職場の同僚たちにもワクチン接種券が届きだした。そのため、今まではほとんど皆無だったワクチンの話題が出るようになった。話した人は今のところ数人ではあるが、接種しないといっている人はいない。みんな接種するのが当然と思っているようで、予約をいつにするかという話がほとんどだった。 しかし、誰もこのワクチンが遺伝子ワクチンで将来どのような影響の現れるのかわからないことを知らないし、そもそも治験の終わっていないことも知らない。端的にいってしまえば厚生労働省のホームページに記載された「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」という文言がすべてなのである。 ワクチン接種することによって中長期的に何が起きるかということは誰にもわからないにもかかわらず、身の周りの人たちで誰もそれを逡巡する人のいないのは驚きだ。ある程度、情報を集めれば少なくてもどうしようかな?と思い悩むはずである。テレビの中ではワクチンに対するネガティブな情報は皆無で、接種することが当然とする論調が強い。それに大きく影響されているというか、盲目的に信じ込んで自分で調べようと思いもしない。 日本における新型コロナの感染状況、mRNAワクチンに対する不安および不信感、そういった要素を考えれば以前にもいったが、僕にはワクチン接種するという選択肢はない。しかし、それが絶対に正しいと思っているわけではない。僕の考える以上にコロナ禍は深刻なのかもしれないし、ワクチンもまったく問題のない可能性もある。したがって、自分のことは決められるが、他人にアドバイスをすることはできないのである。 ところが河野太郎ワクチン担当相は自身のブログで「ワクチンデマについて」というタイトルで全てを否定している。例えば女性の不妊に関することだ。ワクチンを接種するとその成分が肝臓、脾臓、副腎、卵巣などに蓄積することがファイザーの治験によって明らかになっている。ただファイザーの文書によると48時間後のそれぞれの蓄積量は記載されているが、その以外のことは一切書かれていない。それもそのはずで治験中のためわからないのである。 その蓄積されたものがどのような影響をそれぞれの臓器に与えるのかはある程度の年月を経ないと正確に評価することはできない。しかし、河野担当相は「わからない」にも関わらず、「不妊が起きるという科学的な根拠は全くありません」と断言している。これは明らかなウソである。「わからない」ことははっきりと「現在ではわかりません」というべきなのだ。それが責任ある立場にいる人間の務めだと思う。この世の中で間違いを犯さない個人、団体はない。国だって多くの間違いを犯している。 さらに河野担当相はブログの中でワクチンに関するデマの65%は12の個人と団体の引き起こしているものとしている。まず、このデマという言葉に引っ掛かってしまう。一体誰がネット上の情報を‘デマ’と判定しているのだろうか?ネット上にはいかがわしい情報も多い。しかし、理論的に納得できるものも数多くある。政府の都合の悪い情報を‘デマ’と決めつけることは言論統制である。戦前に逆戻りしたかのような言動に恐ろしさを覚える。 デマということであれば、河野担当相のブログの記述の中に明らかな事実誤認、デマといってもいい箇所がある。「mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています」という部分だ。このワクチンの治験は終わっていない。緊急性のあるということで治験の途中で特例承認されている。ファイザーの治験終了は23年5月の予定だ。実はこの数行下に「長期の有効性を確認するための治験が継続して行われています」という記述があり、自身でも治験の終わっていないことを認めてしまっている。不妊やmRNAが遺伝子に組み込まれるというのは専門家の間でも意見が分かれており、見解の相違という形で理解できるが、これは明らかな事実誤認なので早急に訂正した方がいいと思う。 インテリ系の著名人がワクチン接種に積極的である。しかし、彼らの行動をみて、このワクチンの安全性は高いと判断するのは危険だ。今までワクチンは完成するまで早くても数年、平均して10年くらいはかかっていた。新型コロナのワクチンがわずか1年で完成した背景にはmRNAやウイルスベクターといった遺伝子操作による新技術があった。この新技術をどう判断するかだが、このワクチンを受け入れることによって最先端技術に詳しい知識人として認識されたいという思いのあるようにみえる。知識のない一般庶民からすると、今まで10年かかっていたものが1年でできたことに何やらうさん臭さを覚え、mRNA、ウイルスベクターといった遺伝子操作に対して危険な臭いを嗅ぎとる。頭で理解するのと肌感覚で感じるのとの差異だが、どちらが正しいのかは数年経ってみないと解答はでない。 そして最後の最近流行りのインド株である。デルタ株との呼ばれているこの変異種は最近になってさらに変異が見つかり、デルタプラス株というのも出回り始めた。ゲームになぞられてラスボスなどという言葉も聞かれ始めた。しかし、これはウイルスには全く当てはまらない。ウイルスは変異を繰り返し、弱毒化していくのが通常である。強毒化する場合もあるが、そういったものはすぐに消えてしまう。致死率10%のSARSがそのいい例で、人間と共存できる株が最後に残る。人間と共存共栄するウイルスとなると弱毒で感染力は強いもので、新型コロナもいずれはただの風邪になる。インド株は、感染力は強いが、症状は風邪とほとんど変わらないという。或いはインド株に置き換わればコロナ終息ということになるのかもしれない。(2021.6.27) |