真夜中のサイクリング

ここのところ気候もよくなってきて、夜風が気持ちいい季節になりました。もうちょっと季節が進んでしまうと東京は夜風もエアコンの室外機から吐き出される風で熱風のようになってしまい全然気持ちよくなくなってしまうので、このくらいの時期が夜風を楽しむのなら一番いいかもしれません。

というわけで僕はこの時期、夜中にチャリンコでブラブラするのが好きなんです。タイトルは‘真夜中の…’ってなってますけど、チャリンコでブラブラする時間帯は実際は9〜11時くらいの間でしょうか?‘真夜中…’は‘夜中…’とするより、ゴロがいいからそうしました(笑)。

ブラブラする範囲はほとんど家の近所で遠くまでいってもせいぜい電車のとなり駅くらいまででしょうか?時間にしたら20〜30分くらい。ママチャリをゆっくりゆっくりこいでいるから、走っている距離はせいぜい3〜4kmくらいです。

走っている途中にはいろいろなものがあります。まず小さな町工場が連なっている通りがあります。まれに灯りがついていてまだ仕事をやっているところもあるけど、だいたいはその日の仕事を終え、静かになっています。銭湯は意外に賑わっているようで入口には自転車がかなり止まっています。遅い時間にもかかわらず結構お年寄りが入りにきています。

住宅街に入ると小さな子供の姿とかも見かけます。ほとんどは母親のチャリンコの後に乗って楽しそうにしています。託児所からの帰りなのかな?まれに小学校低学年くらいの兄弟が走りッこをしていたり、縄跳びをしていたり…。それにウォーキングをしている人にもよく会います、中年の女性が多いみたいで、みんな健康に気を使っているんだなって実感します。日本も治安が悪くなったというけど、女性が夜遅く1人で暗い道を歩けるんだから外国に比べればまだまだ安全な国ですね。

駅に近づくと街灯も増えて当たり前だけど会社帰りのサラリーマンが多いです。駅前の道は幅も広く、両側にはいろいろな店が並んでいますけど、この時間帯だとラーメン屋さんが目立ちます。特にカウンターしかない立ち食いのラーメン屋さんはいつでも満員で外のベンチには必ずといっていいほど人が順番を待っています。食べている人は立っていて、待っている人は座っているというちょっと変わった店です。

駅をぐるっと回ると小さなスナックが連なる裏道に入り、カラオケの音が微かに聞えたり、ホステスさんがお客さんを店から送り出していたり…。この店にはこんな女性が働いていたのかなんて勉強になったり(笑)うちの辺りだとスナックに行く手段としてはチャリンコが多く、店の前に止まっている自転車の数でその店の繁盛具合を計ることができます。

夜中のサイクリングは何か独特の開放感があり、気持ちがふっと軽くなります。それに夜独特の匂いがあるし、ストレス解消には結構いいかもしれませんよ。だけど、下手すると放火犯とかに間違われる場合もあるから、近くに放火犯が出没している場合は避けた方が無難かもしれませんね。チャリンコは自分のものか家族のものを使用しましょう。くれぐれも盗難チャリは使わないように(笑)。また、警官に職務質問を受けた場合を想定して合理的な説明を用意しておいた方がいいです。コンビニにおでんを買いに行く途中だとか、タバコを自販機で買いに行く途中だとか…。‘何となくブラブラ’だとますます立場がやばくなったりしますから。そしてチャリンコはしっかり灯火して怪しくない格好で。(2003.5.3)


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