やさしい
かな作品の書き方
監修/谷蒼涯 著/殿村蒼園 定価 (本体1,800円+税)
B5判 96頁 ISBN978-4-8195-0271-9
かな作品にチャレンジしたいという初心者向けの入門書。日本に生まれ
た美しいかなを臨書から作品制作へ段階的に作品例を示して解説。
cover
はじめに
みなさんが書道や習字を学ぼうとする時、先ずどんな書体からチャレンジしてみようと
思いますか?
ほとんどの方は楷書もしくは行書と答えるのではないでしょうか。それは私たち日本の
国で生まれた「かな」を書くことに「かなは難しい」と感じる方が多いからではないでしょ
うか。
思うに次のような原因が挙げられます。
○ 漢字の安定した形や線に対して、かなはバランスが取りにくい。
○ 曲線や連綿があり書きにくい。
○ ひらがなだけでなく変体がなもあり読めない。
などが頭に浮かぶでしょう。
本書では、これらの一つ一つの要因が解決できるように、線のウォーミングアップから、
ひらがな、変体がなも大きな字で半紙に練習できるよう書いてあります。大きくゆったり
筆を動かすことは形ばかりでなく線の鍛錬にもつながります。
また最も基本的な学習である古典の臨書は、半紙から半切臨書へと段階をへています。
そして作品を創ることを目的に、作品の制作方法と過程を段階的に展開した作品例を載
せて解説しています。
美しい日本で生まれた美しいかなを少しでも身近に、そして「ステキだなあ・・・書いてみた
い」と、優美な小宇宙、かなの世界を感じていただけたら幸いです。
平成19年10月 殿村蒼園