新型コロナウイルスに支配された世界

 ずっと家にいて、外出するときはマスクの着用、お店に入るときは手指消毒してから、学校の給食の時間、子供たちは前を向いて友達と話さず黙々と食事をし、遠足、運動会、学芸会、楽しい行事は中止などということが一年以上続いている。

 緊急事態宣言が発出されている地域ではお店でお酒を飲むこともできず、八時を過ぎればほとんどの店は閉まってしまう。カラオケを楽しんだり、ライブハウスで盛り上がることもできない。映画館、美術館などは閉館していて、デパートは売り場を縮小し、時短営業、演劇やイベント、スポーツ観戦などは人数制限、WINSが閉まっているから馬券を買いに行くこともできない。旅行しようにも躊躇われる。新型コロナウイルスに支配された世界である。

 新型コロナウイルスにより影響を受けているのは経済だけではない。教育も、文化も多大な影響を受けている。果たして新型コロナウイルスは経済を止め、教育も文化も制限をしなくてはならないほど強力なものなのかというと、その本質はやや質の悪い風邪といった程度なのではないかと思う。

 インフルエンザと比較すると、インフルエンザは毎年約1000万人が感染し、死亡者は約1万人である。新型コロナウイルスは5月19日現在感染者約70万人で死亡者は約12000人となっている。死亡率はインフルエンザの0.1%に対して、新型コロナウイルスは1.7%で10倍以上である。ところがインフルエンザは全世代に渡って死亡者が出ており、死亡率は高齢者と乳幼児が高いのに対して、新型コロナウイルスは30代まではほぼ0%、40代で0.1%、50代で0.3%となっており、60代で1.4%と急激に上がり、70代で4.5%、80代以上で12.3%になっている。

 最近になりメディアはしきりに変異株の恐怖を煽っている。英国株がやや力を失ってくると、今度はインド株ときた。感染力が強く、若者でも重症化するというのである。20代で重症化した大阪の男性を映し出し、こういうことがそこら中で起こっていると思い込ませようとしているが、これは印象操作に他ならない。実はゴールデンウィーク期間中に大阪で重症化した20代の人は二人だけだったのである。変異株で若者の重症化率が増えたなどということはない。

 これはデータをみると明らかで、厚生労働省の4月の速報値は以前とほとんど変化はない。これに対してテレビ朝日の「“20代基礎疾患なし”も重症化N501Y変異ウイルス」というページをみると一切のデータはなく、先の大阪の20代男性の例をあげて、若い世代でも重症化する可能性があるとしている。確かに可能性はあるだろうが、一例をあげて全体もそうであるかのごとく印象付けを行っているのだから、かなり悪質である。

 PCR検査陽性者数を新型コロナウイルス感染者と言い換え、悪くなった数字ばかりを強調し、それができなくなると重症者数や死者数、さらには後遺症、そして昨今では変異株でメディアは恐怖を煽り続けている。その理由は社会に警告を発するといったものではなく、ただ単に視聴率のためだ。太平洋戦争前、新聞の売り上げを上げるため、戦争を煽ったのと全く同じで、時代が進んでもメディアは自身の利益しか頭にないことがわかる。

 ここまで考えるとみんなが支配されているのは新型コロナではなく、テレビの情報だということがわかる。恐怖を煽るテレビの報道により多くの人が洗脳に近い状態になっている。その結果、思考停止になり、情報のみをただ受け入れ、自らそれが正しいのか考えることが無くなる。思考停止に日本独特の同調圧力が加わり、異様なマスク社会が出現した。

 思考停止と同調圧力、それを象徴しているのがマスクだ。現在、外を歩いているとほとんどの人がマスクをしている。一人で歩いている人も、自転車に乗っている人もマスクをしている。さらに一人で車を運転している人でさえ、マスクをしている。一人で歩いていたり、自転車に乗っていたり、車の車内に1人でいたり、ほとんど感染のリスクのないところでさえマスク姿なのである。

 しかし、アンケート結果からもわかるように、みんながマスクをしているから、マスクをしているという人が大半ではないだろうか?みんながマスクをしているのは、外出するときはマスクをしましょうとテレビなどで感染症の専門家といわれている人たちがそのようにいっているからだ。(この専門家と名乗っている人たちはほとんどファイザーなどの製薬会社から献金を貰っている)この状況でほんとうにマスクが必要なのかと考える人は少ない。

 最近ではワクチンに対する同調圧力が強まっている。ワクチンを打つか打たないかは全く個人の自由だと思う。いろいろな情報を精査して、自分で判断すればいいのだが、ワクチンを打つのは当たり前といった空気が出来つつある。特にコロナのワクチンはmRNAワクチンという今までにない型のもので、厚生労働省のHPにも「本ワクチンは、新しい種類のワクチンのため、これまでに明らかになっていない症状が出る可能性があります」との表記がある。mRNAについてはいろいろな動画や記事がネット上にあるのでよく検証してもらいたいと思う。

 思考停止と同調圧力が強まると全体主義に繋がっていく。全体主義、ファシズムの始まりで異分子は排除される。その傾向はすでに出ていて、自粛警察やマスク警察などがその典型で、彼らを生み出しているのはテレビである。みんなと違った行動をしている人たちや同調しない人たちを攻撃する動きのみえることは大変危険である。

 思考停止にならないためには、何でも疑ってみることである。例えば変異株は感染率が高いとか若者が重症化しやすいとかいう情報があったのなら、それをそのまま受け入れるのではなく、疑って自分で調べることだ。テレビの情報元は何処なのか、そして、それは本当なのか、今はネットがあるから比較的容易にいくつもの情報を得られるはずである。それらを調べていくうちに何となく真実の姿が浮かんでくる。

 小学校5年生の男児が体育の授業で持久走の練習をしていて死亡した。この児童はマスクを着けたまま走っていた。文部省は体育の授業中はマスクを着用する必要はないと指導しているが、体育教師がコロナの心配な人はマスクを着けてもいいといっていたそうである。この教師はマスクを着けたまま運動することの危険性を全く認識していなかった。マスク着用して走ればどうなるか、少し考えればわかるはずである。

 朝、出勤前は時計代わりにテレビをつけている。ニュース風ワイドショウ番組の中でワクチンのことをやっていた。その中で厚生労働大臣から「ワクチンを打たない自由を阻害したくない」といった趣旨の発言があった。するとテレビ局のアナウンサーが半笑いで「そんな自由もあるんですね」といった。思考停止するとき普通の人は怪物になる。ナチス戦犯裁判を傍聴したアメリカの哲学者のハンナ・アーレントの言葉である。(2021.5.28)


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