは18時39分だった。予約していたホテルに行き、一休みしてから夕食を取りに向かった。

 時間が早ければ、街をぶらぶらしたいところだけど、19時を過ぎていたので駅の近くで店を探していたら、岡山一番街という表示が目に入った。地下街で、食事を取れるところもありそうなので、入った。地下街にはいろいろな店舗があり、その一つの通りに飲食店は集中してあった。全部で7、8店舗くらいだろうか、ひとつ、ひとつの店をみて、石焼炒飯の店が美味しそうだったので入った。

 僕は八宝菜炒飯、妻は鎌倉ベーコンとラクレットチーズのリゾット風炒飯を注文した。石焼の器にチャーハンが入っていて、それを自分でかき回し、焼いていくスタイルの料理だった。一見するとビビンバに近い感じだが、焼いていくと炒飯っぽくなっていく。味はしっかりと付いていて、とても美味しかった。妻のリゾット風炒飯も一番人気というだけあって、美味しく食べられ満足したようだった。(2019.10.19)

―つづく―


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