奥会津旅行記−2001年9月22日〜24日−


9月24日

 昨日の夜は一昨日ほど寒くはなかったが、あまりよく眠れなかった。この時期になったら寝袋は冬用でないときつい。特にこの地域は寒いところだし。だが、昨日のように一睡もできないというわけではないのでまだよかった。さすがに2日連続で眠れないと体がまいってしまう。今日も昨日と同じに陽が山の稜線を越え差し込んできてからパンと缶コーヒーを持ち、昨日朝食をとったベンチに向った。陽が差し込んで草々に当り、夜露が蒸発して白い靄が立っている。本当に朝のこの静かでゆっくりとした時間は何物にも替え難いくらい重要だ。

 始めはこのまま渋滞になる前に帰ろうと思っていたが、最後にもう一度湯の花温泉に入りたくなった。朝は何時から共同湯がやっているかわからなかったが、9時と書いてあったような気もする。実際にテントを撤収していたら出発時刻が9時くらいになってしまった。今日はまだ行っていない石湯に行ってみようと思っていた。石湯はちょっと離れた場所にある。バイクを酒屋の駐車場に置き、看板に書かれた地図を頼りに石湯に向った。石湯はバイクはもちろん車も入れないところにあるようだ。地図には石湯に向う道は歩道と書いてある。途中の石段で中年の女性に会った。「石湯ですか?」と声を掛けて来てくれた。「ええ、これから行こうと思っています」と答えると「今、行ってきたところだけどまだ湯がちょっとしか入っていなかった」ということだった。とりあえず行ってみればということで場所を教えてくれた。最高のロケーションにだった。川のすぐ近くに小さな小屋があり、それが石湯だった。

 引き戸を開け中に入ると黒い石で作られたような湯船が1つあるだけだった。湯は先ほどの女性の言ったように半分も入っていなかった。脱衣所は奥のほうにあり引き戸のすぐ近くにある天神湯とは対照的で腰くらいまでの高さしかないが目隠し用の板もある。場所のよさとこの脱衣所なら女性も多少は入りやすいかもしれない。当然のようにここも混浴だ。入ろうと思えば入れそうだったが、ちょっと手を入れてみるとやたら熱かった。水でかなり薄めないと入れそうもなかった。石湯は次に来た時入ることにして天神湯に入ることにした。

 天神湯はまだ誰も入っていなかった。引き戸の前に下がっている掛札には営業時間が朝5時〜夜10時までになっていた。服を脱いでいると1人のおじいさんが入ってきた。朝の挨拶をしていっしょに湯に浸かった。いろいろ話を聞いてみると年は64歳だが毎年スキーをやっていると言った。それも高校の頃からやっているようでかなり達者らしい。寝袋の3シーズンや冬用を知っていたからアウトドア全般が好きのようだ。栃木に住んでいて湯の花温泉にはよく来るらしい。それにしても元気だと思った。60歳を過ぎてスキーを続けている人なんて滅多にいないだろう。楽しみは若い頃から続けていないと年をとってからでは急にはできない。このおじいさんの話を聞いていたら自分などまだまだヒヨッコだと思った。旅の最後にいい人に会うことができた。旅の最大の愉しみは知らない人と知り合うことなのかもしれない。

 温泉から上がった後、帰路に着いた。今日も空には雲1つない快晴だ。安が森林道から帰る予定だがここが通行止めになっていた場合はまた国道を迂回しなくてはならない。R352から安が森林道に入った。幸い通行止めにはなっていなかった。すぐにダートになるが台風による路面の荒れもあまり感じられない。この林道には数多くの野営ポイントがあり実際に3〜4のグループが野営していた。この林道は峠の近くまでは大変走り易い林道で整備もよく行き届いている。ただ峠が近づくと勾配もきつくなり、カーブもきつくなる。あともう少しで峠をいうところで砂に前輪を取られてコケてしまった。幸い砂の多い路面だったので大したことはなかったが、ハンドルが少し曲がった。前輪を脚で挟み、ハンドルを元に戻した。峠を越えると狭いが舗装路になる。ここもコーナーにかなりの砂が溜まってちょっと怖い。すると前に砂を満載したトラックがあった。このトラックが林道に砂を撒いて林道の荒れを直してしたのかもしれない。

 峠を下り終わったところにあるキャンプ場で一休みした。秋の高い空が静かな風景の中に溶け込んでいる。湯西川温泉から五十里湖に抜け、国道R121に入った。途中、道路工事のためすごい渋滞になったしまったが、そこを過ぎると後は順調に流れ出した。宇都宮に入ったのは1時30分くらい。ここから新4号で都心を目差す。4号を行くと家に着くのは6〜7時なってしまうだろう。新4号はまだ時間が多少早かったせいか渋滞もなく、順調に走れた。途中コンビニでおにぎりを買い、それを昼食にした。越谷・草加で渋滞にはまってしまったが、草加バイパスを過ぎるとまた順調に流れ出した。

 都内に入ると今日は警察の取り締まりが厳しいようで所々で鼠取りをやっていて何台かの車・バイクが捕まっていた。車の流れもそれを意識しているようで法定速度を守っている。ちょっとイライラするが我慢だ。やはり都内は息苦しい。家に着いたのは5時30分。宇都宮から4時間くらいで着いたことになる。新4号だとやはり早い。前は利根川を渡る時有料の橋があったが、それがフリーになったようだ。これから東北方面は新4号を利用しようと思った。

― 終 ―


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