先ほど、衆議院選挙の投票に行ってきた。天気は曇り、肌寒かった。だけど、このくらいの天候が投票日にはいちばんいいかもしれない。雨が降っていると行くのが億劫になってしまいそうだし、快晴だと朝から何処かに遊びに行きたくなってしまう。 しかし、投票率はあまり高くはないようだ。僕が投票にいった小学校もそれほど人は来ていなかった。8時まで投票時間が延びたこともあり、出足が鈍いだけなのかもしれないけど、投票にいっても世の中はどうせ変わらないという無力感に覆われているのかもしれない。それは確かに世の中、急に変わることなんてありえないし、逆にあっては怖い気もするけど、投票することによって少しづつだけど確実に変わっていくと思う。 子供のときから、投票日が好きだった。何故か気分が高揚したりした。それは選挙が好きとか、政治に関心があるとかいうよりも、TVで開票速報を見るのが好きだったからだ。自民党政権が終わり、野党による連立政権ができるのを楽しみにしていた。そうすれば閉塞感に包まれた日常に多少なりとも窓が開かれるような気がした。 選挙権を持ってからいろいろな政党に投票した。それこそ共産党から自民党まで。20代の頃は社会党と共産党に交互に投票していたように思う。自民党には最近まで投票したことはなかったのだけど、‘自民党をぶっ壊す’と言った小泉さんが総理になってから、投票するようになった。破壊者を僕は待っていただけなのかもしれない。 そう、僕はただ無責任に閉塞感を壊してくれるものを待っていた。だから、台風情報を見るのも好きだし、大雪なんて大歓迎だった。TVにかじりつくようにして台風情報を見ていた。そして、台風がいろいろなものを破壊して吹き飛ばしてくれるのを無責任にわくわくしながら待っていた。大雪がすべてを覆い尽くして、動き続ける日常を止めてくれるのを待ったいた。だけど、それらはいつも中途半端で終わってしまうのだった。 しかし、よく考えてみると中途半端で終わってしまうから、僕はそれらが好きだったのかもしれない。実際に台風や大雪で被害にあった方には不謹慎な言い方になってしまうけど、それらは僕にとっては実際に体験できる娯楽だった。そう、ちょっとどきどきわくわくする非日常的な娯楽だった。だから、実際に今の日常を本当に壊してしまうような例えば関東大震災クラスの地震とか、北朝鮮からのミサイル攻撃だとかは絶対に来てほしくない。 選挙もそうなのかもしれない。ちょっとした非日常の娯楽…。そういえば漫才ブームの時はやすきよが開票速報の司会をしたこともあったっけ。 だけど、選挙は台風や大雪とは違う。少しづつだけど、世の中を確実に変えていく。(2003.11.9) |